3月に入り配当が意識されるシーズンとなります。昨年は、光世証券しかできない有価証券オプションのプット売り(ターゲットバイイング)を用いると配当取りがもっと効率よくなる例を紹介しましたが、今年はボラティリティの水準が低く、ターゲットバイイングのうまみが薄れた感があります。そこで、カバードコール戦略で配当とプレミアムの両方を取る戦略を紹介します。
【NTT(9432)の例】予想配当:60円
権利付き最終日の3月28日までに10,000株を購入し、60円×10,000株=600,000円が配当取りの目標収益とします。このとき、NTT株購入と合わせて4月限行使価格5,000円のコールを直近の買い気配30.70円で100枚(10,000株相当)売り建てると、
・ケース1:4月13日の引値で株価が行使価格5,000円を上回らなかった場合
売り建てたコールオプションの権利行使がなされないため、
30.70円×100枚(10,000株) = 307,000円の収益
となり、配当と合わせると907,000円と当初の配当取りの目標1.5倍の収益となります。
・ケース2:4月13日の引値で株価が行使価格5,000円を上回った場合
30.7円×100枚(10,000株) = 307,000円の収益
と、5,000円で10,000株のNTT株売却が発生します。
3月1日時点のNTT株価は4,812円でしたので、この値段でNTT株を購入したとすると、
(5,000円-4,812円)×10,000株 =1, 880,000円の収益が600,000円の配当金と別に発生します。
【三菱UFJ(8306)の例】予想配当:9円
50,000株購入で、9円×50,000株=450,000円が配当取りの目標収益とします。
三菱UFJ株購入と合わせて4月限行使価格750円のコールを直近の買い気配21.90円で500枚(50,000株相当)売り建てると、
・ケース1:4月13日の引値で株価が行使価格750円を上回らなかった場合
売り建てたコールオプションの権利行使がなされないため、
21.90円×500枚(50,000株) = 1,095,000円の収益
となり、配当取りの目標収益より大きくなります。
・ケース2:4月13日の引値で株価が行使価格750円を上回った場合、
21.90円×500枚(50,000株) = 1,095,000円の収益
と、750円で50,000株の三菱UFJ株売却が発生します。
3月1日時点の三菱UFJ株価は748.20円でしたので、この値段で三菱UFJ株を購入したとすると、
(750円-748.20円)×50,000株 =90,000円の収益が配当金450,000円とは別に発生します。
いずれの例でも、保有した株が値下がりするリスクがありますが、コール売り(カバードコール)戦略では、オプションのプレミアムが収入として入るので、現物株をそのまま買う配当取りトレードより低リスクとなります。
4月限のオプションは配当落ちを考慮したプレミアム価格となり、3月限と価格水準がずれますので、発注の際には理論価格の確認が必須です。
かばこ プットで検索したら出てきたのでのぞいてみました
内容的に興味があるところです
弱い相場でも持ち株持ったままで下がっても損しない戦術が大事だと思います