ウィークリーレポート(2023年4月14日)

4月第2週は、日経平均は+3.54%、NYダウ+1.20%、ユーロストックス50+1.89%とそろって上昇しました。
12日に発表された米国3月CPI +5.0%(市場予想+5.1%)は、発表直後はポジティブに反応したものの、その後売りに押されS&P500は前日比マイナスとなりましたが、翌日発表された米国3月PPI が前月比+2.7%(市場予想+3.0%)とこれも市場予想を下回ると、インフレ鎮静化(=利上げ終了)期待から株高となりました。

木曜日時点では債券市場では米国10年債利回りが3.43%と前週から+4bpと小幅上昇したのに対して、同2年債利回りは2bp低下の3.95%と逆イールドが解消される方向で動きました。
物価指標でインフレ圧力の低下が確認されたことから、5/4の利上げが最後で年内利下げの期待まで報じられており、その中で、ローン担保証券のCLO指数は3月の下落を取り返し年初来高値を更新、BDC指数、ハイイールド債ETF(HYG)も上昇とリスクオンムードとなっています。
金曜日に発表されたミシガン大学1年期待インフレ率は市場予想3.7%に対して4.6%と大幅に強く、市場は6月にも更なる利上げがあるか懸念したことからNYダウは反落しましたが、VIX指数、債券ボラティリティのMOVE指数、さらに同日の株式市場の下落を主導したナスダック100指数のボラティリティ指数であるVNX指数も前日比で下落しており、実際には週末の需給要因などが下落なのではないか思われます。

さて、5/4 FOMCに関して、ハイイールド債と米国10年債利回りのスプレッドは、FRBの利上げ最終局面(最終利上げ前)でいったん上昇するパターンが見られ、5/4のFOMCが最後の利上げだとすると、3月のSiVB破綻によるハイイールドスプレッドの拡大は、過去のパターンを踏襲したものと見れます。
同様に、最終利上げ前後のパターンを見ると、米国金利に関しては明確な下落傾向、株式に関しては上昇傾向があり、平均的な推移を仮定すると夏には長期金利3%割れ、NYダウ36000ドル超えの展開が見えてきます。
予想EPSが低下傾向であるアメリカ株式市場のバリュエーションからは36000ドルは容認できる水準ではありませんが、週明けから本格的に始まる米国決算次第では過剰な期待先行となる可能性も否定できません。
パターントレードとしては株買い、金利低下を見越して債券買い、金利低下の恩恵のあるREIT買いとデルタロングに傾けたくなりますが、バリュエーション面で深追いしたくない心理もあり、いったん反落してレンジ相場に逆戻りした場合でも対応しやすいようにATMプット売りがよさそうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2023年4月7日)

4月第1週は、日経平均は▲1.87%、NYダウ+0.63%、ユーロストックス50▲0.13%とまちまちな展開となりました。

4/4に発表された米国新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、リセッション懸念が再び台頭、米国10年債金利は先の利下げを見越して16bp低下の3.30%と昨年9月以来の低水準になりました。ただし株価は微調整にとどまり週間ではS&P500は▲0.10%の下落にとどまりました。
4/7金曜日に発表された米国雇用統計では、前月から雇用者数の増加が減少していることを好感してS&P先物は上昇、一方、フルタイム雇用者数の伸びが依然として堅調であることから米国債は売られ金利上昇(そして為替はドル高円安)と、真逆のリアクションとなりました。

一方、日本市場は4/5以降売りに押され、独歩安となりました。日々公表される先物手口では4/5 国内大手証券、4/6米系証券、4/7欧州系証券が売りの主体となっており、これといってはっきりした傾向はありませんが、先週紹介した2014年4月を踏襲する値動きとなっており、引き継き同じコースで動くとするならば日柄的には4/12まで下落その後反発が期待されますので、プット売り戦略がよいかもしれません。


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ウィークリーレポート(2023年3月31日)

3月最終週は、日経平均は+2.40%、NYダウ+3.22%、ユーロストックス50+4.46%と続伸となりました。
日経平均は先週のレポートでの予想通り配当の再投資で日経>ダウとアウトパフォームしましたが、権利落ち後は予想に反して日経>ダウの勢いが継続しました。期末のリバランスフローならば、週明け期初からの反落考えられます。チャートパターンの形状としては、2014年の3月~の形状と似ており、同様の動きならば4月頭らから反落し26000円を試す動きにも見えます。

とはいえ、日本市場単独で下落というのも考えにくく、米国株式の動きを見ながらなりますがが、その米国市場は3月中旬の米国地銀ショックに対する当局のケアから株価は上昇局面にあり、また、FF金利先物市場では5月が最後の利上げで年内の利下げを織り込んでいます。再び現れたゴルディロックスのような環境の中でNSDAQ100指数は昨年12月安値から20%上昇し、強気相場入りしています。
テクニカル面では、S&P500の騰落レシオBreadth Indicatorは63%と過熱ゾーンに入りましたが、同時にZweig Breadth Thrustという買いシグナルも発生しました。このシグナルは直近では2019年1月、2016年11月に出ており、いずれもその後数か月S&P500はラリーとなりました。
このシグナルに従うなら、前述の通り日経平均が下落するならば押し目買いのチャンスとなりそうです。上昇相場に水を差しそうなイベントでは4/12米国CPIがありますが、無風で通貨できれば、5/4FOMCまで大きなイベントはなく、現物ロング or プット売り戦略がよさそうです。

