ウィークリーレポート(2020年5月6日)

4月月間の株式市場はNYダウ+11.08%、日経平均+6.75%と急落となった2月、3月からの反発となりました。日本市場が連休中の5/4、5/5の海外市場は、NYダウ+0.6%、ユーロストックス50指数▲1.7%と小動きにとどまっています。

5月4日、日本政府は緊急事態宣言の1カ月延長を決定しました。特定警戒都道府県以外の自粛は緩和ということで、ベクトルとしては緩和方向に向かっており、株式市場には好材料と言えます。

実体経済については、強烈な悪化予想が相次いでいますが、依然として日経平均株価が2万円台にあるのは、各国中銀の大規模緩和と、また金融機関の健全性によるものと考えられます。一方で、新たな懸念として、米中貿易摩擦が再び台頭してきました。新型コロナウィルスの蔓延の責任を中国に求め、賠償を求める動きが欧米で出ており、これらが金融制裁の形を取れば再び市場は不安定となりますので要注意です。

連休明けの日本市場では、本決算開示前(集中日は5/15)ということで、例年通りリターンリバーサルの動きが予想されます。4月は大幅反発だったことから反落が予想されるところですが、裁定売り残は2兆4125億円と過去最高を更新していることから、下落局面では買い戻しが警戒されるため安易なショートポジションも難しいところです。

(産経) 4~6月GDP、戦後最悪の21%減 エコノミスト28人予測https://www.sankei.com/economy/news/200504/ecn2005040003-n1.html

(NHK)米トランプ大統領「中国はひどい間違い犯した」新型コロナhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20200504/k10012417151000.html

(日経)米、コロナで中国に報復論 トランプ氏「関税上げも」https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58693650R00C20A5EA3000/


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2020年4月24日)

4月第4週は、NYダウは▲467ドルの反落、日経平均も▲635円の反落となりました。

NYMEX上場のWTI原油先物では限月交代に伴う混乱から一時1バレル▲40.31ドルというマイナス値段が付く異例の事態となりました。この余波で原油先物にリンクしているETNなど清算されました。2018年のVIXショックでも同様に指数連動商品の清算が相次ぎ発生しましたが、今回は原資産の運用規模の大きさを考えるとヘッジファンドや金融機関へさらに悪い余波が出てきそうです。

(Bloomberg)クレディ・スイスの原油ETNが無価値に、今月初めに続き2本目https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-22/Q9764VDWLU6T01

(Bloomberg)原油価格の急落、中国銀行顧客に91.5億円の損失発生-金融商品投資でhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-23/Q98KONDWLUDH01

(Bloomberg)シンガポールの石油取引会社、8億ドルの損失隠しhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-20/Q91YPJT1UM1501

NYダウの過去の暴落パターンを比較したチャートでは、ちょうど1番底から反発が落ち着き、反落していくタイミングにあります。上述の原油ショックもあり、ひとまず下落パターンに入りそうですが、日本市場の裁定取引残高では売り残高が2兆3584円と過去最高記録を更新していることから、3月安値をいきなり割り込むような急落とはならず、17750円当たりで踏みとどまるのではないでしょうか。

週明けに月曜日には日銀政策決定会合があります。事前報道では、国債購入額の上限撤廃や社債購入の増額など追加緩和が予測されています。
週半ば水曜日が祝日となる変則的な取引日かつ、来週にはゴールデンウィークが控えていることから積極的な売買は期待しにくいですが、GW前後のトレンドは継続しやすいので(2019年4月19日付のウィークリーレポート参考)、週末にヘッジを入れるかどうか見極める週となります。

ウィークリーレポート(2019年4月19日)
https://kosei.co.jp/wordpress/?p=10144

~5/1にかけて続落するようであれば、ゴールデンウィーク明けのギャップダウン狙いに日経VI先物や【1552】VIX短期ETFの買いなど如何でしょう(ボラティティの商品は一般的株式の3~5倍の変動率があるのでポジション量に注意)。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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ウィークリーレポート(2020年4月17日)

4月第2週は、NYダウは+532ドル、日経平均も+398円の小幅続伸となりました。

4/14に発表されたIMFの世界経済見通しでは、2020年の実質GDP成長率を米国▲5.9%、日本▲5.2%とリーマンショックを大幅に超える予想としました。多くの国内外メディアがこの悪い数値を報じましたが、一方で、2021年の反発も予想されています。2021年の成長率は、中国・インド・ASEAN諸国で高く、これらの新興国はパンデミック以前の水準を回復するものの、先進国では回復しきれないというバラツキがあります。

直感的には、経済大国であるアメリカがまず回復し、その後を追うように新興国も回復していくと思われがちですが、実際には逆の現象が起きています。リーマンショック後の2009年1月の世界経済見通しと2009年の各国の株価騰落率を表にまとめました。当時の見通しも、新興国>先進国という成長率を予想しており、実際に株価も新興国の方が大きく上昇しています。
今後の株価のリバウンド局面をとりに行くのなら、【1681】上場MSCIエマージング株ETFなど新興国銘柄がより大きなリターンを期待できます。

