ウィークリーレポート(2022年11月4日)

11月の第1週の株式市場は、日経平均は+0.35%、NYダウは▲1.40%と5週ぶりに反落、ユーロストックス50は+2.08%と5週連続の上昇となりました。

非農業部門雇用者数は+26.1万人と市場予想+19.3万人より強い結果となり、米国10年債利回りは1bp上昇の4.15%となりました。
木曜日に発表されたFOMCでは市場予想通り75bp政策金利を引き上げ、パウエル議長の会見では事前の観測報道通り将来の利上げペースダウンを示唆しました。一方で、金利引き上げのピークとなるターミナル金利については、従来よりも高くなるとの見方を出し、タカ派とハト派を混ぜる内容から、会見後の金融市場は乱高下する結果となりました。
FF金利先物から計算されるCME Fed Watchのインプライド・ターミナル金利は2023年5月に4.975%のピーク予想からから5.14%へ上昇し、10年債と2年債の利回り格差は逆イールドを強める形となりました。

(Bloomberg)パウエル議長、ピーク金利は従来想定から上昇-利上げペース鈍化も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-02/RKQFCGT0AFB401

NYダウは反落となりましたが、テクニカルには10月末までの上昇で Breadth Indicator が60を超える過熱気味だったことへの調整と考えられます。
株式益回りと10年債金利のスプレッドから見るとあと9月安値水準の2.75%まで株安によりスプレッドが拡大するなら、S&P500は3395ptと10%は下落余地ある水準で上値を追いかける理由はFRBの利上げ減速期待とショートカバーやFOMO(Fear of missing out)の需給面以外の環境は悪く、やはり目線は下のままがよさそうです。

来週は中間選挙とCPIがありますが、足元の相場環境では中間選挙が話題になることは少なく、やはりCPIに注目が詰まっています。FRBへの期待が先行したあとでのCPIということで、ここ半年で安堵か経験してきたCPIショックとなるなら、S&P500は上述の10%安水準、一方、日本では裁定残高が2021年7月以来となる167億円の売り越しとなっており需給面でのサポートから米国市場よりマイルドな下落として日経平均26000円が安値目途として意識されます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2022年10月28日)

10月の第4週の株式市場は、日経平均は+0.80%、NYダウ+5.72%、ユーロストックス50+3.92%となりました。
12月から利上げペースを鈍化させるとの思惑で米国長期金利は13週ぶりに下落に転じ、前週比▲20bpの4.01%となりました。金利の低下にもかかわらず、GAFAの決算が失望的であったためナスダック総合は▲0.62%と反落となりました。一方で、コカ・コーラやキャタピラーなどハイテク以外の銘柄は決算を好感され上昇しており、NYダウ>NASDAQの動きが顕著に出た1週間でした。

(Reuters)米国株式市場=急反発、FRBが利上げペース減速との思惑で
https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKBN2RG1RI

週開けは日本の祝日の11/3にFOMCの声明が発表されます。利上げ幅は+75bpが市場のコンセンサスでありますが、マーケットの注目としては事前の思惑報道に沿った内容がパウエル議長の会見で述べられるかどうかにあります。すでに事前報道で株価は上昇しておりsell the factとなる懸念もありますが、米国中間選挙アノマリーでは中間選挙まで強含む展開が示唆されています。
クリーブランド連銀のCPI Nowcastでは前年比8.11%と依然として高いインフレ率が予想されており、11/10のCPIをきかっけに反転(金利上昇/株安)と、今期何度か見かけたパターンの再現となるコースの方がしっくりきます。
とはいえ、Fed Pivotをきっかけにした株価上昇は8月の長いラリーとなったことも記憶に新しく、ひとまずはCPIまでプット売りなどがよさそうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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ウィークリーレポート(2022年10月21日)

10月の第3週の株式市場は、日経平均は▲0.74%、NYダウ+4.89%、ユーロストックス50+2.81%となりました。米国市場ではFRB高官のタカ派な発言を受け、米国長期金利は前週比+23bpの4.25%まで上昇、FF金利先物から計算される政策金利のピーク時の予想も5%まで上昇しました。
これまでの動きと異なり、米国市場では株高と金利高が併存している状況で、S&P500の予想益回りと10年債金利の差、イールドスプレッドは2.17%と2007年10月以来の低水準になりました。
株高の一方で、債券ボラティリティのMOVE指数、株価ボラティリティVIX指数は依然と高止まりとなっており下値の警戒感がうかがえます。

10/27には米国GDPが発表されます。市場予想、アトランタ連銀のGSDNowともに3四半期ぶりにプラスの経済成長を予想されており、予想通りならば株高の材料となりそうですが、発表日に向けて事前に株高の進むケースも考えられます。後者の場合は金利高、VIX高も踏まえSell the factが考えられます。

