ウィークリーレポート(2024年7月19日)

7月第3週の株式市場は、日経平均▲2.74%と反落、NYダウ+0.72%の続伸、ユーロストックス50▲4.28%と反落とまばらな結果となりました。ナスダック総合指数は▲3.65%と反落。
NYダウとNASDAQの逆行は、2024年の大統領選でのトランプ当選を確実視した向きによるトランプ銘柄トレードというよりは、日本株や欧州株の下落を見ると、これまで利下げ期待で先行して買いに回っていたゴルディロックス相場が、9月利下げがほぼ確実視となったことによる手仕舞い売りに変わった最中に、トランプ銘柄だけ買いが入ったとみた方が良さそうです。
実際、2016年のトランプ大統領当選の際は、NYダウだけでなくナスダック総合指数しも上昇していましたので、足元のダウ以外の指数下落に関しては、6月下旬以降のゴルディロックス相場の剥落とみて、日経平均では5月-6月のレンジ中心38800円あたりがひとまずの下値目途になるのではないでしょうか。

7/31月末に日銀政策決定会合が開催され、市場予想では利上げの確率は3割程度と後退しており、河野金融担当大臣の円安牽制のための利上げ要求やその後の撤回で右往左往するマーケットの関心はすでに金利に集中しており、前回会合で予告された国債購入額の削減は、仮に月6兆円から3兆円に半減となったとしてもあまりインパクトは出ないかもしれません。
長期国債先物オプションから計算されるJGB-VIX指数は4.31ptと前回会合直前の4.63ptよりも低く、また、オプション取引最終日となる月末での会合だった昨年10月の7.98ptに遠く及ばない水準ですので、予想外のタカ派な動きにプットオプションを買うのもいいかもしれません。植田総裁になってから政策変更のある場合は会合前にリーク報道されますので、ポジションを取る場合には来週早々に取引した方がよいです。

(Bloomberg)来週の円相場はじり高、キャリー取引巻き戻し-日銀利上げ観測は後退
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-19/SGSZW7DWLU6800


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

 

ウィークリーレポート(2024年7月12日)

7月第2週の株式市場は、日経平均+0.68%、NYダウ+1.59%の続伸、ユーロストックス50も+1.28%の続伸となりました。

7/13(土)に、ペンシルバニア州で大統領選へ向け演説していたトランプ大統領が銃撃を受けるという事件が発生しました。大統領(候補) 暗殺未遂というと、1981年3月にレーガン大統領が銃撃され、一命をとりとめる事件がありましたが、その後、支持率は急上昇し、1984年の大統領選では投票人538人中525人がレーガン大統領へ投票するという圧勝でした。
流血しながらも腕を振り上げるトランプ大統領元大統領の力強さに、大統領選の勝利を確信した向きも多く、ブックメーカーでのトランプ大統領の勝率は68%まで急上昇しています。

6/28、バイデン大統領がTV討論会で大きく支持を失い、トランプ元大統領の再選確率が高まった際のマーケットの動きを見ると、米国10年債金利+10bp、NYダウ▲0.06%、ナスダック総合指数▲0.71%と、金利高/株安の反応となっています。トランプ元大統領の元、関税が強化されるならば再びインフレ率が上がるという懸念を反映したものと考えられ、今後も(2016年以降の4年間の様に)、彼の発言に振り回される展開が戻ってきそうです。

さて、改めて、先週のマーケットを振り返ると、7/11に発表された米国7月CPIは市場予想前月比+0.1%に対して▲0.1%と減少、マーケットは9月利下げが確定と判断し急激なドル安となりました。
米国10年債金利は2週続落で前週比▲6bpの4.21%と金利安となっていますが、通常ならば、金利低下は割引現在価値を高めるため、将来の成長をより織り込んでいるグロース株に有利な状況にもかかわらず、NASDAQ総合指数は▲0.38%と反落、これまでのNvidiaを中心とした超大型グロース(ハイテク)相場の変調の兆しのように見えます。
一方で、米国の小型株指数ラッセル2000指数は同日、+3.57%と2023年11月以来の大幅上昇となり(23.12.11 +5.44%)、単純に株売りの流れというわけではなく、物色が大きく変わったとも捉えられます。

