2月第1週の株式市場は、日経平均+1.14%、NYダウ+1.43%、ユーロストックス50+0.41%と3指数とも上昇しました。
月初2/1に開催されたFOMCでは、パウエル議長は会合後の記者会見で、3月利下げの可能性が高いとは考えていないと述べ、NASDAQ総合指数は▲2.23%と落ち込んだものの、金曜日の雇用統計では市場予想+185Kに対して+353Kという非常に強いナンバーが発表され、3月利下げがますます遠のいたにもかかわらず、今度は NASDAQ総合指数+1.74%と、米国経済の強さを好感して株高というちぐはぐなリアクションとなりました。
FOMC後の株安は月末のリバランス要因が大きかったと見たほうがよさそうです。
米国では、NYコミュニティ・バンコープ(NYCB)の10-12月決算が予想外の赤字となり、株価は一時46%安と、米地銀を巡る懸念が再燃しています。また、あおぞら銀行も米国オフィス向け融資の追加引き当てで、2024年3月期決算が15年ぶりの赤字になると発表しており、きな臭さが漂っていますが、マーケットでは今のところ個別企業も問題として限定的に反応しています。
コロナショックでのWFH(work from homw 在宅勤務)の広がりで、オフィスの空室率は上昇、ポストコロナでもオフィス需要は回復せず、2023年3月にはリーマンショック時を超える空室率19%を記録しました。カテゴリー別で見た米国REIT指数では、オフィスREIT指数は2022年後半にはコロナショック時の安値を割り込んでしまい、最高値を更新した株価とは真逆の様相となっています。
一方で、コロナショック時にはAmazonなどの配達需要が増したことから、物流施設の空きは極端になくなり、結果、業務用倉庫REIT指数の価格は大きく上昇しました。市場規模の近いオフィスと倉庫がそれぞれ真逆に動き、全体として米国のREIT指数は横ばいで推移というのがコロナ後の状況です。
「商業用不動産がヤバい」、といえば確かにその通りなのですが、一方その裏で物流施設は絶好調だったわけですから、商業用不動産の不振が今後のなんとかショックに該当するリスクとなるとは考えにくいと思われます。実際に、ハイイールドスプレッドは3.7%まで縮小しており、CLO指数も上昇していることから、マーケットではニュース記事ほど危機感を抱いているわけではなく、ハイイールドスプレッドなどの「炭鉱のカナリア」指数が動くまでは気にする必要はなさそうです。
さて、週明けの日本市場はSQ週となっています。先月のSQ週はオプション建玉こそ少なかったものの、2199円の大幅高となりました。今月はコール37500の建玉が急増しており、二匹目のドジョウを狙えるかもしれません。