ウィークリーレポート(2022年11月25日)

11月第3週の株式市場は、日経平均+1.37%、NYダウ+1.78%と反発、ユーロストックス50は8週連続の上昇となる+0.96%でした。
米国10年債金利は前週比▲15bpの3.67%と下落。引き続き、マーケットはインフレピークアウトとFRBの利上げペース鈍化を織り込む楽観モードとなっています。11/30にはパウエル議長の講演が予定されていますが、これまでのFRB高官のタカ派発言に反応の薄かったマーケットだけに、都合のよい解釈だけを求めて反応しそうです。12/13の米国CPIまでは下落材料となりそうな指標発表はスケジュールされておらず、しばらくはこの楽観ムードが続くように思えます。

日本市場では、りそな銀行(8308)が連日新高値を更新しているように銀行株が強い他、直近2週間では、電気・ガス、海運、卸売セクターなどバリュー/配当利回りが選好されています。
TOPIXバリュー指数は2021年3月以降のレンジを明確に上抜けており、同指数が上昇トレンドなる際は2020年11月、2017年9月など相場の上昇局面となることが多く、目先の強気相場を感じさせます。

海外市場ではユーロストックス50が9月末の安値から20%以上上昇して強気相場入りしており、日経平均は弱気相場入りこそしていませんが、6月安値からの20%上昇は29618円と、今年8月高値29222円を超える水準で、オプション市場で29000から29500まで行使価格のコール建玉が多くことから、株価が堅調に進むならばSQに向けてスクイーズが期待できそうです。引き続きC295ロングが狙い目と考えます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2022年11月18日)

11月第3週の株式市場は、日経平均▲1.29%、NYダウ▲0.01%と小幅反落、ユーロストックス50は7週連続の上昇となる+1.46%でした。FRBの利上げペーススローダウンへの期待から大幅上昇した前週の反動からか、ひとまず足踏み状態になりました。
木曜日にはセントルイス連銀のブラード総裁から、利上げ停止の議論はしていないと、マーケットの楽観にくぎを刺す発言がありましたが、影響は限定的となっており、下値の堅さをうかがわせました。
米国長期債はやや下落し利回りは+1bpの3.82%となりました。

日本市場の動向では、裁定残高が1930億円の売り越しと、引き続き売り超過で需給面は買い目線を支持しています。また、個別株のファクターではモメンタムがマイナスに大きく寄与しており、‘21年5月、’21年8月のレンジ相場内でのボトムを付けた局面と似ていることから、短期的には上昇に賭けるほうが分が良さそうです12月限C29000あたりが狙い目かもしれません。

上述のブラード総裁の発言がほぼほぼ無視されたように、マーケットではすでに来年5月に政策金利がピークを迎えるシナリオをメインに考えています。向こう半年ほどの期間では、毎月の米国CPIに一喜一憂する相場となりそうですが、ある程度米国のインフレが収まり、市場の期待通り5月にFRBが利上げを停止した場合の各種アセットの動きについて予習したいと思います。
まず、米国株式について、NYダウは過去5回の利上げ停止局面で、平均約15%上昇となっています。WTI原油先物は横ばいで、ドル円為替レートは初動として円高になるもののその後3か月ほど横ばいが続き、再び円安トレンドとなっています。
日経平均は上昇と下落のケースがはっきりと2極化しており、下落パターンとなったのは90年代の日本の金融危機時となっています。現在の日本の起因結城間の状況は90年代とは大きく異なることから、こちらも米国株と同様に上昇が期待されます。
ただし、FRBが利上げを停止し、その後利下げに転じる局面では、当然リセッションの兆候が出てきているわけですので、利上げ停止後の上昇局面は最後の逃げ場かもしれません。


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ウィークリーレポート(2022年11月11日)

11/10(木)に発表された米国10月CPIは前年比7.7%と市場予想7.9%を下回る結果となり市場は大変動となりました。
CPIのコンポーネントではエネルギーを除くコモディティ価格が上昇率鈍化に寄与。一方、サービス価格は依然として高いので、利下げとはいかずまだまだ政策金利の高止まりを正当化する内容でしたが、それでも、FRBの利上げペース減速期待から米国長期金利は▲27bp下がり3.81%となり、NYダウは+1201ドル大幅高の大幅高、週間では+4.15%となりました。日経平均は+3.91%、ユーロストックス50+4.88%いずれも上昇しています。

