債券相場は、長期金利の指標であたる新発10年国債利回りが低下した。この日、日銀は10年国債(363回~365回債)の無制限買い入れである指し値オペを約3年半ぶりに実施したことで買いが優勢だった。
その指値は、日銀イールドカーブコントロール下での上限金利とされる0.25%で、実勢水準と離れていたために落札はなかった。もっとも、日銀が今後、指値の水準を切り下げてくるとの見方は少なく、海外金利の先高観が続く間は長期金利の低下幅は限られるとの見方。また、超長期債は指値オペによる効果が期待できず利回りは上昇した。
月別: 2月 2022
JGBトレーディングフロア(2022年2月10日)
債券相場は下落し、長期金利は約6年ぶり高水準0.225%を更新した。超長期債対象の流動性供給入札も弱めの結果となり、一昨日に続いて再び超長期ゾーンを中心に売り圧力が掛かった。一方、日銀による金利上昇抑制のための介入はこの日も見られなかった。今晩発表の米CPIに対する警戒感が強く、また3連休を控え、買いの動きは極めて限定的だった。
なお、日銀は、夜間取引時間の18時過ぎに、週明けの14日に長期債対象の指値オペを行うことを通知し、先物は、直後に150円31銭を付けた。
【来週のスケジュール】
2/14
<国内予定>
日銀指値オペ(10時10分)
<国内決算>
JT(2914) / 日本郵政(6178) / 東芝(6502) / かんぽ生命(7181) / 電通G(4324)
T&DHD(8795) / リクルトH(6098) / SMC(6273) / ゆうちょ銀(7182) / 光通信(9435)
<海外予定>
【米国】*****
【欧州】ECB総裁,欧州議会に出席 / 独首相がウクライナ訪問,首脳会談
【その他】*****
<海外決算>
*****
2/15
<国内予定>
5年利付国債入札 / GDP(4Q) / 営業毎旬報告(2月10日現在) / 鉱工業生産(12月)
<国内決算>
ブリヂストン(5108) / アサヒGH(2502) / ユニチャム(8113)
<海外予定>
【米国】米上院銀行委員会,パウエルFRB議長再任承認巡り投票 / 米PPI(1月) / 米ニューヨーク連銀製造業景況指数2月) / 対米証券投資(12月)
【欧州】独ロ首脳会談(モスクワ) / ユーロ圏GDP(4Q改定値) / 独ZEW期待指数(2月) / 英ILO失業率(10-12月)
【その他】*****
<海外決算>
バイアコムCBS / エアビーアンドビー
2/16
<国内予定>
日銀国債買いオペ(1-3,5-10年,25年超) / 第3次産業活動指数(12月) / 首都圏新築分譲マンション(1月) / 訪日外客数(1月)
<国内決算>
*****
<海外予定>
【米国】米FOMC議事要旨(1月25,26日開催分) / 米輸入物価指数(1月) / 米小売売上高(1月) / 米鉱工業生産(1月) / 米企業在庫(12月) / 米NAHB住宅市場指数(2月)
【欧州】北大西洋条約機構(NATO)国防相会合 / ドイツ10年債入札 / ユーロ圏鉱工業生産 (12月) / 英CPI(1月)
【その他】中国PPI(1月) / 中国CPI(1月) / 北朝鮮の故金正日総書記の生誕記念日
<海外決算>
アナログ・デバイセズ / アプライド / AIG / シスコシステムズ / エヌビディア
2/17
<国内予定>
国庫短期証券(1年)入札 / 20年債入札 / 日銀社債買いオペ(3-5年) / 貿易収支(1月) / 機械受注(12月) / 月例経済報告2月)
<国内決算>
トレンド
<海外予定>
【米国】クリーブランド連銀総裁講演 (オンライン) / セントルイス連銀総裁講演 / 住宅着工件数(1月) / フィラデルフィア連銀製造業景況指数(2月)
【欧州】ECB経済報告 / トルコ中銀,政策金利発表 / 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ジャカルタ) / EU・アフリカ連合サミット(ブリュッセル) / ユーロ圏欧州新車販売台数(1月)
【その他】*****
<海外決算>
スタンダードチャータード / エアバス / コメルツ銀 / ウォルマート
2/18
<国内予定>
国庫短期証券(3カ月)入札 / 全国CPI(1月)
<国内決算>
*****
<海外予定>
【米国】米中古住宅販売件数(1月) / 米景気先行指標総合指数(1月) / 米シカゴ連銀総裁やウォラーFRB理事,USマネタリー・ポリシー・フォーラムに参加
