ウィークリーレポート(2024年1月5日)

1月第1週の株式市場は、日経平均▲0.26%、NYダウ▲0.59%、ユーロストックス50▲1.28%と下落で始まりました。

1/2にBarclaysがApple株を格下げしたことにより、ハイテク株を中心に軟調な展開となりました。ただ、一社の投資判断が相場全体を左右することはなく、NYSE市場の騰落レシオ(Breadth Indicator)が昨年末のラリーで過熱状態を示している通り、買われ過ぎ水準に達していたタイミングでちょうどよくシグナルとなり、利益確定売りの流れになったと考えられます。
足元のBreadth Indicatorは45ptまで低下しており、NASDAQで12月月初/安値ゾーンまで調整するならテクニカル的には売られ過ぎとなり反発が期待できます。

一方で、日本市場の騰落レシオは12月頭に122ptの過熱ゾーンに入ったものの、12月半ばには92ptまで鎮静化、足元では107ptとまだ過熱感はなく米国市場とは温度差があります。11月以降の投資部門別売買動向(~12/22まで)では現物株の商いは、自己/海外投資家はそれぞれ175億円の買い越し/163億円の売り越しとニュートラルに近い一方で、個人投資家が1兆3781億円の大幅売り越しとなりました。買い手側では事業法人(自社株買い)が1兆2411億円となっており、個人投資家の買戻しによる株価上昇が期待されます。個人投資家の大幅売り越しの背景として年末へ向けた利益確定売りの他に、年明けからの親NISA用資金の捻出売りだったともいわれており、大発会での寄り後安値からのリバウンドを考えると、個人投資家が積極的な買い手に回っている可能性もあります。
歴史的に個人投資家は下落相場買い上昇相場買う逆張りの投資行動をとるため、手口情報と株価は逆相関となりますが、仮に海外投資家のように積極的なトレンドフォロー型の投資行動を取るとすると、 1兆円の買いで708円高のインパクトとなり、再び34,000円超えの可能性が見えてきます。

週明けはSQ週ですが、オプション建玉は低水準でコールオプションに絡んだスクイーズは期待できません。しかしながら、昨年以降何度も跳ね返されてきた34,000の抵抗線を抜けるともう一段の上昇相場が期待できますので、宝くじ代わりにC345の買いも面白いかもしれません。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2023年12月22日)

12月第4週の株式市場は、日経平均株価は+0.60%と2週続伸、NYダウは+0.22%と8週続伸、ユーロストックス50▲0.61%と8週ぶりの反落となりました。

「年末から来年にかけてチャレンジングになる」との植田総裁の国会答弁から注目を集めていた日銀会合では、マイナス金利解除のヒントもなく据え置きとなり、10年債金利は一時0.55%まで下落、日経平均は会合後2日で916円の急反発となりました。

今年も残すところあと1週間となりました。一年を振り返ると、日経平均は27%上昇、NYダウの12%を上回っていますが、ナスダック総合指数は日経平均を上回る+43%の上昇となりました。また、半導体産業のウェイトの高い台湾加権指数も24%と好調であった一方、中国の上海総合指数は▲5.65%、香港ハンセン指数▲17%と年間でマイナスに沈み、新興国でも明暗がはっきりと分かれる一年でした。
債券市場を見ると、年間では米国債10年利回りは2bp上昇と前年末とほぼ変わらない水準でしたが、年央には5.01%を付ける金利高となり、大きな「いってこい」の相場となりました。年明けからは、FRBの利下げタイミングがテーマとなりますので、円高をヘッジしながら債券高を狙える【2621】iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)がヒットしそうです。

前週のレポートでは、S&P500が4472pt-5307pt、日経平均33630-39300円と強気のシナリオを取り上げましたので、リスクシナリオについても考えてみます。1970年代の高インフレ期は第一次オイルショックと第2次オイルショックの2回に分けて発生しました。2022年からのインフレはFRBの急速な利上げで落ち着きを取り戻してきていますが、1971年からのCPIのチャートを重ねると、インフレ率の上昇/下落が綺麗に重なります。
このまま過去の動きをトレースするなら、2024年前半はインフレが鈍化するものの年後半からは再度インフレ加速となります。

(日経平均) 紅海襲撃、世界の輸送能力2割減も インフレ再燃の恐れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2108D0R21C23A2000000/

足元では、イスラエル-ハマスの紛争に端を発した緊張の高まりから、イエメンフーシ派による紅海での民間船舶攻撃が相次いでおり、スエズ運河が事実上使えないとなるとインフレ再燃の材料になりかねません。第二次オイルショックのあった1977年のNYダウの動きは、年初から高値圏で停滞、年後半から下落となっています。一方、日本株は高度経済成長期という事もあり20%超の上昇となっています。経済成長は1977年当時に比べて穏やかなものの、春闘以降も日銀が大規模緩和を継続するならあるいはアップサイドへの動きが加速するかもしれません。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2023年12月15日)

12月第3週の株式市場は、日経平均株価は+2.05%の反発、NYダウ+2.92%、ユーロストックス50+0.58%は7週連続の続伸となりました。
12/14のFOMCでは政策金利は5.5%で据え置いたものの、今後の政策金利の予想を示すドットチャートで2024年の利下げが示されたことから、FRBのハト派への転換が印象付けられ、10年債金利は8月以来となる4%割れとなりました。為替市場ではドル安が進み、ドル円為替レートはFOMC前の145円99銭から翌日本時間には140円96銭まで急激な円高ドル安となりました。

