JGBトレーディングフロア(2023年7月28日)

債券相場は大幅安。日銀は、この日の政策決定会合で、YCCにおける指し値オペの水準を0.5%から1%に引き上げたことを受けて金利の先高観が高まり売りが加速した。長期金利指標となる新発10年国債は一時0.575%とおよそ9年ぶりの水準まで上昇した。
日銀展望リポートでは、2023年度の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)見通しを前年度比2.5%上昇(従来は1.8%上昇)に大幅に引き上げた一方、24年度は1.9%(同2.0%上昇)に引き下げ、25年度は1.6%上昇を維持した。
燻っていた日銀政策修正観測は、指値オペ水準の拡大でいったん収束、長期金利は市場動向にゆだねられることで今後、実需の投資家も買いやすくなるとの見方。目先はファンダメンタルに基づいた均衡水準を探る展開になりそう。

【メモ】
植田総裁の会見の主な発言(出所:Bloomberg)
「YCCの柔軟化は金融緩和の持続性高める」
「物価の上昇リスクに対応する余地を広げた」
「物価上振れ顕在化してからの対応は後手に回り混乱する」
「下振れリスク顕在化なら長期金利低下で緩和効果維持される」
「0.5%と1%の間での長期金利上昇を容認」
「機動的に過度な金利上昇圧力を抑制」
「長期金利が1%まで上昇することは想定していない」
「YCCの柔軟化、修正とそれほど意味は変わらない」
「YCCは、微調整は容易ではない仕組み」
「インフレ上昇した後の微調整は投機を呼び込む」
「為替市場も含めて金融市場のボラティリティーを抑える」
「為替をターゲットにしていない」
「国債買い入れ減るか、やってみないと分からない」
「春闘交渉などを背景に賃金上昇率は高まっている」
「予想物価上昇率も再び上昇する動きが見られる」
「基調的な物価2%へ、距離あるとの判断変えていない」
「短期金利引き上げにはまだ、だいぶ距離がある」
「政策正常化に踏み出す動きではない」


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光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2023年7月28日)

7月第最終週の株式市場は、日経平均株価は+1.41%の反発、NYダウ+0.66%の続伸、ユーロストックス50+1.71%の反発となりました。

FOMCでは25bpの利上げとなりましたが、事前の織り込み具合に加え、今後の利上げに対してパウエル議長が消極的な見解を見せたことで、発表当日は、米国2年債利回りは低下、債券高株高となりました。5月に続いて再度「最後の利上げは買い」モードに入ったように見えます。過去のアノマリーの平均では5%の上昇となっており、2021年の最高値近辺の4800ptが意識されます。

一方、サプライズとなったのが日銀政策決定会合で、会合直前の夜間に出たリーク報道通り、YCCのレンジ目標50bpは維持しつつも柔軟化、無制限の国債買いオペである指値オペの水準を100bpへ後退。代わりに毎月の国債購入額のレンジを大きくとり、50bpを超えても基本的には国債買いオペ増額(QE強化)で対処するというYCC政策の柔軟化を示ました。10年債利回りは一時0.58%まで上昇するものの、指値オペの100bpまで見に行く流れとはならず、為替も141円を回復しました。YCC政策の後退というよりもQE政策の強化として捉えられたようです。
株価も発表直後は32000円を試す下落となったものの、その後引けにかけて反発、NY時間引け時点で、CME日経先物は33000円超となっています。 YCCの修正でも32000円台前半では買いが強いことが確認され、引き続き、レンジの下限から反発の局面と見ます。

前週、ディフェンシブ銘柄が強かったことで気になっていたセクター動向は、NASDAQ100リバランスではなく日銀のYCC修正により、銀行、保険などの金融セクターが強くなり、ローテーションはまた最初からやり直しといった印象で、これも株価サポート材料とも言えます。
戦略としては引き続きプット売り(あるいはファーサイドを合わせて売るブルスプレッド)がメインとなりそうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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JGBトレーディングフロア(2023年7月27日)

債券相場は小幅高。日銀金融政策決定会合の結果発表を明日に控える中、この日の2年国債入札を無難に終えたことや、米国の事前予想通りの利上げで米長期金利が落ち着いていたことも好感された。もっとも政策の変更など会合結果に対する一定の警戒感もあるため、積極的な売買は限られた。

【メモ】
☆2年債入札(451回,CPN0.005%)落札結果
最低落札価格100円09銭5厘(-0.042%)、平均落札価格100円10銭1厘(-0.045%)、応札倍率3.95倍(前回4.26倍)(事前予想価格100円9銭)
☆国債買入(固定利回り方式,369~371回0.50%)落札金額0億円 / 国債買入(固定利回り方式,360回0.50%)落札金額0億円。


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JGBトレーディングフロア(2023年7月26日)

債券相場は上昇。この日の定例の日銀国債買い入れオペは、応札倍率の低下など需給の引き締まりが示され、買い安心感が広がった。
もっとも明日から先に欧米の金融政策結果が発表されることや、IMFの世界経済見通しの公表に絡んで、引き締め準備の提言報道などもあり、積極的な動きは限られた。

【メモ】
☆日銀買入オペ(定例)3-5年4500億円、5-10年6750億円、10-25年2000億円、25年超1000億円、物価連動債500億円。応札倍率は、それぞれ2.19、1.56、1.41、1.96、4.01倍。


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JGBトレーディングフロア(2023年7月25日)

債券相場は超長期債が下落。米FOMCを控える中、米長期金利が上昇した流れを引き継いだ。この日の40年国債入札が弱めの結果となり超長期債を中心に売りが優勢となった。先物は小幅安。日銀の政策については、本日よりブラックアウト期間になり観測記事も限られ、また欧米の金融政策を控えて様子見ムードが強まった。

【メモ】
☆40年債入札(16回,CPN1.3%)落札結果
発行価格95円05銭(1.465%)、応札倍率2.54倍(前回2.38倍)(事前予想利回り1.445%)


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