ウィークリーレポート(2022年7月22日)

7月の第4週の株式市場は、日経平均は3週続伸となる+4.20%の大幅高、NYダウ+1.95%の反発、ユーロストックス50も+3.43%の反発となりました。
7/19の米国市場ではS&P500の構成銘柄の98%が上昇となりました。構成銘柄の9割程度の上昇は大幅高の際によく見かけますが、さすがに98%となるとレアな出来事になります。過去の例では、2018年12月の急落時にボトムを付け相場が反転する際に出現しており、目先の株高を示すシグナルといえます。
当レポートで取り上げてきた、ベア入り後のパターンでも目先はリバウンド局面となっており、7/19の騰落率はベアマーケットラリー入りのシグナルだったといえそうです。

ところで、構成銘柄の騰落を用いた指標は、日本では騰落レシオ(25日)が使われますが、米国ではBreadth Indicatorの呼び名で10日間移動平均が使われることが多いようです。
NYSE総合指数のBreadth Indicatorを見ると、ここ一年は10日移動平均線が60%を超えると株価が天井を付ける動きが続いていますので、週明け後も一本調子で株高が続くようなら注意が必要です。

7/21に行われた日銀政策決定会合は予想通り無風な結果となりました。次は、7/27(日本時間7/28早朝)のFOMCがビッグイベントとなりますが、コンセンサス通りの+75bp利上げでマーケットインパクトは薄いのではないかと思われます。むしろ、日本時間同日夜の米国4-6月期GDPの結果に注目です。市場予想では年率換算で前期比+0.8%となっていますが、アトランタ連銀のGDPNowでは同▲1.6%と乖離があり、仮に後者の予想が正しいとすると、市場期待を裏切るだけでなく1-3月期から2期連続のマイナス成長となり、テクニカルにリセッションとなるため債券市場も含め大荒れとなりそうです。

The Atlanta Fed GDPNow
https://www.atlantafed.org/cqer/research/gdpnow

週明けの戦略としては、Breadth Indicatorが60%を上回っているなら、FOMC/GDPショックへの備えとして単純にプットロングを持つイベントトレードが考えられます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2022年7月15日)

7月の第3週の株式市場は、日経平均+1.02%、NYダウ▲0.16%、ユーロストックス50▲0.84%となりました。

7/13発表の米国6月CPIは前年比9.1%と市場予想を上回る数値でしたが、株価の反応は限定的でした。
FF金利先物では7/28 FOMCの利上げ幅の予想が75bpから100bpへと増えましたが、米10年債金利の動きも限定的。大きく反応したのは、ドル円為替レートで、1998年以来となる138円台へと円安が進みました。
翌日にはウォラー理事、ブラード・セントルイス連銀総裁が相次いで7月FOMCでの+75bpを支持する発言をしたため、FF金利先物市場では一転して100bp利上げ予想から75bp利上げ予想へと戻りました。

CPIと利上げをめぐっての論点としては、
1. 政策金利3.75%がピークでインフレが鎮静化するか、あるいは更なる利上げが必要か
2. ロンガーラン金利を上回る政策金利でどの程度のリセッションになるか
ということになりますが、100bp利上げ予想でもマーケットの動きは限定的だったことから、先週のレポートでも述べたように、市場では、目先のインフレ/利上げよりも後者のリセッションの深さに関心が移っているように思えます。

さて、その契機に関してですが、7/15 (金)発表のNY連銀製造業景気指数は市場予想▲2に対して+11、ミシガン大消費者マインドも市場予想50.0に対して51.1と予想よりも好調な結果となり、少なくとも足元の米国経済は深刻なリセッションを懸念する状態ではないようです。

6月末以降、S&P500は3750以下に下髭をつけて買い支えられており、また上述の意外と悪くなかった経済指標もサポートとなり、これまでの通り4000pt弱までの緩やかなリバウンド予想を継続します。ベースとしてはS&P500のベア入り後のパターンを踏襲し、8月までだらだらとした上昇相場、その後、上下いずれかへ大きくトレンドを形成と考えます。

日本市場では、7/21水曜日には日銀政策決定会合が予定されています。
投機筋は依然としてYCC撤廃期待を持っているようですが、前回会合前のようにJGB先物が売り込まれているチャートにはなっておらず、金利絡みでの波乱はなさそうです。会合前の観測記事に注意が必要ですが、結局は現状維持となり、結果的に円安が再度進行すると思われます。日経平均は海外市況(S&P500)の堅調さを前提に200日線27638円までの上昇を見込みます。


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ウィークリーレポート(2022年7月8日)

7月の第2週の株式市場は、日経平均+2.24%、NYダウ+0.77%、ユーロストックス50+1.69%と上昇しました。先週末からフォーカスが当たるようになった景気後退リスクにより債券市場は変われ、金利低下を好感してNASDAQ総合指数+4.56%とグロース株を中心に株が買われる展開となりました。
しかしながら、株式市場の反発の裏で、ハイイールドスプレッドは一時6.04%まで拡大、CLO指数は4週続落、債券ボラティリティを示すMOVE指数は2020年コロナショック時のピーク163.70に肉薄する156.16まで上昇するなどきな臭い状態が進行しました。また、コモディティ市場でも景気後退懸念でWTI原油先物は前週▲3.36%と、景気後退懸念=金利引上げペース減速期待と楽観的な株式市場以外では完全にリセッション警戒モードな様相となっています。