日本市場でも、7/12(金)には、日経平均が▲2.45%下落する中、TOPIX構成銘柄は上昇銘柄1316(61%)と過半数の銘柄が前日比プラスになるという珍事が発生しました。1991年以降のデータで、日経平均が2%以上下落、かつ、TOPIX構成銘柄の50%以上が上昇というのは2014年1月6日(大発会)のみです。2014年は大発会後のひと月で約12%の下落となりました。
条件を緩和し、日経平均が▲1%以上下落、かつ、TOPIX構成銘柄の50%以上とすると、1991年以降では17回発生しています。2000年代までは、先物主導の売りがその後の下落相場のシグナルとなっていましたが、2010年代に入ってからは売られ過ぎのシグナルとしてその後反発するケースが多くなっています。

仮に反発するならば、期先配当指数先物が上昇していますので、配当指数先物から計算した配当利回りの平均レンジは44160円~37750円(平均40704円)と前週比で上昇しており、44000円タッチも視野に入ります。
SQを迎えた直後で満期まで日数がありますので、プロテクティブプットやコール買い+先物売りなどガンマロングポジションが良さそうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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ウィークリーレポート(2024年7月5日)

7月第1週の株式市場は、日経平均+3.36%の大幅高、NYダウは+0.66%の小幅反発、ユーロストックス50も+1.74%の反発となりました。

日本市場では今年2月の日経平均に続き、5か月遅れでTOPIXもバブル時最高値2886.50ptを35年ぶりに更新しニュースとなりました。上昇の要因については、7月限コールオプション建玉では行使価格40000円以上に目立って大きな建玉は無く、また日経VI指数も前週比+0.63ptの16.76ptと小幅な上昇に留まっていることからSQに向けてのスクイーズでの株価上昇ではなく、実需の買いだと思われます。
投資部門別売買動向では、6月最終週に海外勢が6053億円の買い越しとなっており(売り方は個人の6532億円)、海外勢の買いに個人が売り向かう、良く見かける上昇パターンとなっており、週明け後もアップサイドへの動きが継続しそうです。
前週のレポートで紹介した配当指数先物を用いた予想レンジでは、43,270円-36,986円となっており、43000円台が上値の上限目途と見ます。

欧州株式市場では、フランスの選挙の結果でルペン氏率いる国民連合の議席が過半数にほど遠い結果となり、フランスのCAC40指数は反発、テクニカル的にもダブルボトムを付ける形となり、また、米国市場ではNYダウは5月高値を奪還できていないものの、NASDAQ総合指数は最高値を更新しており、海外市場も強気一辺倒な環境と言えます。

リスク指標として、米国のハイイールド債と米国債の利回りスプレッドを見ると、3.56%と2022年7月の5.96%の2/3の水準で安定して推移しており、7/1に発表されたISM製造業指数(市場予想49.1、発表値48.5)など一部弱含んでいる経済指標などあるものの、金融市場に波及はしておらず、目下のところ問題はなさそうです。
SQ週の戦略としては、上目線でP40750でヘッジしたプロテクティブプットかC41500コール買いが面白いかもしれません。


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ウィークリーレポート(2024年6月28日)

6月最終週の株式市場は、日経平均+2.56%の反発、NYダウは▲0.08%の小幅安、ユーロストックス50も▲0.27%の反落となりました。
週間で大きく動いたのは金利で、堅調な米国経済指標にFRB高官のタカ派な発言が相次いだことから、米国10年債利回りは前週比14bp上昇の4.39%となりました。海外金利高につられ、また、次回会合で利上げとテーパーリングが意識されることも併せて日本の10年債利回りも8bp上昇の1.057%となりました。