CPI発表後のドル円為替レートは146円58銭から140円20銭と一時6円を超す急激な円高(ドル安)となりました。
147.66円まで円安が進行した1998年の局面との比較チャートを見ると、今回の急激な円高への反転も当時と同じコースを辿っているように見えます。
1998年のパターンなら12月に高値の23%安水準、116円台への急激な円高となりますが、当時はLTCM破綻からの緊急利下げがトリガーとなっていました。現時点では、仮想通貨業者FTXの破綻が取りざたされているものの伝統的な金融機関への影響は少ないとみられFRBが緊急利下げに転じる可能性は低いとみています。したがって、1998年当時と比べるともう少しマイルドなペースでの円高進行となるかもしれませんが、CFTCの報告による投機筋建玉は24345枚の円売りと高水準ですので、やはり需給面からは円高有利な状況です。

目先のスケジュールでは、12月13日米国CPIまで目立った大きな経済イベントもなく、このまま金利安/株高のトレンドは継続しそうです。
株式市場について、テクニカルでの節目は、S&P500は200日線4082pt、8月高値4322ptが意識されます。日経平均では29222(8月高値)、29388円(年初来高値1/4)が節目となりそうです。
需給面でも、11/4時点での裁定残高は1578億円の売り越しとなっていることもショートカバーによる買いが期待できそうです。


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ウィークリーレポート(2022年11月4日)

11月の第1週の株式市場は、日経平均は+0.35%、NYダウは▲1.40%と5週ぶりに反落、ユーロストックス50は+2.08%と5週連続の上昇となりました。

非農業部門雇用者数は+26.1万人と市場予想+19.3万人より強い結果となり、米国10年債利回りは1bp上昇の4.15%となりました。
木曜日に発表されたFOMCでは市場予想通り75bp政策金利を引き上げ、パウエル議長の会見では事前の観測報道通り将来の利上げペースダウンを示唆しました。一方で、金利引き上げのピークとなるターミナル金利については、従来よりも高くなるとの見方を出し、タカ派とハト派を混ぜる内容から、会見後の金融市場は乱高下する結果となりました。
FF金利先物から計算されるCME Fed Watchのインプライド・ターミナル金利は2023年5月に4.975%のピーク予想からから5.14%へ上昇し、10年債と2年債の利回り格差は逆イールドを強める形となりました。

(Bloomberg)パウエル議長、ピーク金利は従来想定から上昇-利上げペース鈍化も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-02/RKQFCGT0AFB401

NYダウは反落となりましたが、テクニカルには10月末までの上昇で Breadth Indicator が60を超える過熱気味だったことへの調整と考えられます。
株式益回りと10年債金利のスプレッドから見るとあと9月安値水準の2.75%まで株安によりスプレッドが拡大するなら、S&P500は3395ptと10%は下落余地ある水準で上値を追いかける理由はFRBの利上げ減速期待とショートカバーやFOMO(Fear of missing out)の需給面以外の環境は悪く、やはり目線は下のままがよさそうです。

来週は中間選挙とCPIがありますが、足元の相場環境では中間選挙が話題になることは少なく、やはりCPIに注目が詰まっています。FRBへの期待が先行したあとでのCPIということで、ここ半年で安堵か経験してきたCPIショックとなるなら、S&P500は上述の10%安水準、一方、日本では裁定残高が2021年7月以来となる167億円の売り越しとなっており需給面でのサポートから米国市場よりマイルドな下落として日経平均26000円が安値目途として意識されます。


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ウィークリーレポート(2022年10月28日)

10月の第4週の株式市場は、日経平均は+0.80%、NYダウ+5.72%、ユーロストックス50+3.92%となりました。
12月から利上げペースを鈍化させるとの思惑で米国長期金利は13週ぶりに下落に転じ、前週比▲20bpの4.01%となりました。金利の低下にもかかわらず、GAFAの決算が失望的であったためナスダック総合は▲0.62%と反落となりました。一方で、コカ・コーラやキャタピラーなどハイテク以外の銘柄は決算を好感され上昇しており、NYダウ>NASDAQの動きが顕著に出た1週間でした。

(Reuters)米国株式市場=急反発、FRBが利上げペース減速との思惑で
https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKBN2RG1RI

週開けは日本の祝日の11/3にFOMCの声明が発表されます。利上げ幅は+75bpが市場のコンセンサスでありますが、マーケットの注目としては事前の思惑報道に沿った内容がパウエル議長の会見で述べられるかどうかにあります。すでに事前報道で株価は上昇しておりsell the factとなる懸念もありますが、米国中間選挙アノマリーでは中間選挙まで強含む展開が示唆されています。
クリーブランド連銀のCPI Nowcastでは前年比8.11%と依然として高いインフレ率が予想されており、11/10のCPIをきかっけに反転(金利上昇/株安)と、今期何度か見かけたパターンの再現となるコースの方がしっくりきます。
とはいえ、Fed Pivotをきっかけにした株価上昇は8月の長いラリーとなったことも記憶に新しく、ひとまずはCPIまでプット売りなどがよさそうです。


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