一方、日本市場では、日銀のマイナス金利解除への警戒感から、前週の30年債入札に続き12/14の20年債入札も市場予想を大幅に下回る最低落札額がつくなど、金利上昇/債券売りの圧力にさらされています。
週明けの日銀会合では、すでにTONA3か月先物など短期の債券市場での織り込みが進んでいる分、マイナス金利解除でなかった場合のリバウンドが警戒されますが、長期債に関しては、足元のJGB-VIXは4.48ptと10月会合直前の7.98ptほどの警戒感は無く、むしろマイナス金利解除へ賭けるプットロングのポジションがいいかもしれません。よりコンサバなポジショニングとしては、先物買い+プット買いのプロテクティブ・プットがワークしそうです。

2024年にFRBが利下げに転じるなら、インフレを抑え込む引き締め政策から中立的な水準への正常化を意味し、米国10年債金利はロンガーラン金利の2.5%を目指すことになります。一方で、日銀は引き締め転換が期待されており、今回の会合でマイナス金利解除を見送っても次に会合までにまた期待が膨らみ(3月の春闘の回答をまたぐとしても)、長期金利1.5%がひとまずの節目と意識される流れと考えます。また、日米金融政策の違いから、為替ではドル安円高が続き、ドルインデックスの水準から130円、日米金利差の縮小(スプレッド2%)から110円を目指す展開も考えられます。

株式市場に関して、S&P500の過去の予想PER平均16.75倍~(1σ)19.88倍に24か月予想EPS267ptをかけると4472pt-5307ptとのレンジになります。ただし、FRBのQT進行による波乱を利下げが緩和し、米国経済は堅調に成長を続けるという、綺麗なソフトランディングが前提となります。
同様に、日経平均では、足元の12か月予想EPS 1740円に対して、24か月予想では11%増益の1934円となっており、予想PERのヒストリカルの上限(1σ)20.33倍を当てはめると39318円、ヒストリカルの平均17.39倍で33632円となり、海外中央銀行の利下げと堅調な経済を前提とすると、33630-39300円と強気な見通しになります。
為替レートでは円高が進行するとの予想ですので、ドル資金ではない限り2024年は日本株>米国株が選好されます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2023年12月8日)

12月第2週の株式市場は、日経平均株価は▲3.36%の下落、NYダウ+0.01%、ユーロストックス50+1.25%は6週連続の続伸となりました。米国10年債利回りは+3bp反発し4.22%と上昇、日本10年債利回りも6bp上昇の0.76%となりました。

12/6に氷見野日銀総裁が講演で金融緩和の出口について言及、翌12/7には、日銀の植田和男総裁が参院財政金融委員会で、金融政策運営について「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言したことが材料視され、12/19の日銀政策決定会合でのマイナス金利解消の思惑が再び浮上してきました。
前週まで米金利安に逆行するようにCFTC投機筋ポジションが円売りに傾いていたこともあり、前週末148円台を付けていたドル円為替レートは、一時141円台まで急落、日経平均株価も、急速な円高に反応し、週間では1.27%の下落となりました。

(Bloomberg)日銀12月会合ライブに、正副総裁発言でマイナス金利解除観測が再浮上
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-07/S59SGHT0G1KW01

(Bloomberg) 金融政策運営、年末から来年かけ一段とチャレンジングに-日銀総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-07/S59QO5DWX2PS01

12/19の会合に向けた市場の空気感は、円買い/国債売り/株売りとなりそうですが、東証のPBR1倍割れ解消要請や、新NISA制度による貯蓄から投資へという構造変化への期待に関する環境に変化はなく、また日米金融政策の方向性の違いは数か月前から認識されていた問題であり、足元の下落は一時的なものにとどまると思われます。

昨年の12月も黒田総裁退任後の日銀引き締め観測から円高/株安の流れになっており、月初の高値から12/29安値まで2469円安となりました。今年の12月高値から同意レベルの下落を想定すると200日線の31112円が目安となります。昨年は年明け一段安したところがボトムとなっていますので、下値を追いかけるよりは、19.72ptまで日経VIも上昇していることから、32500円を中心にしたストラドル売りの戦略がよさそうに見えます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2023年12月1日)

11月最終週の株式市場は、日経平均株価は▲0.58%の小幅反落、NYダウ+2.42%、ユーロストックス50+1.06%は5週連続の続伸となりました。米国10年債利回りは▲27bp下落し4.19%と低下した一方で、NASDAQ総合指数は+0.38%と金利低下に比べて小幅な上昇にとどまりました。

12/1にアトランタで行われたパウエル議長の講演では、「十分に景気抑制的なスタンスを達成したと確信を持って結論づける、あるいは金融緩和の時期について臆測するのは時期尚早だ」と、早期の利下げを期待する市場を牽制するものでしたが、「かなり景気抑制的な領域に入っている」との言及を重視し、米国債利回りは急低下、ドル円為替レートは146円台まで円高ドル安が進みました。急激な円高の結果、NYダウは294ドルの上昇となった一方、CME日経先物は▲70円安と前日NY取引終了時間から反落となりました。

さて、このまま米国金利安&円高を前提にすると、日本株の上値は重たくなると予想されますが、12月の季節性としては前半は弱含み、下旬から強くなるという掉尾の一振りが伝統的なアノマリーです。
直近では2013年、2014年がそのパターンでした。いずれも11月に大幅高した年であり、今年も同様に11月に2628円高となっているため、月前半は個人投資家の売りが出やすい状況で、久しぶりにアノマリー通りの展開が期待できそうです。引き続き年内は強気のままで、下落するようならプット売り戦略など良いかもしれません。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会