ウィークリーレポート(2022年1月21日)

1月第3週の株式市場は、日経平均▲2.14%、NYダウ▲4.58%と続落、ナスダック総合指数は▲7.75%と20年3月以来の多なば下落となりました。
グロース株下落のトリガーとなった米国長期金利は木曜日に1.90%を付けた後反落、米国債については売り一服感があるものの株安はまだ止まらないままとなっています。

週明け水曜日(日本時間 1/27木曜日 04:00)にはFOMCが開催され、テーパリング終了後の利上げやQTの具体的なスケジュールが公表されるか関心が集まります。さて、VIX指数をみると金曜日の引け時点で28.85ptと昨年12月のピーク水準近くまで上昇しており、FOMC前に大きくボラティリティが上昇している場合は、FOMC発表前数日からフライングでVIXが下がりやすい以降(2021年3月、2021年12月パターン)がありますので、週明け相場ではひとまず短期的な反発となるのではないでしょうか。
また、グロース銘柄である半導体セクターのウェイトが高い台湾加権指数は、海外投資家の売りが出来高の17.78%に達し、売られ過ぎのシグナルとなっていることも、足元の状況が、陰の極みに近いことを示唆しています。
短期的なリバウンド狙いならば、ボラティリティ低下と株価の反発でプット売りに妙味がありそうです。

とはいえ、ナスダック総合指数の予想PERは足元の株価下落で27.99倍まで低下しているとは言え、コロナ禍以前の天井であった25倍はまだまだ上回っており、金融引き締めによるバリュエーションの正常化を考えるならば、短期のリバウンドはともかく中期的にはまだまだ調整が続くものと思われますのでリバウンド狙いのポジションはあくまで短期に徹するのがよさそうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2022年1月14日)

2021年の第2週の株式市場は、日経平均▲1.24%、NYダウ▲0.88%下落、先週独歩高ったユーロストックス50も▲0.78%と下落となりました。

(Bloomberg) 金利上昇に伴う株安、欧州株が有力な逃避先に-ゴールドマンが予測
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-06/R5A76AT0AFB401

週明けには日銀政策決定会合が予定されています。このところ全く関心を集めることが無かった会合ですが、日本銀行が物価目標2%の達成前に利上げを議論との観測報道が1/14金曜朝に流れると、長期国債は前日比▲42銭の大幅安となる局面もありました。

(Bloomberg)債券は大幅安、日銀政策修正の観測報道で売り-20年入札後に下げ縮小
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-13/R5MZ7UT0G1KX01

これまで、オーバシュートコミットメント(物価目標2%を超えてもしばらく容認し引締めない)を掲げてきただけに、2%達成前の利上げ報道に対しては非常に懐疑的な印象を受けます。1/18の日銀政策決定会合では、観測報道の真偽を確認となりますが、仮に利上げへの言及があるならば、不動産・REITには逆風である一方、銀行等金融セクターにはプラス要因となります。一方、一部委員の発言のみであったり展望レポートでの物価見通しが弱かったりした場合は、反動で金利安/REIT高/円安となりそうです。

1/15(土)に、南太平洋のトンガで大規模な火山噴火がありました。同様の大規模噴火としては1991年、フィリピンのピナトゥボ火山の噴火があります。同噴火では噴煙によるエアロゾルが太陽光を遮断し、北半球で冷夏となりました。日本でも冷夏によるコメ不足となりタイ米の緊急輸入など騒ぎになりました。

今回のトンガでの噴火が南半球で冷夏をもたらすなら、オーストラリアの小麦やブラジルの大豆など世界的な農作物の供給にダメージを与えることとなり、週明けの農作物先物の動向には注意が必要です。価格高騰となると、商社など一部セクターには恩恵となりますが、(基本的に中央銀行はコアCPIを見ており生鮮食品の価格を見ていないとはいえ)中間選挙を前にインフレ退治のアピールをさせられている米国FRBが、農作物価格の急騰でさらなる利上げ加速を迫られるかもしれず、株式相場全体にはマイナス影響と思われます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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ウィークリーレポート(2022年1月7日)

2021年の第1週の株式市場は、日経平均▲1.09%、NYダウ▲0.29%と日米株が下落する中、ユーロストックス50は+0.17%と上昇しました。
水曜日に昨年12月のFOMC議事録が公開されると、3月会合での早期利上げ+バランスシート縮小開始という市場予想よりもタカ派な見解が明らかとなり、米国10年債利回りは1.76%と昨年末の1.51%から25bpの急上昇、これを受けNASDAQ総合指数は週間で▲4.53%の下落となりました。

一方で、シティグループなどの金融銘柄は上昇しており、日本市場でも木金の二日間で鉄鋼、保険、銀行のバリュー代表セクターが4%以上上昇するなど、セクターによる温度差の大きい週となりました。

米国の金融引き締め観測による株安ですが、VIX指数は木金と下落い展示、また金融セクターなど買われる銘柄も多いことから、フロス(局所バブル)の崩壊によるリスクオフというよりもセクターローテンションの色彩が濃く、現時点では、昨年2月・9月の米国金利急騰時に見られた一時的な調整と考えられます。
昨年のパターンではS&P500は6%弱の下落で反発しており、昨年12月高値から6%弱の100日平均4552ptがサポートとなりそうです。日経平均に関しては、12月安値27588円が下値として意識されます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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ウィークリーレポート(2022年1月3日)