【欧州】ミュンヘン安全保障会議(ミュンヘン) / ユーロ圏消費者信頼感指数(2月)
【その他】*****
<海外決算>
アリアンツ / ルノー / ナットウエスト
本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会
ウィークリーレポート(2022年2月11日)
2月の第2週の株式市場は、日経平均+1.06%、NYダウ▲1.00%、ユーロストックス50+1.68%とまちまちの結果となりました。
2/10(木)に発表された米国1月コアCPIは+6.0%(市場予想5.9%)と市場予想を上回る数値となり、FRBのタカ派な姿勢をサポートするものとして債券安/株安となりました。
さらに、日本市場が休場であった2/11の米国市場では、引け間際に、ロシアは来週にもウクライナに対し軍事攻撃に出る恐れがあると米国が警告したことにより株価は一段安となりました。
2/12 米ロ首脳会談では、米ロ両国間の連絡維持について合意したものの、緊張緩和への具体的な進展もなく、週明けは引き続き地政学リスクを意識したリスクオフムードとなりそうです。また、ユーロストックス50は取引終了後の為、2/11のロシアリスクを反映しておらず、週明け月曜日に織り込みに行くこととなります。
安値目途では1月安値26044円、S&P500 4222ptが意識され、このラインで反発となるならダブルボトムのチャートパターンとなり先の反発への期待が持てます。
ただし、ロシアリスクによる資源価格高騰→物価高→金利上昇(金融引き締め)と事態は複雑に絡み合ってることから、ウクライナ侵攻の場合には湾岸戦争(1990年8月)時のようにエネルギー価格高/株安の流れも懸念されます。湾岸戦争当時は、イラクのクウェート攻撃前の高値からS&P500 は19.92%下落しており、足元の株価水準では21年3月安値3723pt(日経平均23713円)までの急落が懸念されます。
JGB先物は2/10のナイトセッションで149円94銭まで下落、長期金利は23bpまで上昇したところで、日銀が月曜(2/14)に指値オペを実施すると予告リリースを出し、150円29銭まで急反発となりました。
週明けのマーケット次第ながらも、ロシアリスクを受け米国金利が低下したことも踏まえると、日本国債利回りも低下して月曜日のオペは空振りに終わりそうです。とはいえ、+25bp以上の金利上昇を認めない姿勢は確認されたことから、Put150.00の売りは引き続きリスクフリーなアイデアのままとなります。
(日銀)指値オペの実施について
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/rel220210d.pdf
本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会
JGBトレーディングフロア(2022年2月9日)
債券相場は超長期債が反発。米長期金利の上昇が時間外取引で一服した上、前日までに大きく売り込まれていた超長期ゾーンに水準感の買いが入った。一方、長期金利や5年金利はこの日も約6年ぶりの高水準を更新した。一部でこの日予定されていた日銀の国債買い入れについて増額や年限の追加観測もあったが通常のオペにとどまり、買い戻しのきっかけにつながらなかった。
【メモ】
☆本日の日銀買入オペは,1-3年4500億円、3-5年4500億円、5-10年4250億円、。(金額は事前通知通り)。応札倍率はそれぞれ2.91、1.96、1.96倍。
本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会
JGBトレーディングフロア(2022年2月8日)
債券市場は下落。長期金利は昨日に続いて6年ぶりの高水準(0.210%)に上昇した。
米長期金利が時間外取引で上昇したことが売りにつながった。米国では今晩より四半期定例入札を控えており、その需給動向が警戒されているようだ。日銀のYCCにおける10年金利の容認幅の0.25%まであと4bpsとなるも、日銀の国債買入れオペのタイミングについては見方が分かれているようで、この日も定例オペの通知時刻10時10分を過ぎてからは、上値が次第に重くなり、また、これまで指値オペが行われていない超長期債は下げ幅を広げる結果となった。
【メモ】
☆10年物価連動債入札(26回,CPN0.005%)落札結果
発行価格103円70銭(-0.388%)応札倍率4.20倍(前回3.31倍)。
(事前予想価格103円20銭)