債券市場では長期,超長期債が上昇。中国が対米関税引上げの報復措置を表明し、リスク回避の買いが先行、この日に実施された30年債入札も順調な結果となった。ただ午後に入って国内株安や円高進行が一服し、先物を中心に中期ゾーンは上値を抑えた。
【メモ】
☆30年債入札(62回債リオープン、CPN0.5%)入札結果
最低落札価格99円20銭(0.5310%)、平均落札価格99円23銭(0.5290%)、応札倍率4.65倍(前回4.55倍)。(事前予想中央値99円15銭)
債券市場では長期,超長期債が上昇。中国が対米関税引上げの報復措置を表明し、リスク回避の買いが先行、この日に実施された30年債入札も順調な結果となった。ただ午後に入って国内株安や円高進行が一服し、先物を中心に中期ゾーンは上値を抑えた。
【メモ】
☆30年債入札(62回債リオープン、CPN0.5%)入札結果
最低落札価格99円20銭(0.5310%)、平均落札価格99円23銭(0.5290%)、応札倍率4.65倍(前回4.55倍)。(事前予想中央値99円15銭)
明日の30年債入札に対する警戒感で売りが優勢となるも、一方で米中貿易問題の長期化懸念が債券の買い圧力となっており、売りの動きも限定的。
【メモ】
☆本日の日銀買入オペは1-3年3500憶円、3-5年4000憶円 (金額据置き)。応札倍率は、3.65倍、4.57倍。
連休明け最初の週は、日経平均▲4.11%と大幅安となりました。
連休中に発表された海外経済指標は安定したものでしたが、連休終盤にトランプ大統領の対中貿易協議への強硬な発言が伝わり、5/10には関税引き上げが実施され、日中の株は大きく調整しました。
セクター別では、前回のレポートで述べたように、4月の月間騰落率とは正反対にシクリカル系が売られ、ディフェンシブセクターが相対的にしっかりする展開となりました(表A、B)。
これまでトランプ政権は、2018年7月6日に500億ドル相当の輸入に25%の課税、同年9月24日の2000億ドル相当の輸入に10%の課税と2回にわたって対中国への制裁関税を課してきました。過去のケースを振り返ると、いずれも関税引上げ前に株価は調整し、引き上げ実施後は小幅高で推移しています(図A)。
今回も同様に、しばらくは小康状態の相場が続きそうですが、過去の関税引き上げが日本・中国の景気急減速を招いた事実は既に昨年年末の株価急落ではっきりしていますので、今回の追加関税がどの程度景気を悪化させるかと考えると積極的には買いづらい相場です。
マクロ環境の見通しは今後厳しくなることが予想されるものの、大規模緩和を継続する日銀と引締め政策を中止したFRBなどグローバルな金融環境は依然緩和的であり株価にプラスです。
また、海外投資家は昨年の日本株の大規模な売り越し以降、いまだに買い戻してはおらず、裁定買い残も7559億円と売り残6890億円に肉薄するほど低水準ですので、需給環境もプラスの状況です。
昨年は7月の関税引き上げから株価の急落が始まった10月まで3か月の遅れがありました。今後は経済指標やIMFの見通しなどに注視しながら、ゴルディロックス継続なのかリセッションの入り口なのか見極める神経質な展開となりそうです。
図A.関税引上げ前後の日米中の株価推移(関税引上げ日=100で基準化)
債券相場は中長期債が小幅上昇。米中の貿易交渉(1日目)では進展が見られず、事前通告通り米国は中国に対する追加関税を発動、国内株安や為替の円高進行に反応する形で債券の買い圧力が高まった。ただ貿易交渉の先行きが見えず、週末をはさむことから積極的な動きは手控えられた。
【来週のスケジュール】
5/13 | 日銀買いオペ(1-5年) / 外貨準備高(4月) / 景気動向指数(3月) |
【米】ボストン連銀総裁,クラリダFRB副議長連銀イベント挨拶 | |
5/14 | 30年入札 / 国際収支(3月) |
【米】米ロ外相会談(ソチ) / ニューヨーク連銀総裁講演(チューリヒ) / カンザスシティー連銀総裁講演 / 輸入物価指数(4月) /【欧】ユーロ圏鉱工業生産(3月) / 独CPI(4月) / 独ZEW景況感指数(5月) | |
5/15 | 日銀買いオペ(5-10年) / 工作機械受注(4月) |
【米】リッチモンド連銀総裁講演 / 米小売売上高(4月) / 鉱工業生産(4月) / 企業在庫(3月) /【欧】ユーロ圏GDP(1Q) / 独GDP (1Q) | |
5/16 | 5年国債入札 / |
ミネアポリス連銀総裁講演 / 住宅着工件数(4月) /【欧】ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル) | |
5/17 | 日銀買いオペ(10-25年,25年超) |
【米】ミシガン大学消費者マインド指数(5月) /【欧】EU財務相理事会(ブリュッセル) / ユーロ圏CPI (4月) |
債券相場は小幅な動きに推移した。10日の対中関税引上げ予定など米中通商協議を巡る不透明感から積極的な動きは限定されるなか、この日の日銀買いオペでは応札倍率の上昇が見られ、上値を抑えた。
【メモ】
☆本日の日銀買入オペは1年以下500憶円、5-10年4800憶円 (金額据置き)。応札倍率は、3.04倍、2.58倍。