2021年の株式市場は、日経平均+4.91%、NYダウ+19.69%、ユーロストックス+20.56%と欧米株上昇のなか日経平均は冴えない年となりました。

さて、2020年3月のコロナショックによる暴落からの騰落率を振り返ると、リーマンショック時と比較して早期に日本国債以外は全てショック前の水準を上回っており、この背景には世界的な大規模金融緩和がありました。この大規模な金融緩和ですが、2021年に入ってマネタリーベースの伸び率は減速してきており、2022年にはFRBはテーパリングを終え(つまりベースマネーの伸び率0%)利上げが予想されています。さらに12月FOMC後のパウエル議長の会見ではバランスシート問題(量的引締め)すら言及されています。

(ピクテ) 12月FOMCが「想定内」とは言えない理由
https://www.pictet.co.jp/investment-information/market/deep-insight/20211220.html

マネタリーベースの伸びが鈍化する時期には、コモディティ価格が下落する傾向があります。また、パリバショックやギリシャショックなどリーマンショックほどではないものの、局所的な小さなバブル(フロス)がはじける事が恒例となっています。

2022年の相場は、どこでフロスが発生しているか目を凝らす必要があるものの、パリバショック時のサブプライムローン(あるいはファンドオブファンズによるヘッジファンド資産の膨張)など一般投資家には馴染みのない商品や、あるいは意外とGAFA株や米国債の低金利など当たり前に受け止めて気づいていない可能性もあり、どこかしら資産価格が急落していないか注意が必要でしょう。

(日経新聞)「寅、千里を走る」は本当? 相場のアノマリーを知る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB244OL0U1A121C2000000/

相場格言では、「寅千里を走る」と勇ましいですが、過去の統計では負けが込んでおり、非常に神経質な1年となるのではないでしょうか。
したがって、2022年はデリバティブを用いたリスクコントロール/ヘッジが肝要となるわけですが、ヘッジ売りにしても裸売りにしても、ショート戦略の最大の問題は、そろそろ急落が来そうとシグナルを捉えても急落がいつから始まるかピンポイントでわからない点です。2015年のチャイナショック時には、6月には上海株が暴落し始めていましたがグローバルな株安となったのは8月になってからでした。
ただし、2020年3月の暴落時~リバウンド時にはプロテクティブ・プット戦略がS&P500のバイアンドホールドを上回っていましたので、暴落時の損失回避にはやはりプット買いが有効でしょう。

ここまでリスクシナリオの話となりましたが、改めて2022年の相場について述べると、21年年末のレポートで述べた通り、コロナ禍からの回復にともなう経済成長/株高の楽観シナリオ29700~31400円がベースシナリオ、マネー引締めによるフロス崩壊で25270までの下落がリスクシナリオと考えており、また、2015年チャイナショックの例を再度上げますと、ショック後も世界経済は成長して株高を更新している点からも過度にリスク回避的になることもないと考えます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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ウィークリーレポート(2021年12月24日)


12月の第4週の株式市場は、日経平均+0.83%、NYダウ+1.65%と小幅の上昇となりました。週後半からは欧米市場がクリスマス休暇入りすることから閑散となり値動きの乏しい取引日となり、2021年ももう終わりの様相です。

今年の投資部門別売買動向を振り返ると、日経平均は2月高値から半年近く緩やかに売られ、その後、菅総理大臣の退陣に伴い海外勢主導で大きく買われ高値を更新しましたが、後任に財政再建派の岸田氏が付くと海外勢は売り越しに転じ、12/17週までで現物先物合わせて2.8兆円の売り越しとなり、年足でも上述の動きに合わせて大きく上髭を引く形となりました。
他の主体では、昨年まで日銀のETF買いに対応していた自己の手口が、1兆円の買い越しのみと大きく減少したことも今年の特徴でした。

さて、来年以降の株価を占うにあたり日経平均の予想EPSを見てみますと、12/24時点での市場予想では‘22/3月期が1654円、’23/3月期が1787円、‘24/3月期が1890円と上昇傾向となっています。これをベースに過去のPER倍率の平均と標準誤差を計算すると、オミクロン株終息による経済活性化を背景にした上昇相場なら29705円~34130円のレンジが想定されます。

一方、来年はFRB利上げの年となります。金融当局による利上げは、主要国市場においては事前に織り込まれている事もあり、アノマリーとして株高につながるのですが、日経平均に関しては、FRBの利上げ3か月前に20%ほどの調整を繰り返してきた過去がありますので(1992年、1996年、2015年、それぞれメキシコ危機、アジア通貨危機、チャイナショックへとつながっていきます)、2022年の相場は要注意と言えます。リスクシナリオの場合は、上述の日経平均予想PERのレンジで、25279円~29705円となります。

冒頭の投資主体の話に戻ると、日銀によるETF購入政策は完全に停止したわけでわく、相場の暴落局面で介入する方が効果がより大きいといって手控えられている状態ですので、いざリスクシナリオが実際に起こった場合には強力な買い手が現れてくることとなります。
また、2022年4月からは10兆円の大学ファンドの運用が開始され、初年度はそのうち4.5兆円のみとも言われていますが、ロングオンリーな主体と考えると年間での株式市場へのインパクトは大きく、日銀不在の中で有力な買い手と期待されます。

(読売新聞)【独自】「大学ファンド」支援校数を段階的に増加、外部資金に応じ配分…政府案
https://www.yomiuri.co.jp/science/20211209-OYT1T50175/

まとめると、2022年の日本の株式市場は、米国の政策金利引き上げに伴う新興国市場混乱から一時的に大きく調整局面を迎えるものの、大学ファンド等の買い圧力の存在、市場予想EPSが再来年度まで上昇している事などから、年後半にかけて上昇傾向となるV字型と考えます。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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