長期金利が0.255%と約6年半ぶりの高水準となり、日銀がイールドカーブコントロールで許容する変動幅の上限を上回った。
5月の米CPIの伸びが予想以上に加速したことを受けた米金利上昇が国債の売り圧力となったほか、超長期債や先物9月限が大幅安となったことも影響した。
長期金利が上限を突破したことを受けて、日銀は午後2時に臨時の国債買いオペを14日に実施すると通知した。買いオペの基準になる公社債店頭売買参考値(日本証券業協会発表)では残存9.5年以下の一部の国債が0.25%を上回る状況(逆イールド)となった。
月別: 6月 2022
JGBトレーディングフロア(2022年6月10日)
債券相場は超長期債を中心に上昇。日銀の国債買い入れオペでの超長期債の需給の良さが示されたことが手掛かりとなり買いが優勢だった。また債券先物は、6月限が13日に取引最終日を控えており、9月限へのロールの動きは6月限への買い戻し圧力になっているとの見方。
【メモ】
☆本日の日銀買入オペは、1年以下1500億円、1-3年4750億円、3-5年4750億円、25年超500億円(事前通告通り)。応札倍率はそれぞれ4.11、2.47、2.23、3.22倍。
【来週のスケジュール】
6/13
<国内予定>
景況判断(2Q)
<国内決算>
神戸物産(3038)
<海外予定>
【米国】米下院特別委員会議事堂襲撃事件公聴会
【欧州】英鉱工業生産(4月)
【その他】中国経済全体のファイナンス規模新規融資マネーサプライ(5月15日までに発表)
<海外決算>
オラクル
6/14
<国内予定>
財務省国庫短期証券(6カ月)入札 / 財務省流動性供給入札(残存期間15.5年超39年未満) / 営業毎旬報告(6月10日現在) / 設備稼働率(4月) / 鉱工業生産(4月)
<海外予定>
【米国】米FOMC / 米中間選挙予備選(メーンノースダコタネバダサウスカロライナ州) / 米PPI(5月)
【欧州】ドイツ2年債入札 / OPEC月報 / 独CPI(5月) / 独ZEW期待指数(6月) / 英ILO失業率(2-4月)
【その他】*****
6/15
<国内予定>
通常国会会期末 / 国庫短期証券(1年)入札 / 日銀国債買いオペ1-3,3-5,5-10年) / コア機械受注(4月) / 第3次産業活動指数(4月) / 訪日外客数(5月)
<海外予定>
【米国】米FOMC声明発表FRB議長記者会見と経済予測 / 米下院特別委員会議事堂襲撃事件公聴会 / 輸入物価指数(5月) /小売売上高(5月) / NAHB住宅市場指数(6月) / 企業在庫(4月)
【欧州】ECB総裁講演 / ユーロ圏鉱工業生産(4月)
【その他】中国小売売上高・工業生産(5月)と固定資産投資(1‐5月) / 露GDP(1Q)
6/16
<国内予定>
国庫短期証券(3カ月)入札 / 貿易収支(5月)
<海外予定>
【米国】米住宅着工件数(5月)
【欧州】英中銀政策金利発表 / スイス中銀政策金利発表/ ユーロ圏財務相会合(ユーログループ) / 欧州新車販売台数(5月)
【その他】豪雇用統計(5月) / ニュージーランドGDP(1Q) / 中国新築住宅価格(5月)
<海外決算>
アドビ
6/17
<国内予定>
日銀金融政策決定会合,黒田総裁会見
<海外予定>
【米国】景気先行指標総合指数(5月)
【欧州】EU財務相理事会 / ユーロ圏CPI(5月)
【その他】*****
本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会
ウィークリーレポート(2022年6月10日)
6月の第2週の株式市場は、日経平均▲1.49%と6週ぶりに反落となりました。NYダウ▲4.58%、ユーロストックス50▲4.88%は続落。
6/9 ECB定例理事会では7月に25bp利上げとアナウンスし、ECBがインフレ抑制へ舵を切りました。しかし、米豪加中銀のように50bp利上げではなく、また、量的緩和終了後のQTに関しても見通しを示していないことからも慎重な対応とも思われますが、同日の株価は下落で反応しました。ただし、米国ハイイールドスプレッドは大きく変わらず、リスクオフというよりは脊髄反射の様相が強いと思われます。
しかしながら、翌6/10の米国CPIは市場予想+8.3%に対して+8.6%と強い数値となりました。数値自体は、東ブログで指摘した通り、クリーブランド連銀の予想値通り強い結果となったわけですが、マーケットは想定外強さに、9月FOMCでの利上げ休止が遠のくとの観測からNYダウ▲2.72%の急落となりました。
ウィークリーレポート(2022年5月27日) – TRADING FLOOR (kosei.co.jp)
https://kosei.co.jp/wordpress/?p=16595
週明けはFOMCと日銀政策決定会合が予定されています。FOMCに関しては今回と来月の2会合では50bp利上げがコンセンサスで、サプライズはなさそうです。注目は9月に一度様子をするか、引き続き利上げをするのかという点で、パウエル議長の会見でヒント次第で上下どちらにも動意づきそうです。
日銀政策決定会合に関しては、日銀・金融庁・財務省の3者会合で急激な円安について懸念を表明してますが、一方で、デフレ脱却に向けた政府・日銀のアコード修正には触れず、なんとも中途半端な状況となっています。足元の日本のCPIが2%をわずかに超えた程度であることを踏まえると、現状維持となり、3者会合の警告で手控えた分反動でかえって円安が進むかもしれません。
FOMC通過後の反発を期待したいところですが、6月下旬からは日経平均やTOPIXの連動型ETFの分配金捻出売りが意識されます。昨年は8000億超の観測がなされており、昨年よりも分配金額が増加している今年は1兆円近くになるのではないでしょうか。今年に入り、円安を背景に海外株比で堅調な推移を見せてきた日本株ですが、6月後半は逆風となるかもしれません。
(2021.7.2) 8000億円超の株売り圧力か-ETF7月決算、分配金支払い過去最大に
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-07-02/QVHZK0T0AFB401
本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会
JGBトレーディングフロア(2022年6月9日)
債券相場は超長期債を中心に下落。原油高によるインフレ懸念の強まりから米10年国債利回りが上昇したことを受けて売りが優勢だった。
日銀指し値オペで長期金利の上昇は抑えられ横ばいだが、先物9月限が夜間取引にサヤ寄せする形で大きく下げて始まった。
その後下げ幅を縮め、引けでは前日終値を上回ったが、限月間のスプレッド拡大によって前日比での上げ幅は6月限を下回った。国内金利に対する先高観が根強いのと、6月限の買戻し圧力が働いているようだ。
☆流動性供給入札落札結果(第359回、残存期間5年超15.5年以下)
最大利回較差 -0.003% 平均利回較差-0.006% 応札倍率6.15倍(前回4.33倍)。
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光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会
JGBトレーディングフロア(2022年6月8日)
債券相場は上昇。前日の米長期金利が低下したことを背景に買いが優勢だった。
日銀が指し値オペを毎営業日実施しているのに加えて、この日は定例の国債買入れオペを無難に通過したことが相場の支えとなった。先物は13日に取引最終日を迎える6月限からの期先の9月限へのロールが進んでおりスプレッドは開き気味で、9月限りの戻りは鈍かった。
【メモ】
☆本日の日銀買入オペは、1-3年4750億円、3-5年4750億円、5-10年、10-25年1250億円(事前通告通り)。応札倍率はそれぞれ2.57、1.98、2.23、2.98倍。