ウィークリーレポート(2023年3月10日)

※市況の数値は3/10(金)夕方時点のものです。

3月第2週は、日経平均は+0.78%、NYダウ▲3.40%、ユーロストックス50▲0.20%となりました。
日本市場では前週のレポートで指摘通りSQ日に向けてショートカバーが進み木曜日までに前週比695円と株高が進みましたが、同日夜、米国SVB銀行持ち株会社の公募増資により金融不安が広まり、金融株が大きく下がると翌金曜日には日本市場も金融株を中心に値下がり、日経平均は479円の下落となりました。

(Bloomberg)米銀持ち株会社SVB、上場来最大の下げ-シリコンバレーで事業
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-09/RR9RSMT0AFB401

米国市場では、SVBの公募増資およびその原因となった債券投資による損失が明るみになったことでその他金融株への売りが膨らむ一方、米国債は買われ長期金利は▲8bpの3.81%となりました。昨年よく見られた、金利上昇/株価下落、金利低下/株価上昇といった関係性は崩れているように思え、週明けのCPIの数値が仮に低く、長期金利が下がったとしても株価下落の支えになるか不透明な状況です。
下落の目途としてはS&P500の昨年12月の安値3764ptがひとまず意識されます。逆に急反発の可能性としては、金融不安は各国中央銀行が最も嫌うテーマですので、FRB高官から手のひらを返したようなハト派は発言が出た場合になると思われます。

これまでの急速な金利引き上げの弊害が意識されてる展開となりそうですので、注目するべき指標としては国債よりも格付けの劣る債務の利回りということで、ハイイールド債と米国債のスプレッドや非上場企業や中小企業への貸し出しを行うBDC(Business Developing Company: REITの貸金版)の指数があげられます。

日本市場では3/10日銀政策決定会合はサプライズ無しの現状維持となり、一時為替が円安に反応するも限定的でした。米国市場の金融不安をネタに、日本市場も軟調な展開が予想されますが、3月末には配当の再投資が控えており、一部では、日経先物で1500億円強、TOPIX先物で9500億円強の配当落ちによる買い需要が発生するとの試算を報じていました。
ここ3年の3月、9月の配当再投資のパターンでは15日以降にダウに対してTOPIXがアウトパフォームする傾向があり、週後半にTPX先物買い/ダウ先物売り、あるいは、ダウ先物売り/日経225プット売りといったトリッキーな組み合わせも考えられます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2023年3月2日)

3月第1週は、日経平均は+1.73%、NYダウ+1.75%、ユーロストックス50+2.78%とそろって反発となりました。米国金利も引き続き上昇、10年債利回りは週間では+0.8bp上昇の3.95%と小幅な上昇でしたが、木曜日には昨年11月以来となる4%を超えました。

その3/2木曜日には、FRB高官の「夏ごろには利上げ停止」発言を受け、債券市場では夏までの連続利上げを織り込み債券安/金利高、株式市場では利上げ停止に反応し株高と、各マーケットで別々に解釈が進んでいます。
債券市場の価格を前提とするならば、長期金利が4%を超えていた昨年11月の安値水準よりもS&P500は7%弱オーバーバリューな水準となっています。また、米国債版VIX指数であるMOVE指数は、2月の安値97.33ptから124.12ptまで上昇しており、特に3/10の米国雇用統計は警戒が必要です。

一方で、日経平均株価は3/3金曜日に2月の高値を抜け年初来高値を更新しました。週明け金曜はSQですので、雇用統計前のスクイーズ狙いで3C285の買い(あるいは先物買い/C285のカバードコール)も面白そうです。ただし、足元の騰落レシオは117%と2月の137%から低下しており、株価の上昇/騰落レシオの低下の同時進行は昨年8月のラリーの終盤に見られた現象ですので、高値を追いかけるならばプロテクティブプット(現物買い+プット買い)など下落のケアも考えた方がよいでしょう。

チャートの形状では台湾加権指数が春節以降、極端なBOX相場になっており、半導体関連銘柄のウェイトの高い同指数が上に抜けるか下に抜けるか、今後の相場を占う指標として注目です。


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ウィークリーレポート(2023年2月24日)

2月第4週は、日経平均は▲0.22%、NYダウ▲2.99%、ユーロストックス50▲2.25%とそろって続落となりました。米国金利は引き続き上昇、10年債利回りは+12bpの3.94%となりました。
S&P500は200MA 3940ptにタッチする手前で反発し、下髭を付ける形となっていますが、全米個人投資家協会(AAII)のデータでは強気-弱気のネット数が▲17と3週ぶりに毎マイナスとなり、センチメントは悪化しており、昨年12月の安値圏3800ptまでの一段の下落を警戒した方がよさそうです。