また、翌日の10/28には日銀政策決定会合が開催されます。32年ぶりにドル円為替レートが150円を超え、10/21の夜のNY市場では、公式アナウンスはありませんが9月に続き2回目のドル売り円買い介入を行った模様です。9月コアCPIは3.0%は日銀の物価目標2.0%を超えているため、足元の円安/物価高を抑えるための政策変更のシグナルが出るか期待されます。JGB先物は海外市場の債券安と歩調を合わせ147円38銭の安値を付け、10年債金利はすでにYCC政策の下限25bpに到達している状態ですので、現状維持ならば6月同様リバウンドが考えられます。

https://www.atlantafed.org/cqer/research/gdpnow


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ウィークリーレポート(2022年10月14日)

10月の第2週の株式市場は、日経平均は▲0.09%、NYダウ+2.53%、ユーロストックス50▲0.39%とまちまちの結果となりました。
10/13に発表された米国9月CPは、市場予想+8.1%に対して8.2%、エネルギー・食料品価格を除いたコアCPIは6.6%と40年ぶりの高水準に上昇となりました。これを受けて米国債券は下落、10年債利回りは一時4.07%まで上昇、週間では13bp上昇の4.01%となりました。
一方、CPIは発表後の株価は前日2%以上の下落水準から始まったものの、ザラ場中は買い一辺倒となり、前日比+2.69%と大きな陽線を引いて取引を終えました。ファンダメンタルズを考えると、債券市場の反応が合理的ではありますが、先週紹介したAAII(全米個人投資家協会)のセンチメントなど株式市場では陰の極みの様相を示していたことからも、テクニカルな買いが先行していると思われます。

引き続き米国10年債利回りとS&P500の予想株式利回りの差、イールドスプレッドが株価の水準をコントロールするならば、同スプレッドの4月安値2.33%が意識されます。10年債利回り3.90%の時、S&P500は3814ptとなり、3800pt回復後は、株価が下がるか、利回りが下がるかの分水嶺となりそうです。
経済指標への反応の方向としては長期金利の反応は合理的ではありますが、4.00%越えの水準となるとFRBのランガーラン金利2.50%との乖離も大きくオーバーシュートしている感もぬぐえません。
トレードアイデアとしては、株式ショート/債券ロングのポジションが考えられますが、10/13の大幅反発後でもVIX指数、MOVE指数ともに高止まりしていることから、オプションの売りを代替としてもよさそうです。


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ウィークリーレポート(2022年10月7日)

10月の第1週の株式市場は、日経平均は+4.55%、NYダウ+1.99%、ユーロストックス50+1.73%と大幅反発となりました。
10月に入り、株買い/債券売りの流れとなりましたが、金曜日に発表された米国非農業部門雇用者数は市場予想(+275K)より強い+288Kとなり、失業率も3.5%と前月の3.7%から低下、堅調な労働市場=根強いインフレ圧力という認識からNYダウは前日比▲630ドル、米国長期金利は前日比+5bpの3.88%となりました。

チャート的にはS&P500、ナスダック総合とも6月安値と9月安値でダブルボトムの形を形成しつつあり、9月安値を割れなければ中間選挙へ向けたラリーが期待されます。全米個人投資家教会(AAII)のセンチメントでは、やはり6月安値時と同じく▲40%を下回る悲観状態となっていることも、9月末の急落でいったんのボトムを付けた可能性を示唆しているように思えます。

一方、株式益回りと長期金利のスプレッドの観点からは、週間での株式市場の反発と金利の上昇は相いれない状況となっており、2022年のこれまでのところは、債券市場の動向が正しく、株価が修正を繰り返してきていました。 足元の米国10年債金利は3.88%まで上昇しており、FEDWatchの予想ではターミナル金利(利上げサイクルピークじの金利)は4.5%ながらも、FRBが9月に公表したロンガーラン金利2.5%を正しいとするならば、足元の金利は上昇しすぎ(債券が売られ過ぎ)ているように思えます。

10/13には米国CPIが控えており、市場予想では9月CPIは8.1%、クリーブランド連銀のCPI Nowcastでは8.20%といずれも前月の8.30%からの鈍化を予想しています。6月、9月と市場を荒らしたイベントだけに今回も、株式市場がもう一段安となるかダブルボトム形成での反発かの分水嶺になりそうです。
ダウンサイドでは2019年高値の3397pt(約7%下落)、アップサイドでは長期金利の低下を前提に200日線4184ptが意識されます。日経平均ではダウンサイドで6月安値25520円、アップサイドで29000円が対応しそうですが、いずれも大きな幅となりますので、10/13のCPIを見てからの対応でも間に合のではないでしょうか。


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