ウィークリーレポート(2024年11月1日)

10月第最終週の株式市場は、日経平均+0.37%、NYダウは▲0.15%、ユーロストックス▲1.32%となりました。
11/1(金)夜に発表された雇用統計は、市場予想+100Kに対して+12Kと大きく失望的な内容となりました。これを受け、FF金利先物市場では11月FOMCでの利下げを確実なものと織り込みにいった一方で、長期金利は前日比9bp上昇の4.38%と上昇するなど、ちぐはぐな反応となりました。為替市場も指標発表直後は一時151円80銭まで円高になったものの、すぐに切り返し、153円09銭で取引を終えました。市場では今回の弱い雇用統計は、10月に襲来した大型ハリケーンや大規模なストライキが影響した一時的なものとして消化したようです。

週明けには米国大統領選が行われます。足元、ブックメーカーの掛け率では、ハリス氏がトランプ大統領を再逆転しており選挙結果がどうなるかは依然として不明です。しかしながら、1974年以降のデータでは、大統領選終了後に年末までに株安となったのは、ITバブル崩壊時の2000年、リーマンブラザーズ破綻後の2008年の2階のみで、それ以外はいずれも年末まで株高となっている強いアノマリーがあります。
米国大統領選の結果は、日本の取引時間中に大勢が判明することがほとんどで、2016年にはトランプ大統領当選により乱高下する事態もおこりました。が、結局、その後は株価上昇となっていましたので、今回も、選挙結果に関わらずその後は株高とみてよさそうです。

またボラティリティ市場では、2020年ほどの警戒感はありませんが、それでもS&P500指数が大きく下落してないにもかかわらずバックワーデーションとなっており、これも大統領選終了とともに急速に解消するものと思われます。
現物買い+ATMストラドル売りのポジションがおいしいかもしれません。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

 

ウィークリーレポート(2024年10月25日)

10月第4週の株式市場は、日経平均▲2.74%、NYダウは▲2.68%、ユーロストックス▲0.87%と3指数とも下落となりました。

日本市場は、米国の金利高につられる形で、債券安、円安となり、株安も併せてトリプル安となりました。週末の10/27に投票日を迎える衆議院選挙で与党の過半数割れ予測が報じられたことも日本売りにつながっているようです。10/23にはTOPIX が11日連続陰線という事で、日本取引時間中の売り圧力が強かったことがわかりますが、対外対内証券投資では9月最終週から10/18の週まで海外勢は4週買い越しとなっており、足元の下落は先物を使った短期筋の売りと見てとれそうです。

(Bloomberg)与党過半数割れなら自民非公認の無所属の協力も必要に-石破政権
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-25/SLUKJ7T0G1KW00

11日連続陰線の記録は1990年以降では歴代2位となります。過去の例では連続陰線を記録したあと10営業日程度でボトムを付け反発となっており、陰の極みの前兆として現れることが多いようです。下値の目途は5%下の36100円で9月安値近辺、タイミングとしては米国大統領選終了後からの反発となります。

衆議院選挙に関する過去の例では、仮に与野党交代となった場合、1993年7月と2009年8月の選挙時の日経平均の動きを見ると、選挙後はいったん売られ、4営業日後から反発となっています。下落率は2%程度で、37240円(52週線37327円)、月末にかけて売り込まれ、11月に入り反発というコースになります。

いずれにせよ、下がったところは買いという流れになりますので、プット売り戦略/ターゲットバイイング戦略が良さそうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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ウィークリーレポート(2024年10月18日)

10月第3週の株式市場は、日経平均▲1.58%、NYダウは+0.96%、ユーロストックス▲0.35%とまちまちの展開となりました。懸念していた米国のVIX指数は、底堅く推移する株価指数に対応してフラット化が進みました。
目先のイベントは、与党自民党の苦戦が報じられ始めた衆議院解散総選挙、再利上げの観測が出てきた日銀政策決定会合、トランプ元大統領が一部ブックメーカーで当選確率を逆転してきた米国大統領選、米国経済の動きを受けたFRBの利下げ動向、と11月上旬にかけてビッグイベントが目白押しとなっています。

そこで重要イベント前に改めて、現在の株価の位置を確認したいと思います。
向こう12か月予想PERをベースにした日経平均のレンジは、34,616円~40,241円となっており、足元の株価は既に上限に近いです。一方、配当指数先物の価格をベースにした配当利回りのヒストリカルレンジでは37,043円~43,296円と寄り高いレンジを示唆しています。
FRB利下げ後のアノマリーでは、高インフレ時利下げは株高に働いており、1980年、1984年、1989年、1995年の日経平均は上昇しており、半年後の株価は、過去4回のケースの平均で43000円まで上昇、レンジは概ね(1980年コース)39000円-(1989年コース)51000円となっています。
米国経済が足元の堅調に推移しており、ソフトランディングが前提となるならば、43000円を中心としたレンジに期待が持てます。

米国経済が高インフレ状態から低インフレへ変遷する1980年代後半から1990年代前半の株価推移をみると、S&P500指数を原資産にするオプションのプットライト(≒ターゲットバイイング)指数が、原指数であるS&P500を上回っています。FRB利下げの最中で、ソフトランディングかハードランディングかで株価が揺れることがボラティリティを高め、結果、ボラティリティ売り戦略であるプット売りが有利に働いていました。
イベントに一喜一憂しながら、一進一退を繰り返しながら43000円を目指す展開を考えると、日経平均のプット売り戦略がよさそうです。
また、大阪取引所上場の有価証券オプションでは、主要10銘柄にマーケットメイカーが常時気配を出しています。保有株を売却し代わりにプットを売るレバレッジを掛けないターゲットバイイング戦略も有効に見えます。


