荒れた一週間(2017年11月3週)

今週の市場

前週末から崩れ始めた日本株は今週も下落が継続し、木曜日の寄付きの日経平均株価は22,000円を割り込む場面がありました。しかしその後買い戻しの動きが見られ、金曜日には一転22,700円まで一気に上昇しました。その後22,300円台まで急落するなど、下げ止まったように見えるものの依然として激しい動きが見られています。日経平均株価は前週末比-1.25%の22,396円で一週間の取引を終えました。

日経平均株価が高値から1,400円調整したことから、焦って投げる動きも見られますが、日経平均株価自体の水準が上がっており、1,400円幅といっても日経平均株価が8,000円の時だと17%下落したことになりますが、23,000円からの1,400円は6%程度でしかなく、9月のはじめから21%上げたことを考えると、この下落は上昇相場の終わりを告げるわけではなく、健全な調整と考えておけばよいでしょう。

日経平均株価の予想EPSは一ヵ月前の1,431円から1,533円へと大きく上昇しており、株価は21,336円から22,351円へと上昇しましたが、PERは14.91倍から14.58倍に下げており、株価のバリュエーションは1ヵ月前よりも安くなっています。そのため下げでは押し目買いを行っておけば、調整終了後にアップサイドを取ることが出来るでしょう。

東証1部のセクター別動向は上昇1、下落32でした。唯一の上昇セクターはその他製品、下落が大きかったのは倉庫運輸、海運、鉱業、鉄鋼となりました。スタイルインデックスではリート指数のみが上昇しました。下落が大きかったのはTOPIXバリュー、TOPIX70、TOPIXスモールでした。

今後の見通し

株価の調整がいつ終わるかが焦点となるでしょう。一旦バランスを失った相場はそう簡単には回復しません。そのため少なくとも来週は一気に高値を抜くような動きとはならないでしょう。
来週の注目点は日中の変動率が落ち着き始めるかというところです。相場が荒れたまま上昇に転じることはなく、落ち着くポイントに到達してから別の方向に向かうのがよく見られる傾向です。

今週で企業の決算発表も一段落しました。
決算内容の良かった銘柄も今回の調整と共に下げている銘柄も多くなっており、押し目買いのチャンスです。木曜日に一旦底を打った感じになっていますが、3ヵ月継続した上昇の調整がこれほど短い期間で終わることも考えにくいため、まだまだ押し目を買うチャンスもあるでしょう。そのような銘柄が年末から来年の年初にポートフォリオによいパフォーマンスをもたらしてくれることでしょう。



本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言を行うものでもありません。本資料は信頼できると判断した情報源から入手した情報・データをもとに作成しておりますが、これらの情報・データなどまた本資料の内容の正確性、適時性、完全性などを保証するものではありません。情報が不完全な場合又は要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデータ・統計などのうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり、予告なしに変更されます。運用方針・資産配分などは、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいはほしょうするものではありません。光世証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

JGBトレーディングフロア(2017年11月16日)

(17:30)
前日の米長期金利がCPIや小売売上高の結果を受けて利回りが低下し、国内債も続伸して始まったが、国内株が反発に転じたことで上値が抑えられた。20年債入札も好地合いで迎えたことで強めな結果となるも、その後セカンダリーの動き鈍く、利回りは前日比で上昇した。
足元での利回り上昇が見られた米ハイイールド債について、一部では「買われすぎの反動」との見方もあるが、株式や原油相場に加え新興国通貨やまた仮想通貨など、やや全般ボラタイルな気配を感じなくもない。金利動向やインフレの兆候が緩やかな環境下、リスクオフの流れが顕在化すれば、12月の利上げにも影響する可能性もあり要注意か。


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光世証券株式会社 
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JGBトレーディングフロア(2017年11月15日)

(17:30)
債券市場は強含みもみ合いとなった。国内株が続落する中、為替も円高気味に推移したことで全般、底堅さが継続した。
明日の20年債入札は、WI(0.585%)が、堅調だった10月入札時の水準から-0.5bps近辺で推移、波乱はないと思われる。
今晩(日本時間22:30)の米国CPI(前月比)は、事前予想が+0.1%で前月+0.5%(ハリケーンによる原油価格の上昇が影響)の反動が出る模様。コアCPI事前予想(Bloomberg)は+0.2%(前月+0.1%)。また小売売上高も0.0%(同予想)と、同様に減少の見込み(前月+1.6%)。


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長短金利差と株価の動きの関係は?

