欧州銀行懸念で弱含み(2016年9月5週)

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今週の株式市場

ドイツ銀行に対する経営不安から株式市場は不安定な動きとなり、日経平均株価は前週末比-1.82%の16,449円で一週間の取引を終えました。

ドイツ銀行に対する不安

ドイツ銀行が米国の司法省から140億ドルの罰金を受ける可能性があり、市場ではドイツ銀行と取引を行っているヘッジファンドが資金を引き揚げるなどの動きが起こり始めています。ドイツのメルケル首相が、ドイツ銀行に対する公的資金による救済は考えていないと述べたことも悪材料となりました。

また、米国司法省がドイツ銀行以外の欧州銀行にも罰金を科す可能性があるとの報道もあり、今後も金融システム不安が材料視される可能性があります。

米大統領選 第一回テレビ討論会

注目された米国大統領選挙の第一回テレビ討論会ですが、ヒラリー・クリントン候補が優勢だったとの見解が多数を占めました。しかし元々報道機関などはクリントン候補を支持していることなどから、報道は若干バイアスがかかり気味であると言えます。世論調査の動向を見てみると、テレビ討論会を受けて大きな変化はなく、差は僅差となっています(参考 ニューヨークタイムス)。そのため、トランプ候補の支持者がテレビ討論会を見て失望したような事実はなく、依然接戦であり、大統領選挙のリスク要因は残っていると捉えるべきでしょう。

その他市場に影響したニュース

  • 28日OPECがアルジェリアで臨時総会を開き、協調減産で合意しました。8月の日産3,324万バレルから3,250~3,300万バレルまで削減します。しかし生産量の割り当てなどは11月の総会で決定する模様です。
  • オバマ大統領が拒否権を発動したテロ支援者制裁法ですが、28日に再び議会で可決され、成立することとなりました。同時多発テロに関与した外国政府を相手に訴訟を行うことが可能となるもので、サウジアラビアに損害賠償を求めることが出来ます。サウジアラビアはこの法案が成立した場合、米国にある資産を売却に動く可能性を示唆しています。

セクター動向

セクター別ではOPECの減産合意により鉱業、石油・石炭、卸売りが上昇しました。一方で長期金利の低下から銀行、保険が下落、原油価格の上昇懸念から空運も下げ幅が大きくなりました。

スタイルインデックスを見ると、東証2部指数やマザーズ指数は上昇していることから小型株は堅調だった半面、大型株が売られたことが分かります。

今後の見通し

来週から10月に入りますが、10月は元々相場が荒れやすい上に、市場はドイツ銀行の問題など様々な不安を抱えています。米国の大統領選挙も11月8日にあるため、10月は投資家にとってはかなり神経質な月となりそうです。


本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本 資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。

光世証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

デイリーコメント(2016年9月30日)

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マザーズ市場概況

本日のマザーズ指数は前日比-9.98ポイントの948.17ポイントと、5日ぶりに下落して取引を終えました。上昇銘柄数は73(33%)、下落銘柄数は140(63%)、変わらずは8(4%)、マザーズ市場の騰落レシオ(25日)は103.3、売買代金概算は前日比73億円減少の889億円となりました。海外市場が大幅安の影響からマザーズ指数も朝から弱い動きとなりました。前週末比では+0.36%と小幅高となっています。TOPIXコア30やラージ70は2%強の下落と、小型株が選好されたことが分かります。

指数下落寄与度上位銘柄はCYBERDYNE(7779、前日比-80円、終値1,575円)、オンコセラピー・サイエンス(4564、前日比-15円、終値299円)、エナリス(6079、前日比-52円、終値923円)、上昇寄与度上位銘柄はミクシィ(2121、前日比+15、終値3,635円)、TOKYO BASE(3415、前日比165円、終値2,258円)、アンジェスMG(4563、前日比+7円、終値271円)、売買代金上位はブランジスタ(6176、前日比+115円、終値1,912円)、そーせい(4565、前日比-60円、終値17,710円)、エナリスでした。

TOKYO BASEは越境EC期待から買われ、直近の高値をブレイク間近で上昇幅が大きくなりました。ブランジスタはスマホゲーム「神の手」の第10弾企画への期待から買われました。

マザーズ先物概況

マザーズ先物は前日比-14.5ポイントの930ポイントで取引を終えました。出来高は133枚、前日時点の建玉は3,371枚となっています。

今後の見通し

10月は相場が荒れやすいというアノマリーがあります。マザーズ市場の注目材料は10月3日に発表される見通しのノーベル生理学・医学賞です。日本人研究者が受賞する可能性が指摘されており、その場合はバイオ関連銘柄が物色されるでしょう。(ノーベル生理学・医学賞のウェブリンクはこちら )

株式市場概況

本日のTOPIXは米国株の下落を受け、前日比-1.52%の1322.78ポイントで取引を終えました。米国株は、ドイツ銀行からヘッジファンドが資金を引き揚げ始めているとの報道や、米国で一度オバマ大統領が拒否権を行使したテロ支援者制裁法が、再び議会で承認されたことが嫌気され、下落していました。

日本市場では電気ガス、海運、その他金融など幅広い銘柄が売られました。一方で、先日のOPECの減産合意から本日も石油・石炭は上昇しています。

本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本 資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。

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JGBトレーディングフロア(2016年9月30日)

