ウィークリーレポート(2023年10月6日)

10月第1週の株式市場は、日経平均株価は▲2.71%、NYダウ▲0.30%、ユーロストックス50▲0.72%といずれも3週続落になりました。
10/6に発表された米国非農業部門雇用者数は市場予想+170Kに対して+336Kと強い数値となり、債券価格は下落、金利上昇から株安の反応となりましたが、全米自動車労組がストライキの拡大を見送ったことを好感して株価は反発しました。
雇用統計のうち平均時給は前年比+4.2%(前月+4.3%)にと鈍化と、数か月前ならディスインフレの兆候として捉えてもいいような内容でしたが、債券市場はこれを無視する動きとなり、足元のポジションが債券の投げを誘発しやすい状況にあることがうかがえます。

(Reuters) ハマスとイスラエルの大規模衝突、死者480人以上 米は襲撃非難
https://jp.reuters.com/world/mideast/PJLXDNODUFKBHM4FF5CJTEIHXM-2023-10-07/

10/7土曜日には、イスラエル・ガザ地区を実効支配するハマスが、イスラエルへ大規模な攻撃を仕掛け、ショッキングな映像が流れる事態となりました。同地域では、イスラエルの建国以来たびたび戦争となっており、今回もその延長戦ではありますが、『遠くの戦争は買い』の格言とは異なり、過去の第一次中東戦争から第四次中東戦争までのNYダウの動きは、上値の重い展開となっています。第四次中東戦争では、その後のOPECが原油価格を70%引き上げ、イスラエルを支援する米国をはじめとする西側諸国への禁輸などの制裁措置を行い、第一次オイルショックとなりました。
今回のハマスによる攻撃ではイランが大きく支援していると報道されており、戦火がイランまで拡大するならば、ペルシャ湾のシーレーンの危機ともなり、再び原油価格高騰、インフレ加速ともなりかねません。
10/9(月)午前の時点では、S&P先物は前日比▲0.75%と限定的な反応である一方、WTI原油先物は一時5%を超える上昇となりました。

トレードアイデアとしては、事態がエスカレートした場合に備えて、OTMのコール売り/OTMのプット買いのリスクリバーサル戦略がよさそうです。

※中東戦争時のNYダウ推移。開戦日=100で基準化。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2023年9月29日)

9月第最終週の株式市場は、日経平均株価は▲1.68%、NYダウ▲0.88%、ユーロストックス50▲0.28%と続落になりました。
6-9月のマーケットを振り返ると、米国10年債利回りは+70bpの4.53%、ドルインデックス+2.81%, ドル円+2.93%と米国の金利高&ドル高が進んだ四半期でした。
株式市場ではNYダウ▲2.15%、NASDAQ▲4.25%と米国株は下落、日経平均株価も▲4.01%と下落しましたが、TOPIXは+1.52%と上昇。特にTOPIXバリュー指数は+6.77%とTOPIXグロース指数の▲3.90%と全く違う景色となりました。
また、日銀のYCC撤廃/ゼロ金利解除への思惑から、日本10年債利回りも36bp上昇の0.76%となりました。

日米ともに、金融政策の行き先への思惑が株式市場へ大きく影響しており、この傾向はまだ継続するものと思われますが、FRBに関して、ターミナルレートは5.5%(あと1回)と言われており、また、円安による物価高は日銀の大規模緩和政策への逆風となっており、日銀は火消しに回ったものの、年内に政策変更が可能かもしれないという植田総裁の発言は年末に近づくにつれ(あるいは円安が進むにつれ)再度意識されるものと思われ、10-12月に政策変更があれば、これまでの流れが大きく変わる可能性もあります。

ここ10年の10-12月では、S&P500は2018年を除き全て上昇、9勝1敗で年末時の株価は9月末比で+8.5%と株価に追い風となる時期です。同様に日経平均も10年で8勝2敗、第4四半期で平均+8.2%のリターンとなっています。また、短期的にはNYSE市場の騰落レシオBreadth Indicatorは38%まで下落して売られ過ぎゾーンに入っており、直近1年の傾向では同シグナルの売れられ過ぎはボトムを示唆していることから、週明けの10月からはリバウンドを期待したいです。
土曜日には懸念材料であった米国政府閉鎖について、閉鎖を回避するための暫定的なつなぎ予算が可決されたことも週明けの株式市場への追い風となりそうです。
米政府閉鎖を回避、上院も期限直前につなぎ予算可決-大統領署名 – Bloomberg

S&P500は節目4400pt、日経平均は25日線32619円をひとまずの高値目途として、カバードコール戦略がよさそうです。


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ウィークリーレポート(2023年9月22日)

9月第3週の株式市場は、日経平均株価は▲3.37%、NYダウ▲1.89%、ユーロストックス50▲2.05%と3指数とも反落しました。9月に入り週替わりに上げ下げを繰り返しています。

FOMCではFF金利の誘導目標レンジを5.25-5.5%と据え置きましたが、声明と同時に発表した最新の四半期経済予測では、FOMC参加者19人のうち12人が年内あと1回の利上げを支持していることが示され、すでに利上げはピークに達しているとの市場の予想をひっくり返す内容から、金利が上昇、株安という流れになりました。
特に、金利上昇による逆風の強いナスダックは週間で▲3.53%の下落となり、今年に入ってからの上昇トレンドラインを割り込みチャートの形状も悪いことから200日線まであと6%弱下落してもおかしくありません。一方で、NYダウの下落は相対的に軽く、また、ハイイールド債ETF下落も▲1.03%と軽微であり、ハイイールドスプレッドは縮小していることから、FOMC後の動きとしては、米国債とハイテク株だけ売られた状態と言えます。

