ウィークリーレポート(2024年9月13日)

9月第2週の日経平均は+0.52%と小幅反発。NYダウも+2.60%、ユーロストックス50+2.24%も反発となりました。フィラデルフィア半導体指数は前週▲12.22%の暴落から+9.99%の大幅反発となっており荒い値動きが続いています。
米国債は2年債▲6.3bp、5年債▲5.4bp、10年債▲5.6bpといずれの年限も利回りが低下しました。

週明けには19日(木曜日)の早朝にFOMC、翌日20日に日銀政策決定会合があります。
今回のFOMCでは最低25bp利下げは織り込まれており、年内に利下げ幅75bp(11月会合で50bp利下げの可能性がある)かどうかに集まっており、パウエル議長の会見での動きが注目さ入れます。

ドル円為替レートは前週比1円45銭(1.02%)円高となりました。IMM通貨先物市場の投機筋建玉は、55375枚の円買い越しとなっており、FOMCでの利下げ、日銀政策決定会合での今後の利上げ示唆を狙って円ロングポジションが膨らんでいます。円ロングポジションの水準感としては過去最高だった2016年のネット70342枚買い越しに近づいており、投機筋のポジションは十分に傾いていることから、イベント通過によるアンワインドでの円安が期待できます。

SOX指数はダブルボトムの形となっており、S&P500もトラアングルを形成しつつあり、8月の暴落で需給が大幅に改善したことを踏まえると、週明けの中銀イベントはアップサイドとなる可能性が考えられます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

 

ウィークリーレポート(2024年9月6日)

9月第1週の日経平均は▲5.84%と大幅下落となりました。NYダウも▲2.93%、ユーロストックス50▲4.44%と軒並み下落となりました。

弱い経済指標、9/3のISM景況感指数は47.2ptと市場予想47.5pt下回り、3か月連続で縮小を示す50未満となりました。さらに9/5のADP雇用統計では市場予想145千人増加に対して99千人増加と弱い数値で、米国経済の先行き懸念から株価下落となりました。
一方、米国債は、景気の弱さから利下げ期待が膨らみ2年債利回りは21bp低下の3.70%、10年債利回りは20bp低下の3.69%となり、2022年7月以来となる2年-10年の逆イールドが解消となりました。

下落の大きいナスダック市場の主要銘柄で構成されるNASDAQ100指数とFRBの政策金利を予測するFF金利先物の推移をみると、7月以降綺麗に逆相関の関係となっており、利下げ期待増加(FF金利先物上昇)が株安とリンクしていることがわかります。
逆イールド解消時のチャートパターンを見ると、S&P500は2000年以前には上昇になるケースもありましたが、2000年以降は1年以内に20%超の下落となっており、警戒を要するイベントです。
日経平均も同様に、2000年以降のデータでは急落を示しています。

日本株と半導体指数が売られた8月の下落と異なりNYダウや欧州株も軒並み下落していますが、CLO指数は下落をしておらず、また、米国ハイイールドスプレッドも3.52%と拡大していないことから、景気後退リスクを本格的に織り込んだ株安というよりも、FRB利下げによる債券価格上昇を狙った短期資金の株から債券への移動という側面が大きいように感じます。

9/19FOMCを挟んでもうすこしボラタイルな展開が予想されます。株だけでなく為替も、ドル円は日米金融政策の違いから内外金利差縮小により130円までの円高進行が考えられますので、安全資産かかつ金利低下で値上がりが期待できる【2621】為替ヘッジ付き米国債20年超ETFへの投資が良さそうです。
9/6金曜日から個別株オプションのMM気配掲示開始されたので、長期投資用の押し目を買いたい場合は、足元の高ボラティリティ環境でターゲットバイイングもよさそうです。

メモ:
個別株オプションのMM気配掲示開始
IMM通貨先物市場、投機筋の円買い越し拡大38766枚(前週比+12352枚)、2016年の70342枚買い越しが過去最高値。


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ウィークリーレポート(2024年8月30日)

8月最終週の日経平均は週間で+0.74%と3週続伸、NYダウは+1.90%と上昇、ユーロストックス50も+0.82%と4週続伸となりました。

注目を集めていたNvidiaの決算は市場予想を下回り、週間で▲9.11%となりましたが、日経平均は前週比プラスと底堅く、また半導体セクターのウェイトの大きい台湾加権指数▲1.98%、フィラデルフィア半導体指数(SOX)指数▲1.02%と小幅な下落にとどまっており、Nvidia以外への波及は限定的でした。
8月5日の暴落による需給改善の効果が大きかったとみられ、これらのセクターに買いが溜まるまで次の下落はないと考えた方が良さそうです。

日経VI指数は21.01ptと7月末21.39ptを下回り、ブラックマンデーの暴落は完全に無かったことに。米国ハイイールドスプレッドも3.43%と落ち着いており、2番底警戒の声とは裏腹に、リスク指標はリスクオンモードを示唆しています。
2番底警戒のショートが踏み上げられるのを狙って、C40000円の買いなど面白いかもしれません。


