債券相場は上昇し、長期金利は約3週間ぶりの低水準を付けた(0.835%)。前日に続きこの日も米長期金利低下を受けて買いが優勢だった。またこの日の30年国債入札も順調な結果となり安心感につながった。ただ月初より買いが先行していた先物は、先月の日銀政策決定会合前から意識されていた145円台手前で高値警戒感が強まり、引けにかけて上げ幅を縮めた。
【メモ】
☆30年債入札(80回,CPN1.8%)落札結果 最低落札価格100円95銭(1.751%)、平均落札価格101円15銭(1.741%)、応札倍率3.62倍(前回3.06倍) (事前予想価格100円90銭)
☆日銀植田総裁発言(参院財政金融委員会)
「金融政策の正常化の際にマイナス金利とYCCを解除する順序を現時点で表明することはできない」
「解除の順序は2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現が見通せた時の経済・金融・物価情勢に大きく依存する」
「現時点でそこを決めたり、決めて表明するということはなかなかできない」
「物価目標実現見通せるまでマイナス金利とYCC枠組み維持」
「2%インフレ率の持続的・安定的な実現、賃金と物価の好循環が強まっていくかどうかの確認が重要」
「企業の賃金・価格設定行動の一部に従来よりも積極的な動きが見られ始めている」
「来年の春季労使交渉の動向が重要な要素の一つ-賃金と物価の好循環見極め」
「物価の先行きを見通すためには、賃金がある程度以上上がることは極めて重要」
「一時的に日銀の財務が悪化しても政策運営能力に支障ない」
「中銀財務の健全性確保は重要-信認低下につながるリスク」ほか。