債券相場は上昇。日銀がこの日の昼前に発表した政策決定会合で現行の緩和政策の維持を通知、午後から、中長期債中心に買いが膨らんだ。買い一巡後は15時半からの植田総裁の会見を控えて様子見姿勢が強まり、小幅なもみ合いとなった。
前回会合以降、政策変更に対する思惑は小さく市場の歪みも改善されたことでショートカバー的な動きは限定的だったようだ。
【メモ】
<植田総裁会見主な発言:出所Bloomberg>
YCCについて:
・毎回の会合間に得られる情報やデータに基づき、前回と違う結果になることを含めて、ある程度のサプライズが発生することはやむを得ない。
・経済・物価・金融情勢の見方や副作用を、丁寧に説明を行う。
・(市場機能の低下時)効果と副作用を比較して対応決める。
市場機能について:昨年12月以降の措置で市場機能に関する指標はかなり改善。
・インフレ期待や海外金利が動いた時にどうなるかは何とも言えないため注視。
・海外金利等により副作用が再び目立つ可能性は否定できない。
物価について:消費者物価、今年度半ばにかけてプラス幅を縮小していく。
・物価上昇率の下がり方が思っていたよりやや遅いという感触ある。
・食料品・日用品・宿泊料などが思っていたより高い。
・企業の価格・賃金設定行動に変化の兆しがあり注目している。
・先行き基調的に高まるが、不確実性高いー賃金動向。
・あくまで政策目標は物価・賃金ではない。
・物価上振れが国民負担になっていることを強く認識している。
・輸入物価はマイナス転化、物価引き上げの力は徐々に弱まる。
・物価見通し大きく変われば政策変更につながる可能性。