週明けのイベントとしては7/13に米国6月CPIの発表があります(市場予想:前年比+8.8%)。前月は市場予想より強い数値にCPIショックとなり株式が急落となりましたので注意が必要です。
とはいえ、これまで取り上げていたS&P500指数のベア入り後のパターンでは、8月中旬ごろまでは小康状態が続く見通しとなっており、CPIが下振れで楽観的な株式市場が正当化されるケースも考えられます。いずれにせよ、株式市場の反応だけでなく金利市場の動きにも要注意です。

日本市場では、7/10に参議院選挙の投開票日があり、与党圧勝となれば月曜日の午前中は買いとなりますが、その後フォロースルーの買いが続かず勢いを失うのが恒例のパターンとなっていますので、月曜に急伸するようならコール売りなどで対応したいです。


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ウィークリーレポート(2022年7月1日)

6月の最終週の株式市場は、日経平均▲2.10%、NYダウ▲1.28%、ユーロストックス50▲2.40%と下落しました。
週初めこそ高値3945ptまで付けましたが、その後反落、3825ptで週末を迎えました。チャートは、S&P500急落時(ベアマーケット入り後)のパターンに沿っており、過去パターンの中央値では、次は3714ptのボトムを付けたあと反発となります。
その後は緩やかに反発局面が続くのが共通のパターンとなっていますが、反発局面ののちは、大きく回復するパターンとさらに値崩れを起こすパターンの二つに分かれます。

さて、6/30の米国個人支出等の経済指標をもとに、アトランタ連銀のGDP Nowが7/1にアップデートされ、2022Q2(4-6月期)は▲1.0%とマイナス成長の予想となりました。7/28に公表されるGDPが予想通りマイナスになれば、前期(2022Q1:▲1.6%)に続いて2期連続のマイナス成長となり、テクニカルにリセッション入りとなります。過去のリセッション局面ではNYダウは平均31%下落しており、1月高値から6月安値まででもまだ▲19.75%の下落となっていますので、リセッション時には現在の水準よりもさらなる下落が想定されます。

GDPNow – Federal Reserve Bank of Atlanta
https://www.atlantafed.org/cqer/research/gdpnow

したがって、上述のリバウンド後の方向性としては後者の下落パターンの確率が高まっているように見えます。トレードアイデアとしては、リバウンド狙いにはダウンサイドへの警戒を残し、8月限プットのベアスプレッド、リバウンド後のダウンサイドへの先回りポジションを構築するなら9月限でリスクリバーサルのショートがよさそうです。

日本市場については、週明け金曜日7/8には日経225型ETFの決算日があり、分配金の捻出売りが意識されます。当社の試算では1兆円前後の売り圧力となっており、またSQ週特有の値動きもあり、荒れた展開に注意が必要です。
黒田総裁が就任した2013年以降の7月の日経平均株価をダウ対比でみると、7/8まで相対的に日経平均が下落し、7/8以降は急反発となります(下チャートは終値の時間をそろえるためCME上場の日経平均先物、ダウ先物ミニの価格比で作成してあります)。7/8までにレシオの下がらなかったケースでも上昇するのは1%未満とオッズは非常に有利に見えますので、週明けは7/8に向けて日経平均売り/ダウ先物買い、7/8にドテンして日経買い/ダウ先物売り、7/11(月)にクローズという短期トレードが狙い目です。


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ウィークリーレポート(2022年6月24日)

6月の第4週の株式市場は、日経平均+2.04%、NYダウ+5.39%、ユーロストックス50+2.75%と反発しました。
週半ばにはパウエル議長が大幅利上げにより米経済がリセッションに陥る可能性があることを認め、リセッション懸念から債券高金利安、コモディティ安となりました。リセッション懸念が報じられることとは裏腹に、長期金利の低下と商品指数の低下から株価は上昇し、また、VIX指数も低下しました。
米国株式市場は今年に入って、月末にかけてリバーサルの動きとなることが恒例となっており、月半ばまで売り込まれたあと反発するパターンは5月と同様で、来週、6月最終週も同様に買戻しに支えられそうです。

月末までのリバウンドの目安としては、先週のレポートで取り上げたS&P500のベアマーケット入り後の推移パターンから、S&P500が3962pt、日経平均は200日線 27882円あたりが目途となりそうです。

6月は6/10のCPIショックで大きく相場が崩れる展開となりましたが、株安の背景では、米国長期金利が6/14高値3.47%から3.10%まで低下、また、WTI原油先物も6/8高値122.11ドルから6/24終値107.62ドルまで11.87%下落、CRB商品指数も同期間中に5.82%下落となっており、7/13の発表予定の米国CPIは市場にとってポジティブな結果になるかもしれません。当レポートでも取り上げたクリーブランド連銀のCPINowは日々チェックしておいたほうがよいです。
7月CPIショックの可能性は低いと下値警戒を緩めて相場に臨むとしても、積極的に上値を買う材料もないため、7月SQに向けは時間価値をとれるプット売り/ストラドル売りがよさそうです。
ただし、日本株に関してはSQ直前にETFの分配金捻出売りがあるため、一時的に下振れしてもよいようにバッファーをもっていたほうがよいです。


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