日本時間金曜日に行われた米国大統領選のTV討論では、現職バイデン大統領が身動きせず止まっている場面など非常に悪いパフォーマンスが目立ち、民主党大統領候補の選びなおしも話題となってきました。過去の
大統領選のある年のS&P500のパフォーマンスを見ると、選挙までは堅調な推移となることが多く、現時点では下値の心配はまだ早いのかもしれません。

フランスの国民議会選挙では移民排斥などを訴えるルペン氏率いる国民連合が優位に戦っていますが、依然取り上げたようにマクロン大統領との協力姿勢をアピールしていることから第一党となった場合でも、選挙後にFREXITなどを言い出さない限り、混乱は少ないと思われます。

日経平均がボックス相場になった4月以降、横ばいで推移する日経平均とは別に、大阪取引所上場の日経平均配当指数先物(2026年12月限)は676円から760円まで12.43%上昇しています。5月の本決算を受けてもアナリスト予想中央値で表現される市場予想EPSは緩やかな上昇にとどまっているのと対照的に、実際に取引される企業業績の予想値という点でより市場参加者の見通しを素早く反映しているものと思われます(6月末時点でOSE建玉7953枚、SGX建玉10,441枚)。
この配当指数先物を用いて配当利回りを計算し、過去の推移から平均と標準偏差を算出して足元のレンジを推定すると、高値42,937円-36,698円、平均39,573円となり、金曜引け値の39583円がちょうどレンジの中心となります。米国の下値不安も当面なさそうとすると、ストラドルの売りを継続していくのがよいかもしれません。


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ウィークリーレポート(2024年6月21日)

6月第3週の株式市場は、日経平均▲0.56%の反落、NYダウは+1.45%の上昇、ユーロストックス50も+1.73%の反発となりました。
前週取り上げたフランス発の政治リスクについては、極右政党のルペン氏が選挙で勝利した場合でもマクロン大統領に協力すると表明したことにより、フランス株価を中心に欧州株は反発、VTOXX指数は前週高値の22.17ptから一時18pt割れまで低下し、欧州発のリスクオフイベントとはなりませんでした。

(Bloomberg) ルペン氏、マクロン氏と協力する意向表明-投資家や穏健派にアピール
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-16/SF6AKXT0G1KW00

一方、米国市場では株式分割発表以降、8週続伸していたNVIDAが▲4.03%と9週ぶりに下落に転じたことから、NASDAQ総合指数はNYダウが上昇する中+0.00%と前週と変わらずの水準にとどまりました。これまで好調だったAI/半導体関連銘柄が売られる一方で、逆に売られていたNYダウが買われていることから、トレンド転換の潮目というよりはアロケーションの一環に見えます。
ただし、VIX指数は欧州のボラティリティ指数VTOXX指数が反落するのと対照的にじりじりと上昇してきていること、過去の調整局面ではNYダウが好調な中でNASDAQが下落して起こりやすいことを考え卯と、ダウンサイドへリスクヘッジを考えおきたいところです。
日本市場では引き続きETFの分配金捻出売りによる需給悪化がありますので、7月限P38000のカバードプットといいかもしれません。

為替レートは週末に159円84銭と再び160円に肉薄はしてきました。週間ではドルインデックスが+0.23%と3週続伸となっており、新NISAによる円筒投に加えFRBの利下げ観測後退によるドル高が、ドル円レートの上昇を後押ししており、目先トレンドが反転するイベントが見込めない以上、160円突破は時間の問題に見えます。米国金融政策への影響をもたらすような経済指標としては、7/5の雇用統計、7/11のCPIなどありますが、まだ日数がありますので円安にかける賭けるポジションもよさそうです。【2620】iShares 1-3年米国債ETF(為替ヘッジなし)など米国債への投資は、FRBの利下げ観測が高まった場合には債券高によるETFの価格上昇が円高による損失を和らげてくれることが期待されますので円安へのベッドに向いています。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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