債券相場は先物が小幅上昇。日銀がこの日の金融政策決定会合(政策金利は据え置き)の展望リポートで2025年度のコアCP見通しを2.2%上昇から2.7%上昇に引き上げたことで利上げ期待の高まりから売りが出るも流れは一時的で、その後は買戻しが優勢となった。
今晩結果が判明するFOMCは、政策金利の据置きが見込まれているものの、トランプ大統領が利下げを要望していることもあり、米長期金利の低下を警戒して売りは限られたようだ。その後、午後3時半からの会見で植田総裁は「25年度物価見通しの上方修正だけで金融政策は左右されない」と述べるなど、ややハト派的なスタンスだったことで先物は夜間取引で上げ幅を広げた。
【メモ】
☆植田総裁会見の主なポイント(出所:Bloomberg)
<金融政策運営>
「25年度物価見通しの上方修正だけで金融政策が左右されるというものではない」
「リスクや確度点検し、利上げの是非やタイミングを適切判断」
「ビハインド・ザ・カーブに陥っているとは思わないし、そうなる可能性が高いと思っていない」
「関税巡る不確実性は低下、見通し実現の確度は少し高まった」
<日米関税>
「合意は大きな前進、日本経済巡る不確実性の低下につながる」
「各国通商政策など今後の展開や影響巡る不確実性は高い」
「関税政策の影響、ハードデータにどう影響現れるか見たい」
<基調的な物価上昇率>
「なお2%を下回っているが緩やかな上昇傾向、以前よりも2%に近づいている」
「労働需給が引き締まっていることや賃金上昇を価格に転嫁する動きが続いていることから2%に向けて緩やかに上昇している」
「世界経済の成長鈍化を受けて伸び悩むが、その後は賃金と物価が上昇するメカニズムが維持され、人手不足や中長期的な予想物価上昇率上昇を受けて徐々に上昇していく」ほか。
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