株式市場概況
今週の日本株は若干下落し、TOPIXは前週末比-0.52%の1565.85ポイント、日経平均株価は-0.42%の19,521円で一週間の取引を終えました。
今週、最も注目されたのはFOMCでした。予想通り25ベーシスポイントの政策金利の引き上げが決定し、0.75%~1%とすることが決定されました。その後のイエレン議長の記者会見は、今年3回の利上げとの見通しに変化なしと市場ではとらえられ、3回以上の利上げの可能性を織り込み始めていた市場の動きを反転させる材料となりました。米国株はそれまで連日で下落していたものが反発し、米国の10年利回りは2.6%から2.5%まで下げ、為替はドル安の流れとなりドル円は1ドル114円70銭付近から113円前半まで売られました。
日本株は円安ドル高の影響や、「森友学園」の問題の燻りから弱めの推移となりました。また、日本ではこれまで堅調だった小型株が崩れ始めているのが気にかかります。マザーズ市場では指数寄与度の高く、個人投資家にも人気が高かったそーせいが連日で下落し、マザーズ指数は25日移動平均線を割り込みました。IPO銘柄は堅調に見えるものの、今後も新興市場の下落が継続すれば、徐々に需給が悪くなることも懸念されます。
そのほかには原油価格の下落が大きくなり、節目とみられた1バレル=50ドルを割り込みました。米国の原油在庫が増加する中、サウジアラビアが2月に増産していたことが嫌気され200日移動平均線を下回りました。
セクター別ではその他製品、水産農林、情報通信の上昇率が大きく、鉄鋼、銀行、石油石炭の下落が大きくなりました。スタイルインデックスでは東証2部が上昇率トップ、REIT指数が米国金利の低下から買われました。下落率上位はマザーズ(-4.79%)、TOPIXバリュー(-0.82%)、コア30(-0.59%)と、マザーズ指数の下落が目立ちました。
今後の見通し
今週注目されたもう一つの材料であるオランダの選挙は極右政党の躍進とはならず、市場には安心感が広がりました。この影響から欧州株と通貨ユーロが買われました。市場ではハト派的と見られた今回のFOMCの結果ですが、時間が経つにつれそれほど弱気ではないとの見方も増えてきました。イエレン議長の会見ではバランスシート縮小の議論も開始したとの発言も見られ、市場の反応は行き過ぎにも思えます。アトランタ連銀のGDPNOW(米国の今四半期のGDPの成長率の予想)を見ていると、成長見通しは下がりつつあります。トランプ大統領の政策も具体的でもなく、アップサイドを追うには環境は厳しいかも知れません。
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