ウィークリーレポート(2022年11月11日)

11/10(木)に発表された米国10月CPIは前年比7.7%と市場予想7.9%を下回る結果となり市場は大変動となりました。
CPIのコンポーネントではエネルギーを除くコモディティ価格が上昇率鈍化に寄与。一方、サービス価格は依然として高いので、利下げとはいかずまだまだ政策金利の高止まりを正当化する内容でしたが、それでも、FRBの利上げペース減速期待から米国長期金利は▲27bp下がり3.81%となり、NYダウは+1201ドル大幅高の大幅高、週間では+4.15%となりました。日経平均は+3.91%、ユーロストックス50+4.88%いずれも上昇しています。

CPI発表後のドル円為替レートは146円58銭から140円20銭と一時6円を超す急激な円高(ドル安)となりました。
147.66円まで円安が進行した1998年の局面との比較チャートを見ると、今回の急激な円高への反転も当時と同じコースを辿っているように見えます。
1998年のパターンなら12月に高値の23%安水準、116円台への急激な円高となりますが、当時はLTCM破綻からの緊急利下げがトリガーとなっていました。現時点では、仮想通貨業者FTXの破綻が取りざたされているものの伝統的な金融機関への影響は少ないとみられFRBが緊急利下げに転じる可能性は低いとみています。したがって、1998年当時と比べるともう少しマイルドなペースでの円高進行となるかもしれませんが、CFTCの報告による投機筋建玉は24345枚の円売りと高水準ですので、やはり需給面からは円高有利な状況です。

目先のスケジュールでは、12月13日米国CPIまで目立った大きな経済イベントもなく、このまま金利安/株高のトレンドは継続しそうです。
株式市場について、テクニカルでの節目は、S&P500は200日線4082pt、8月高値4322ptが意識されます。日経平均では29222(8月高値)、29388円(年初来高値1/4)が節目となりそうです。
需給面でも、11/4時点での裁定残高は1578億円の売り越しとなっていることもショートカバーによる買いが期待できそうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です