日本市場の話題に戻りますが、月末に発表された3月東京CPIコアコア は3.4%と市場予想3.2%を上回り、前回2月 3.2%からインフレが強まっていることから、再びYCCの修正など日銀政策決定会合(4/28)での政策変更期待が高まりそうです。こちらはJGB先物オプションのプットロングが期待できそうです。


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ウィークリーレポート(2023年3月24日)

3月第4週は、日経平均は+0.19%、NYダウ+1.18%、ユーロストックス50+1.61%と反発となりました。
3月FOMCでは利上げ幅は前回同様+25bpとなり政策金利は5.00%に達しました。FF金利先物市場では次回5月FOMCが最後の利上げとなり年末には3.8%までの利下げを予想しています。
FOMC後には株価は急落しましたが、イエレン財務長官が預金全額保護を翻意する発言もあり、FOMCに向けたショートカバーによる株価上昇の息切れかイエレン財務長官の発言か、どちらがインパクトを出したのかはっきりと区別しにくいものの、金曜夜には、ドイツ銀行が一時▲14%安になるなど、銀行の流動性不安が依然とくすぶっています。

3/24金曜日時点での3月に入ってからの動きをまとめると、S&P500指数は月初来+0.02%、米国長期金利低下の恩恵を受けたナスダック総合指数は+3.22%と、金融不安にも負けず健闘していますが、中小企業への貸し出しを行う上場商品のBDC指数は▲8.85%と落ち込み、ハイイールドスプレッドは+74bpの拡大となっていますので、米10年債利回りが▲54bpと下がっている点については、FRBの将来的な利下げを織り込んでいるというよりも、質への逃避といったリスク回避の動きに見えます。日本市場でも騰落レシオはいまだ100を上回っており、いましばらく調整が必要に思えます。

足元、円高に対して日経先物はS&P500先物に対してアウトパフォームしており、ここ1年の為替と日米株価比率の連動性からは乖離している状態です。配当の再投資に絡むフローが日本株を支えていると考えられ、権利付き最終日まではこの流れが続きそうですが、例年、権利落ち後は一転して日本株が相対的に弱くなる傾向がありますので、週前半は日経買い/ダウ売り、週後半は日経売り/ダウ買いのスウィングトレードのチャンスがありそうです。


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ウィークリーレポート(2023年3月17日)

3月第3週は、日経平均は▲2.88%、NYダウ▲0.15%、ユーロストックス50▲3.89%と下落になりました。
先週末に流動性が懸念されたSVBは金曜日のうちに破綻、その後、FRBの緊急融資BTFP及び預金者保護が発表されるといったんは落ち着いたものの、次は、欧州のクレディスイスの信用不安から急落。スイス中銀による500億スイスフラン(約7兆円)の貸付が発表されると株価はまた反発とジェットコースターの様相でした。

(JETRO)米SVBに続きシグネチャー銀行も経営破綻、ただし預金は全額保護、FRBは銀行向けの緊急融資枠を設定
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/03/e83b6d45c066f5ae.html

(Reuters)クレディ・スイス、スイス中銀から最大500億フランを借り入れへ
https://jp.reuters.com/article/cs-cen-fin-idJPKBN2VI02A

欧米銀行の流動性不安に対しては各国中銀の対応で落ちついたように見えますが、米国ハイイールドスプレッドは2月の安値4.32%から5.36%まで拡大しています。また、米国債の予想ボラティリティを示すMOVE指数は一時198.71とコロナショックの高値163.70を上回り、2008年以来の高値を付け、米国債市場の動きも不安定になっています。中小企業への貸付ローンを投資対象とするCLOのAAA格とBB格のスプレッドもハイイールドスプレッドと同様に拡大しており、中銀の緊急融資で安心感を得た株式市場とは裏腹に、クレジット市場は臨戦態勢のままとなっています。

銀行の経営不安の背景にはインフレ退治のための急速な利上げ(債券安)があり、破綻したSVBはリスク管理が杜撰だったという個別要因があるにしても、債券含み損はその他の銀行にも共通しており、これから第2、第3の流動性懸念銀行が出てくるものと思われます。
したがって、株価の反発があっても、クレジット市場が落ち着くまでは戻りは限定時と考えており、ひとまずはS&P500 52週線 3999pt、日経平均 25日線 27646円あたりが上値の目途となりそうです。
日本市場については、引き続き配当の再投資が意識される展開で、TPX/Dow取引がよさそうです。


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