金利市場での注目はハイ・イールド・ボンドの下落と長短金利差の縮小です。本日は長短金利差の縮小を採り上げます。

最近、アメリカのイールドカーブがフラットニングしていることを懸念するニュースをよく目にします。
イールドカーブとは残存期間が様々なものの金利をつなげて作ったチャートのことです。このカーブが平たんになることをフラットニングと言います。
以下のイールドカーブは米国の1年、2年、3年5年、7年、10年の金利をつないだものです。
2016年1月と現在を比較すると、政策金利引き上げにより1年金利が1%ほど、2年金利は0.6%ほど上昇する一方で、10年金利は0.13%ほどしか上昇していません。

このように短期金利と長期金利の差が縮小することを金利のフラットニングと呼びます。

長期金利が短期金利を下回る状態、例えば短期金利が2%、長期金利が1%のような状態を逆イールドと呼びます(長期金利が短期金利より高い状態は順イールド)。

逆イールドは景気拡大の最終局面に現れるサインとされます。そのため、金利のフラットニングはその逆イールドが近づいてきていることが注目されるのです。

過去の株価と長短金利差の関係は?
次にこれまでの株価と長短金利差の関係についてみてみます。株価はSP500指数、長短金利差は米国の10年金利から2年金利の差を取って作ります。1976年からの日足のデータを見たのが以下のチャートです。

2000年以降は長短金利差がマイナスになると株価が急落していることが分かります。

それ以前はどうだったのでしょうか?上のチャートでは分かりにくいので、1995年までのチャートを作成してみました。

こちらからは明確にどのようなトレンドがあったかは分かりません。

トレンドを見るために、長短金利差と120営業日後の株価の動向(約半年後)を調べたのが以下のチャートです。
2000年以前を赤色のドット、2000年以降を青色のドットとしました。これを見ると特に株価と長短金利差に何らかの関係があるようには見えません。

以上の結果をまとめると、
・長短金利差がマイナスとなると、株価が急落する可能性が出てきます。そのため、先行きに注意する必要があります。
・しかし、その金利差の程度は明確には示せません。
・1976年からの2年金利と10年金利の差の平均は0.97%となっており、現在の0.87%はそれよりも若干低いレベルにある程度です。
・だからと言って株価の急落がないとは言えません。
・金利差と120日後の株価を見てもわかる通り、120日後に20%程度株価が変動している可能性は金利差がどうであれ、可能性があるからです。
・株価のボラティリティは年率20%程度と考えておくことがまずは株式運用には必要です。そのうえで資産運用を行えば、どのような局面でも焦らずに行動できるでしょう。

追記: イールドカーブ全体の動向と株価の関係をまとめました。

イールドカーブと株価の関係
https://kosei.co.jp/wordpress/?p=13540

イールドカーブと株価の関係 その2
https://kosei.co.jp/wordpress/?p=13621

イールドカーブと株価の関係 その3
https://kosei.co.jp/wordpress/?p=13654


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ハイイールド債とS&P500について

ハイイールド債の下落が注目されています。「SPDRブルームバーグ・バークレイズ・ハイイールド債ETF(JNK-ETF)」は6日続落し7か月ぶりの安値を付けました。
ハイイールド債は市場での炭鉱のカナリアの役割を果たすとされ、相場の状態をはかる指標として投資家から注目されています。
そこでJNK ETFの上場日の2007年11月28日から急落前の高値に線を引きS&P500と比べました。

<考察>
・JNK-ETFの高値はS&P500の高値とほぼ同時につけていて動きが連動しているといえます。います。逆に動いたのは2014年後半の1回のみです。

このままハイイールド債が下落していくようですと、S&P500の急落に注意をする必要があります。

次はデータを見てみます。

JNK-EFT(黒線) SP500(水色線)(2007年11月28日~ (チャートはロイターより クリックすると拡大します))

JNK-ETFが上場した2007/12/8から今まで519週ありました。同期間中、1週間で-2.5%下落したのは23回あります。そのすべての週でS&P500も下落しています。S&P500の下落率は平均して-5.1%です。(確率100%)

同様にJNK-ETFが-2%下落した場合91.8%、JNK-ETFが1%した場合は86%の確率でS&500も下落します。
よって今までの傾向からすると、JNK-ETFが-2.5%下がればS&P500も間違いなく下落しているといえます。



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