株価が下がると政府閉鎖懸念や全米自動車労組のストなど、時には無視されるイベントがリスク事象として注目されてきます。政府閉鎖に関して、過去、閉鎖期間が長期化した3回のケースでのNYダウの動きを比べてみると、閉鎖後にいったん下げたところがボトムとなり反発するパターンとなっています。
米国会下院で共和党保守強硬派が妥協しない場合、早ければ10/1から政府閉鎖となり、過去のパターンを踏襲するなら10月第1週に株価が底打ち(つまり来週は続落)となります。

日本市場に関しては中間配当の再投資シーズンという事もあり、欧米の株価下落速度に比べマイルドで、また日経ボラティリティ指数も盛り上がりに欠ける動きとなっています。トレードアイデアとしては権利付き最終日に向けてTOPIX買い/ダウ先物売りあるいは【2842】NASDAQ100インバースETFの買い、その後ドテンのスイングトレードが面白そうです。


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ウィークリーレポート(2023年9月15日)

9月第2週の株式市場は、日経平均株価は+2.84%、NYダウ+0.12%、ユーロストックス50+1.37%と3指数と反騰しました。

ECB定例理事会では10会合連続となる利上げを実施し、政策金利を4.00%としました。市場予想に反する利上げだったものの、マーケットは最後の利上げと受け止め、ユーロは下落、欧州版VIXのVSTOXX指数も前日比▲1.75ptの14.74ptと大幅に下落しました。
週明けにはFOMC、日銀政策決定会合が待ち構えています。FRBに関しては利上げ見送りがコンセンサスとなっている一方で、日銀に関しては、政策転換のタイミングが年末に早まるとの観測もあり、会合後の植田総裁の会見に注意が必要です。

(Bloomberg) 植田総裁発言と市場解釈にギャップ、日銀の認識ほぼ変わらず-関係者
https://www.bloomberg.co.jp//news/articles/2023-09-15/S0YVE0T0G1KW01

日本市場では、18年ぶりの阪神優勝で株高アノマリーが報じられています。過去3回の阪神優勝時にはいずれも株価が上昇しており、年末まで株高の機運が高まりそうですが、過去の平均PERから計算した日経平均の上値は予想EPSの上昇に伴い34930円まで上昇しているものの、金曜終値からは4%程度の余地しかありません。
一方で、同様にバリュエーション面から TOPIXのレンジ上限を計算するとは2749ptと金曜日終値から13%の上昇余地があり、ここもとのバリュー株主導の相場を考えるとTOPIXの13%上昇はあり得そうにも思えます。NT倍率が13倍まで低下すると仮定して、日経平均は35737円まで想定できそうです(が、さすがにこれは苦しい気もします)。
上昇幅はともかく、週明けの金融政策ウィークが終わると9月中間配当の再投資シーズンとなりますので、日経<TOPIXのNT倍率低下局面は続きそうです。


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ウィークリーレポート(2023年9月8日)

9月第1週の株式市場は、日経平均株価は▲0.32%の反落、NYダウ▲0.75%の続落、ユーロストックス50▲1.06%と3指数とも反落しました。

前週レポートでは、”7月、8月と同様に月初高反落になると考えるならばCall 33125買い+先物売り+Put32500売りの、アップサイドにプロテクトを付けたデルタショートポジション、逆に、33170円を超えて上昇とみるならば、Call 33170のロング/ Put32500売りのリスクリバーサル戦略がよさそうです。” と書きましたが、月初高からの下落というパターンになりました。
下落の原因は、中国政府が、政府機関職員のiPhoneの使用を禁止との報道で、米国アップル株とiPhoneのサプライヤー株に売りが広がり、ハイテク株を中心に日本株も下落となりました。

(Reuters) コラム:割高なアップルの価値、中国の意向次第で大幅修正も
https://jp.reuters.com/markets/bonds/O6KSHMZFMZN5DH2UBORGRNAOQM-2023-09-08/

テクニカル的にも、NTSEの騰落レシオ(Breadth)は59%と、買われ過ぎゾーン60%手前に達していたため、自然な下落にも見えますがやや上昇の不完全燃焼の感もあります。
大型株に先行して値崩れを起こすことから売りシグナルとして見られることもある米国小型株指数(ラッセル2000指数)ですが、週間で▲3.33%下落となり、200日線をネックラインとしたトリプルトップを形成しており、200日線を割れると3-5月の安値圏が見えてきます。S&P500が追随するようならば52週線4098ptまでの▲8%弱の下落も考えられます。日本株については、TOPIXバリュー指数が週間で+1.27%と引き続き買いが継続していることから、レンジ下限31350円までの下落で済みそうな気がします。

ただ、トランプ大統領の時代によく経験した光景ですが、貿易摩擦を起因とした株式市場の下落(今回はiPhoneの使用禁止)は、一過性のものが多くすぐに反発となっていました。ラッセル2000の動向は気になりますが、ひとまずは楽観的に反発を予想し、25日線32274円まで押すようなら、下落に備えながらも反発を期待したポジション、先物/ETFロング+32250プットロング+33250コール売りといった戦略が考えられます。


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