日本市場でも、騰落レシオが127%と過熱水準で高止まりしており、下落に身構えたいところです。
とはいえ、2/24に行われた植田日銀総裁候補の所信表明では、「足元のインフレは一時的で2%物価目標の安定的な達成には現状の金融緩和政策は維持」との発言があり、当日は株高債券高となり、為替欧州時間から米国金利高もあり136円51銭まで円安が進行しました。
S&P500が3800ptまで下落しても、日銀の緩和継続期待と円安により日経平均の下落は26500円あたりでまでにとどまると思われます。

目先の取引としてはダウ先物売り/日経先物買いや、あるいは日経平均のダウンサイドは限定的と見越してストラドルの売りなどがよさそうです。


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ウィークリーレポート(2023年2月17日)

2月第3週は、日経平均は▲0.57%と反落、NYダウ▲0.13%と続落、ユーロストックス50+1.83%の反発となりました。欧州では英国FTSE100指数やフランスCAC40指数が過去最高値を更新しましたが、ECB高官の”広範なディスインフレの過程は始まってさえいない”との発言からやや頭を押さえられた格好となりました。

米国金利は、前週に引き続き上昇、10年債金利は+8bpの3.81%で週末を迎えました。FRB高官の発言に右往左往ながらも、金利上昇を踏まえるとNASDAQなどのグロース株の下落は限定的に見えます。仮に金利高/株安のサイクルだった昨年の動きへ回帰するなら、S&P500で25日線4062pt、節目の4000pt、200日線3943ptあたりまでの下落が想定されますが、経済指標では月内大きなイベントはなく、過度の変動期待は肩透かしをくいそうです。

動意がありそうなのはむしろ日本市場で、週末24日は植田日銀新総裁の所信表明があります。債券市場では10年債利回りが50bpで推移しており、YCC修正期待が燻っていることから、同日は所信表明の文言に過剰な反応をしそうですが、3月会合までは黒田総裁の元で政策決定が行われますのでJGB先物3月限のダウンサイドは限定的と見て、むしろ、所信表明が現状路線維持であった場合のアップサイドに賭けるの分がよさそうです。


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ウィークリーレポート(2023年2月10日)

2月第2週は、日経平均は+0.59%と5週連続の上昇、NYダウ▲0.17%と続落、ユーロストックス50▲1.41%の反落となりました。
米国債券市場では、2年債利回りが前週比22bpの4.51%、10年債利回りが20bp上昇の3.73%となり、前週末の堅調な雇用統計の結果と、連銀高官の相次ぐタカ派発言から短期ゾーンで菌入り上昇が顕著となり逆イールドは一時▲0.81%と深堀になりました。

雇用統計以降、米国市場はインフレの根強さと金融引き締めの長期化にナーバスになっており、FF金利先物市場ではターミナルレート予想5.14%、かつ、到達が5月から7月にずれ込むなど、早期利下げまで意識し始めた先月までの流れとは大きく様相が変わりました。
14日には米国1月CPIの発表があります。市場予想は前年比6.2%、一方、クリーブランド連銀のCPI Nowcastは足元で6.44%に微増しており、市場予想よりも上振れするようなら神経質な反応となりそうです。

日本市場に関しては、当初ロイター報道では2/10とかとされていた日銀総裁の後任人事ですが、2/14(火)の11時に内示と報道されました。週初めに日経新聞が雨宮氏と報道で円安、木曜日には山口氏の名前がヘッドラインに流れて70銭円高と、新日銀総裁に対するマーケットの感度が高い状態が続いていましたが、10日金曜日の夕刻に日経新聞から植田和夫氏の起用が報じられました。

有力視されていた雨宮氏ではなく、報道後はいったん円高、債券安、株安と金融引き締め転換への警戒反応となりましたが、その後、現行の大規模な金融緩和を継続するとの植田氏の発言が伝わると株、為替は値を戻しましたが、債券市場では10年債利回りがYCCの上限50bpに張り付いており警戒感が残っています。
これまで候補者として名前が挙がっていなかったため、足元の経済状況を踏まえてタカ派なのかハト派なのか、24日の所信表明が注目となりそうです。

足下の米国金利の上昇に対して米国株は下げ渋っており、CPI跨ぎでのトレードを考えるとダウンサイドに賭ける方が分がよさそうに見えます。1552VIX ETFの買いなどどうでしょうか。

(日経新聞) 日銀新総裁、植田和男氏を起用へ 経済学者で元審議委員
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB106UI0Q3A210C2000000/

(Bloomberg)植田氏は「日本のバーナンキ」、決断力もある-サマーズ氏が評価https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-11/RPWEDET0AFB701


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