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ウィークリーレポート(2024年8月23日)

8月第4週の日経平均は週間で+0.79%、NYダウは+0.11%、ユーロストックス50+0.05%と、前週の大幅高の後だけに小幅な動きとなりました。

ジャクソンホールを前に足踏みとなった株式市場ですが、パウエル講演では「主要政策金利を引き下げる時が来た 」と9月FOMCでの利下げに明確なシグナルを送り、米国10年債利回りは前日比5bpt低下の3.79%、2年債利回りは8bp低下に3.91%と金利低下、為替市場では対ドルで円は一時144.05円まで円高ドル安となりました。VIX指数も前日比1.69pt下落の15.86ptまで低下し、利下げ期待によるゴルディロックス相場の反応となりました。
NYダウ、ナスダック総合指数ともに前日比上昇となりましたが、日経平均先物の夜間市場では円高が重しとなり金曜日中終値比▲130円安と反落しました。
IMM通貨先物市場の投機筋ポジションは22770枚の円買い越しとなっており、前週からやや減ったもののの、依然として円高へのベットに傾いており、9月FOMCへ向かって円買い/日本株売りの流れになる可能性もあります、

チャートパターンを見ると、強烈なリバウンドは2011年の震災時のコースを踏襲していますが、同じコースならば下落に転じる頃合いです。とはいえ下値目途は36630円までで2番底を目指すには浅く、軽い押し目といった水準です。日経VIは前週▲1.16ptの25.38ptまで低下しており、トレンドとしては落ち着きを取り戻す方向ですが、依然としてインプライドボラティリティ(オプションプレミアム)は平時よりも高い水準ですので、下落するようならば37500を中心レンジに想定したオプション売り戦略が良さそうです。


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ウィークリーレポート(2024年8月16日)

8月第3週の日経平均は週間で+8.68%と大幅高となりました。NYダウは+3.92%、ユーロストックス50+5.33%、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)も+10.83%と7月中旬からの下落を無かったことにしようという勢いのリバウンドです。

8/5の暴落から1週間が経過し、各種統計も出てきましたので、記録的な暴落とリバウンドの週の数字を見て見ると、財務省発表の対外対内証券投資では海外勢は日本株を5219億円の買い越しとなっていました。一方、JPX発表の投資部門別売買動向では海外勢は現物先物合計で7730億円の売り越しですが、現物は4953億円の買い越し(先物1兆2683億円の売り越し)となっており、裁定買い残高(≒投機筋先物ポジション)は前週の2兆1105億円から1兆3441円へ7664億円の急減したことも併せると、先物ロングの短期筋はふるい落とされた一方で、現物買いの長期投資家は押し目買いに走っていたことがうかがえます。

信用買い残高について、3兆9635億円と前週比で9086億円の減少となっており、1990年10月以降の統計で最大の減少額となりました。TOPIX採用銘柄を対象に、浮動株比で買い残高の減少額の大きい銘柄から5分位に分けて、それぞれの平均リターン(8/5から8/14までのリバウンド期間)を調べると、買い残高が大きく減ったグループほど上昇率が高く、8/5までの暴落で結果的に信用需給が改善したことがわかります。

【信用買残減少の大きい(小さい)銘柄群の平均騰落率】
1分位: 18.15% / 2分位: 14.86% / 3分位: 12.88% / 4分位: 12.56% / 5分位: 12.38%

(Bloomberg) 円キャリートレード復活の兆し、ヘッジファンドが再開に動く
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-08-16/SIACBFT0G1KW00

さて、暴落の主因とみられている円キャリートレードですが、「場不安定な状況で利上げしない」といった内田日銀副総裁の発言もあってか、早くも復活の動きが報じられています。しかしながら、IMM通貨先物の投機筋建玉は、NY時間8/13引け時点で23054枚の円買い越しに転じており、投資部門別売買動向の海外勢先物の売り越しと合わせるとやはり完全に元の状態へ回帰を目指しているわけではなさそうです。

日経平均は週間で8%超の大幅高となったことから、1987年ブラックマンデー時の戻り高値を当てはめた36900円をすでに超えており、リバウンドの高さという点では2011年東日本大震災時と似た動きになってきました。このまま2011年コースを想定するならば、目先は36500円-39000円のレンジとなります。また、2013.5.23の暴落時のコースなら39793円が目先の高値として意識されます。

警戒材料としては、毎年恒例のジャクソンホールがあげられますが、ここ数年、メディアで話題になるほどのマーケットインパクトはなく、むしろ夏枯れ相場のなかでこのイベントに動意を求めるもがっかりして終わるという風物詩になっています。今年も、9月利下げへの言及が関心を集めていますが、これまでのFRB高官の発言から逸脱する情報は無いと思われ、ボラティリティ低下イベントと考えています。


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