9月の第4週の株式市場は、日経平均▲0.82%、NYダウは +0.62%、ユーロストックス50+0.67%となりました。週前半は、中国恒大集団の債務問題から日経平均は一時▲2.68%安となったものの、その後、FOMCでは市場予想通り11月テーパリング開始を示唆、株式市場はFRBの強気な経済見通しを歓迎し上昇しました。
一方、米国長期金利は、FOMCで2022年中の利上げの可能性示され、前週比+7bpの上昇。9月では+12bpと前月に続いて続伸。今年三月以降調整局面となっていましたが8月からは再びゆるやかな上昇トレンドとなっており、今回のFOMCでトレンドがさらに加速するか注目です。Sell the rumor, buy the factの格言を考えれば次回FOMC(11/4)まで長期債は売られる長期金利は上昇する展開が考えられます。
FRB議長、テーパリング11月開始の可能性指摘-22年半ば完了も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-09-22/QZUKQ9T0AFBB01
長期金利の上昇局面(ベア・スティープニング)では、バリュー株(資源・銀行)を中心とした株価上昇が期待される一方、金価格は下落となります。
イールドカーブと株価の関係 – TRADING FLOOR (kosei.co.jp)
https://kosei.co.jp/wordpress/?p=13700
恒大集団の債務問題については、10年前のギリシャ危機を思い起こすとわかりやすいですが、支払期限の延長の可否・救済の有無・債務再編などヘッドラインを賑わすものの一朝一夕には解決ないと思われます。
今後もヘッドラインで多少の株価の変動を引き起こすものの、肝要なのは恒大集団のデフォルトの有無ではなく、同社を債務危機へ追い込んだ中国当局の不動産融資規制が中国経済を減速させるかどうかと思われます。
ベースラインでは、米国の長期金利上昇を背景にコモディティ価格は上昇を続けると思われますが、中国経済の影響力の大きい銅・鉄鋼などの商品価格が軟化しないか注視したほうがよいでしょう。
(日経新聞) 恒大、迫る巨額利払い
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75906910Z10C21A9NN1000/