2月第2週は、日経平均は+0.59%と5週連続の上昇、NYダウ▲0.17%と続落、ユーロストックス50▲1.41%の反落となりました。
米国債券市場では、2年債利回りが前週比22bpの4.51%、10年債利回りが20bp上昇の3.73%となり、前週末の堅調な雇用統計の結果と、連銀高官の相次ぐタカ派発言から短期ゾーンで菌入り上昇が顕著となり逆イールドは一時▲0.81%と深堀になりました。
雇用統計以降、米国市場はインフレの根強さと金融引き締めの長期化にナーバスになっており、FF金利先物市場ではターミナルレート予想5.14%、かつ、到達が5月から7月にずれ込むなど、早期利下げまで意識し始めた先月までの流れとは大きく様相が変わりました。
14日には米国1月CPIの発表があります。市場予想は前年比6.2%、一方、クリーブランド連銀のCPI Nowcastは足元で6.44%に微増しており、市場予想よりも上振れするようなら神経質な反応となりそうです。
日本市場に関しては、当初ロイター報道では2/10とかとされていた日銀総裁の後任人事ですが、2/14(火)の11時に内示と報道されました。週初めに日経新聞が雨宮氏と報道で円安、木曜日には山口氏の名前がヘッドラインに流れて70銭円高と、新日銀総裁に対するマーケットの感度が高い状態が続いていましたが、10日金曜日の夕刻に日経新聞から植田和夫氏の起用が報じられました。
有力視されていた雨宮氏ではなく、報道後はいったん円高、債券安、株安と金融引き締め転換への警戒反応となりましたが、その後、現行の大規模な金融緩和を継続するとの植田氏の発言が伝わると株、為替は値を戻しましたが、債券市場では10年債利回りがYCCの上限50bpに張り付いており警戒感が残っています。
これまで候補者として名前が挙がっていなかったため、足元の経済状況を踏まえてタカ派なのかハト派なのか、24日の所信表明が注目となりそうです。
足下の米国金利の上昇に対して米国株は下げ渋っており、CPI跨ぎでのトレードを考えるとダウンサイドに賭ける方が分がよさそうに見えます。1552VIX ETFの買いなどどうでしょうか。
(日経新聞) 日銀新総裁、植田和男氏を起用へ 経済学者で元審議委員
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB106UI0Q3A210C2000000/
(Bloomberg)植田氏は「日本のバーナンキ」、決断力もある-サマーズ氏が評価https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-11/RPWEDET0AFB701