(08:50)
金融政策決定会合における主な意見(2016 年 9 月 20、21 日開催分)

毎回の金融政策決定会合で設定する長期金利の操作目標を実現するため、国債買入れ額が増減することは当然生じうるが、こうした金額の変化が政策的なインプリケーションを持つものではないということは、しっかり説明していく必要がある。

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2016/opi160921.pdf

(10:10)
日銀買いオペ通告 5-10、10-25、25年超。
5-10オファー金額を前回4300億円から4100億円に減額。先物は一時152.15円まで下落。http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of160930.htm

(12:00)
落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba160930.htm 
10-25年、全取レートで決定。

【全取レート】
特定の応札レートにおける応札累計額がオファー額の上下200億円以内に含まれる場合は、当該レートにおける応札累計額の全額を落札(全取り)します。但し、a)オファー額の上下200億円以内に複数の応札レートが存在する場合は、オファー額に対してより近接した応札レートにおける応札累計額の全額を落札(全取り)するほか、b)オファー額の上下200億円以内においてオファー額を挟んだ等距離に2つの応札レートが存在する場合は、オペの応札者が不利を被ることがないよう、オファー額よりも大きい応札累計額の全額を落札(全取り)します。

(17:00)
当面の長期国債等の買入れの運営について
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/rel160930c.pdf

(注5)利付国債(物価連動債、変動利付債を除く)の買入れについては、市場の動向等を踏まえて、買入れ利回りの利回較差に下限を設けて入札を行う場合があります。
(注6)オファー金額は、金利操作方針を実現するため、市場の動向等を踏まえて変更することがあります。

事前予想通り、上記注意書きが新たに加わった。
初回オファー金額は、5-10年は本日同様4300⇒4100億円、10-25年が2000⇒1900、25年超1200⇒1100に小幅減額。
先物はイブニングセッションで小幅下落。直前の152.42円から152.30まで下落する場面みられた。

(17:30)
事前の予想通り、長期債以降の買いオペ金額の減額修正で、来週4日の10年債入札に注目集まる。長期ゾーン減額でスティープニング期待が出そうな一方で、ドイツ銀の懸念でリスクオフの流れが国内債券にも影響、中期ゾーンの利回りが上がりにくく、先物も懸念払しょくされるまでは、底堅い展開続くか。
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引け後の国債利回り
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投資部門別売買状況(2016年9月3週)

マザーズ市場

9月3週のマザーズ指数は前週末比3.6%上昇し、944.81ポイントで取引を終えました。現物市場では、買いは海外投資家が69億円、売り手は個人が46億円、自己が8億円でした。先物市場では買いは自己で1.3億円、投資信託が0.9億円、売りは海外投資家が1億円、個人が0.6億円でした。

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2市場1,2部

9月3週のTOPIX指数は前日比+2.9%の1349.56ポイントでした。現物先物合算で、買いは自己が877億円、投資信託が629億円、海外投資家が362億円、売りは個人が2,116億円と比較的大きめの売りとなりました。

下げ局面で買いを貯めていた個人が、市場全体の上昇とともに利食い売りを出したという構図となりました。

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デイリーコメント(2016年9月29日)

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マザーズ市場概況

マザーズ指数は、前日比+1.53ポイントの958.15ポイントで1日の取引を終えました。上昇銘柄数は121(55%)、下落銘柄数は88(40%)、変わらずは11(5%)、マザーズ市場の騰落レシオ(25日)は105.8、売買代金概算は962億円と前日比で33億円の減少となりました。

指数上昇寄与度上位銘柄はエナリス(6079、前日比95円、終値975円)、CYBERDYNE(7779、前日比+16円、終値1,655円)、ミクシィ(2121、前日比+30円、終値3,620円)、下落寄与度上位銘柄はそーせい(4565、前日比-330円、終値17,770円)、オンコセラピー・サイエンス(4564、前日比-16円、終値314円)、サンバイオ(4592、前日比-45円、終値1,535円)、売買代金上位はそーせい、エナリス、オンコセラピー・サイエンスとなりました。

エナリスは特設注意市場銘柄の指定解除後、下落が継続していましたが4日ぶりの反発となりました。その他、バイオ関連銘柄は足元、堅調に推移していたものが多かったため、若干調整の動きが見られました。

マザーズ先物概況

マザーズ指数先物は前日比+5.5ポイントの944.5ポイント、出来高は210枚でした。前日時点の建玉は3,255枚と依然として増加傾向にあります。現物指数は先物上場後何度も上値を抑えられている960ポイントに近づいており、今回は上抜けられるのかに注目が集まります。

株式市場概況

本日のTOPIX指数は前日比+12.48ポイント(+0.94%)の1343.25ポイントと上昇しました。チャート的には、昨年12月以来下回っている200日移動平均に頭を抑えられる形となっており、これを上回れるのかが依然として注目されます。

セクター別では、昨晩行われたOPECの臨時総会で原油の増産が合意されたことから、鉱業が上昇率トップとなりました。振るわなかったのは原油価格が上昇すると、利益が減少する空運です。

OPECの減産決定は予想外だっただけに、原油価格も5%以上の上昇となりました。しかし、どの国がどの程度減産するなどは11月に決められるようで依然として不透明な部分はあります。また過去の減産合意後、原油価格が上昇したという傾向もないため、一先ずショートカバーが終わった後どのような動きが見られるかを注視したいところです。

本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本 資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。

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