9月第1週の株式市場は、日経平均株価は▲0.32%の反落、NYダウ▲0.75%の続落、ユーロストックス50▲1.06%と3指数とも反落しました。
前週レポートでは、”7月、8月と同様に月初高反落になると考えるならばCall 33125買い+先物売り+Put32500売りの、アップサイドにプロテクトを付けたデルタショートポジション、逆に、33170円を超えて上昇とみるならば、Call 33170のロング/ Put32500売りのリスクリバーサル戦略がよさそうです。” と書きましたが、月初高からの下落というパターンになりました。
下落の原因は、中国政府が、政府機関職員のiPhoneの使用を禁止との報道で、米国アップル株とiPhoneのサプライヤー株に売りが広がり、ハイテク株を中心に日本株も下落となりました。
(Reuters) コラム:割高なアップルの価値、中国の意向次第で大幅修正も
https://jp.reuters.com/markets/bonds/O6KSHMZFMZN5DH2UBORGRNAOQM-2023-09-08/
テクニカル的にも、NTSEの騰落レシオ(Breadth)は59%と、買われ過ぎゾーン60%手前に達していたため、自然な下落にも見えますがやや上昇の不完全燃焼の感もあります。
大型株に先行して値崩れを起こすことから売りシグナルとして見られることもある米国小型株指数(ラッセル2000指数)ですが、週間で▲3.33%下落となり、200日線をネックラインとしたトリプルトップを形成しており、200日線を割れると3-5月の安値圏が見えてきます。S&P500が追随するようならば52週線4098ptまでの▲8%弱の下落も考えられます。日本株については、TOPIXバリュー指数が週間で+1.27%と引き続き買いが継続していることから、レンジ下限31350円までの下落で済みそうな気がします。
ただ、トランプ大統領の時代によく経験した光景ですが、貿易摩擦を起因とした株式市場の下落(今回はiPhoneの使用禁止)は、一過性のものが多くすぐに反発となっていました。ラッセル2000の動向は気になりますが、ひとまずは楽観的に反発を予想し、25日線32274円まで押すようなら、下落に備えながらも反発を期待したポジション、先物/ETFロング+32250プットロング+33250コール売りといった戦略が考えられます。