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ウィークリーレポート(2024年10月11日)

10月第2週の株式市場は、日経平均+2.51%、NYダウは+1.21%、ユーロストックス50+0.99%と小幅な上昇となりました。
堅調な米国経済指標を受けてソフトランディング期待が高まり、株価が上昇する一方で債券は下落となりました。米国10年債利回りは前週比+13bpの4.10%と4週続伸で7月以来の4%を超えました。

2006年-2007年と比較してFRBの政策金利の推移を改めて振り返ると、利上げを停止してから1年ちょっとで利下げに転じた点、利下げ後にNYダウが最高値を取った点など類似点があります。2007年には、サブプライムローンバブルの崩壊に伴うパリバショックが発生しましたが、2024年8月の円キャリートレードの極端な巻き戻しによるショックはあったものの、広範な信用不安に拡大していない点は相違点と言えます。
発表される経済指標は常に遅行しており、バックミラー越しに経済状況を確認しているわけですので、足元のソフトランディング期待が果たして正しいのか疑う必要があります。
とはいえ、短期的には利下げ後の良好なムードで、日本株については解散総選挙のアノマリーもあることから早々に40000円回復が期待されます。

(Bloomberg)なお身構えるウォール街トレーダー、8月相場メルトダウン記憶鮮明
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-12/SL7N2DT0AFB400

一方で、気になる点としてVIX指数の高止まりを指摘します。VIX指数は20.93ptと高止まっており、VIX先物の期間構造を見ると、期近が期先よりも高くなるバックワーデーションの構造となっています。
米国だけでなく欧州VSTOXX指数先物、日経VI指数先物も同様の形状で、通常は株価の暴落時に現れるリスク警戒ムードが強く出ています。
来月の米国大統領選に向けたヘッジとも考えられますが、11月限よりも大統領選前にSQ日を向かえる10月限の方が高値である点、やはり、大統領選以外のリスクを反映しているように見えます。
引き続き、現物を持っているならヘッジのプットオプションを買ってガンマロングにしておくのがよさそうです。


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ウィークリーレポート(2024年10月4日)

10月第1週の日経平均は▲3.00%、ユーロストックス50▲2.22%と反落、NYダウは+0.09%と小幅ながら4週続伸となりました。

中国株は、上海総合指数が9/30(月)+8.06%と大幅続伸し、火曜日から国慶節で連休となっています。市場の開いている香港株(ハンセン指数)は+9.66%の上昇となりました。グローバル投資家の関心はやはり中国に集まっているようです。ただし、足元の株価の急騰は大規模な財政出動の報道だけに反応しており、実体経済の急回復を確認したものではないため、一過性のものと思われ、ある程度(2008年の半分程度)の上昇で利食いに押されながら、中国投資への関心が薄れていく流れが予想されます。

(Bloomberg)突然上昇した中国株にシフトか、日本株など他のアジア株から資金流出
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-03/SKR5TYT1UM0W00

(Bloomberg)ヘッジファンド、中国株に殺到-「銘柄選択の必要すらない」と強気派
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-02/SKPAECT1UM0W00

(Bloomberg)中国株の熱狂、崩壊に転じる恐れ-15年に類似と野村エコノミスト
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-04/SKSYW1T0AFB400

日本市場では、石破新総理が脱デフレを最優先と所信表明を行い、従来主張してきた緊縮財政や高金利などから大きく方針転換したことで、円安が進行しました(前週比6円49銭安)。しかしながら、株高とまではならず、再度日本株が上昇するのは、上述の中国株への関心が薄れたタイミングになるのではないかと思われます。

(Bloomberg)デフレ脱却を最優先に実現、地方創生で独自色-石破首相が所信演説
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-04/SKRIJST0AFB400

マーケットのリスク事項として、10月2日にイランがイスラエルへミサイル攻撃を行ったことで、中東の地政学リスクに注意が必要になりました。イランのイスラエルへの直接攻撃は今年2回目となります。今年4月にシリアのイラン大使館をイスラエルが爆撃したことに対する報復としてドローンとミサイル攻撃を行いましたが、当時のイランは攻撃を事前に米国に通達するなどエスカレートを避ける態度が出ていました。
今回は事前通達もなく、また、イスラエル側も報復としてイラン石油施設攻撃を検討していると報道されるなど、前回とは違って激化しており、4月は攻撃後も下落トレンドだったWTI原油先物価格が、今回はイランの攻撃後に9.11%上昇と反応しており、また、VIX指数も4月の攻撃時は翌営業日が19.23ptのピークですぐに収束に向かったのに対して、今回は1攻撃後直後の10/1終値19.26ptからさらに上昇し20.75ptまで上昇するなど、前回と違うマーケットの反応にリスクの高さがうかがえます。

遠くの戦争は買いと言いますが、原油価格が上昇するとせっかく落ち着いたインフレが再燃し、FRBの利下げ観測が遠のき株安となるコースが考えられます。インプライド・ボラティリティがすでに高い水準ですが、ヘッジのプット買いを検討するのがいいかもしれません。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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