ただし、このIMFの見通しは2020年後半に新型コロナウィルスのパンデミックが収束しているというシナリオの下に算出されていますので、感染の状況次第では予想された経済拡張は2021年に発生しない可能もある点に注意です。
4/17にトランプ大統領は米経済の再開可能にする指針を公表しましたが、活動再開により再び感染が拡大しないのか注意が必要です。
当面はクレジットスプレッドとコモディティが金融市場での主導的なファクターと考えられますので、株式については短期売買を除いて、決算発表の出揃うゴールデンウイーク明けまで様子見で十分と考えます。

3/17の安値を割れるかはともかく、再度、安値圏までの下落をベースシナリオとして考えていますが、今週発表された裁定取引残高では、買い残高5725億円に対して売り残高が2兆165億円と、昨年9月以来の高水準にあり、ショートカバーによる以外高の可能性もやや気になる点です。


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ウィークリーレポート(2020年4月10日)

4月第2週は、NYダウは+2,666ドルと反発、日経平均も+1678円の反発となりました。4/9にはFRBが新たに最大2兆3000億ドルの供給を発表、中小企業に最大6000億ドルのローン債務購入も含まれていたことから、先週紹介した 米国ハイイールドETF (HYG: iShares)は前日比+6.55%(週間で+11.98%)の大幅高となりました。

ウィークリーレポート(2020年4月3日)
https://kosei.co.jp/wordpress/?p=11635

四半期ごとの騰落率をリーマンショック時と比較すると、ジャンク債はまだ上昇余地がありそうです。OPEC+での減産合意に難航し、乱高下している原油ですが、20ドルを割れるとその後、バルチック・ダーティータンカー指数が急上昇しており、安値圏では中国の備蓄買いが発動し買い支えていると推測され、こちらも買い/ターゲットバイイングに妙味がありそうです。

(Bloomberg)中国が国家備蓄向けに原油購入開始へ、相場急落受け-関係者https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-02/Q85B6XT0AFB601

来週14日には、IMFが世界経済見通し(WEO)を発表します。新型コロナウィルスの影響をどの程度見積もるのか、今後の市況を考えるに、一番重要なイベントとなりますので、発表後のダウの方向には注意が必要です。暴落パターンのチャート比較では、リーマンショック時のアヤ戻しと非常によく似ており、同じコースなら来週は反落となります。

株式市場の2番底の有無について議論もありますが、結局、機関投資家の需給で大きくぶれるだけですので、むしろ、2番底が有っても無くてもどっちでもいい、という投資スタイルを目指した方が精神衛生上よいと思われます。

長めのスパンについては4/10付で公開したスポットレポートに記しました。メインシナリオ通りならば、今は歴史的な安値水準ということになり、数年待てば高値までの株価回復が期待できます。つまり、長期投資でしたら、好きな数字を4つ並べて出てきた銘柄を買ってもよほど運が悪くなければほぼほぼ儲かるので、目先の乱高下は無視して、仕込んでいきたい優良銘柄をゆっくり考えるタイミングです。

新型コロナウィルスパンデミック後について
https://kosei.co.jp/wordpress/?p=11660


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ウィークリーレポート(2020年4月3日)

~4/1の週は、NYダウは ▲584.25ドルと反落、日経平均も ▲1,569円と反落しました。
前週+2,836に大幅反発となった日経平均ですが、今週発表された信用評価損益率(売り)のデータでは、3/13 の23.85%から3/27+1.56%と売り方の評価益が大きく減少しました。

リーマンショック時も2008/10/10の26.46%から 2008/12/26の3.41%へと、一番底を付けた後に売り方評価益が減少しており、今回の新型コロナもひとまず一番底をつけたパターンといえそうです。
金曜日に発表された米国の非農業部門雇用者数は▲701Kと記録的な悪化を示しており、今後、ローン返済の滞りなどを起因とする信用不安が懸念されます(株価は2番底へ)。

ただし、リーマンショック後、真っ先に一番大きくリバウンドしたのはジャンク債などのクレジット系の商品だったことを思い出した方がよいかもしれません。当時は、リーマンショックの余波はまだ終わっていない、深刻な破綻はこれからだ、ジャンク債の発行が増えているのは非常に危険、金融界は全く懲りていないという論調が支配する中、結果的には高利回りが破綻ロスを吸収し、2009/1~2009/6の半期リターンは株式を上回る水準となりました。

リーマンショック時は、株価が1番底から2番底を付けるまでの間に、中国の大規模な財政出動によるコモディティ上昇、資源国通貨の上昇、各国金融緩和による”新興国”債券の上昇(信用スプレッドの縮小)が起こりました(下記図参照)。今回も、各国の中央銀行による緩和、米国を筆頭に大規模な財政出動が計画されており、譲許は似通っています。今後、株価はBOX相場ないし2番底を探る展開となりますが、株価よりむしろジャンク債の動向(HYG: iShares米国ハイイールドETFなど)を注目したほうがよいと思われます。


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