
7月第1週、日経平均は▲0.74%、NYダウ+2.30%、ユーロストックス50▲0.69%と米国株のみ上昇となりました。
6月の相場を振り返ると、月前半は持ち合い局面が続き動意に乏しかったものの後半に株価は上昇に転じ、S&P500は史上最高値を更新となりました。
以前、当レポートで紹介していたS&P500が10%以上の調整局面を迎えたケースの比較チャートでは、1998年のLTCM破綻時の都の類似を指摘していました。その後、5月に入り株価の戻り局面で類似性が薄れてきていましたが、6月最高値を取り返すタイミングが同じとなり、6月後半のS&P500の上昇は、トランプ大統領によるFRBへの利下げ圧力によるもので、1998年の株価の戻りもFRBの緊急利下げであったことから、再びアノマリーを意識したほうが良さそうです。
さて、その6月相場ですが、オプションのストラテジー指数はすべてのストラテジーが上昇したものの、S&P500のロングが最もパフォーマンスがよいという結果でした。しかしながら、リスク/リターンの観点からはATMにプットを売るPUT指数が優れており、上昇局面におけるプット売り戦略は有効といえます。

ウィークリーレポート(2025年5月9日) – TRADING FLOOR
https://kosei.co.jp/wordpress/?p=22915

米国株に関しては、5月の当レポートで書いた、S&P500が10年間7月に負けなし、というのもサポートになるかもしれません。
7/9にはトランプ関税の交渉期限となり、日本を含めた対米貿易黒字国にとってはネガティブな結果が出そうです。
(Bloomberg)【焦点】トランプ関税、90日間の猶予終了で発動迫る-迷走の末 – Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-07-06/SYXZKNDWRGG000
(Bloomberg) トランプ氏、7月9日の期限延長は必要ない-日本車に不満表明
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-06-29/SYMIYYDWX2PS00
しかしながら、最も関税の影響を受けそうな自動車株(トヨタ、SUBARUなど)は相互関税が発表された4月急落時の安値近辺に位置しており、すでに関税の影響を織り込んだ水準にあります。
分配金捻出売りの需給悪化に関して、NYダウ÷TOPIXのレシオチャートはここ5年で最も下落しており、こちらもすでに織り込みずみと考えれば、週明けは警戒感から上昇したプットを売り向かうのが良いかもしれません。

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