マザーズ指数先物の活用方法として、成長株を保有すると同時に先物を売ることにより、ポジションの変動率を下げ、ポジションを長期的に保有し、利益を得ようということを考えてきました。
このようなことを考える際に重要なのは、ヘッジをどのように行うかです。具体的にはヘッジする金額、枚数などをどのように設定するかです。
完全ヘッジ
最初に結論を述べておくと、同一資産から作られるポートフォリオと先物でなければ、完全にヘッジすることはできません。しかし、もし同一資産から作られるポートフォリオと先物を同時に保有した場合、損益のブレは発生しないことになります。
例えば、マザーズ指数のETFを保有し、同一金額のマザーズ指数先物を売り建てすると、損失は発生しませんが、利益も発生しません。これは完全ヘッジと呼ばれます。しかし、例えば、JPX日経400指数に連動するETFを保有しているときに、目先の高値を市場がつけたのではないかと思われるタイミングで、JPX日経400指数の先物をETFと同額分売り建ちすると、そこから市場がどのように動いても、理論的には損益の振れは発生しません。
最小分散ヘッジ
多くのケースにおいて、ヘッジを行いたいポートフォリオが先物と同一の中身で作成されていることはありません。そのような場合、完全ヘッジを行うことはできませんが、ポートフォリオと先物の過去の値動きから、ヘッジ比率を求めるやり方を最小分散ヘッジといいます。マザーズ指数先物の活用方法②でもこの方法でヘッジ比率を計算しました。この方法は計算が簡便です。計算方法は以下のようになります。
その他、将来の動きを想定してヘッジを行う最適ヘッジや、オプションや債券のヘッジを行う際の非線形リスクのヘッジなどがあります。色々なヘッジ方法を試してみて、場合により適切なヘッジ比率を自分なりに探し出すのも相場の楽しみの一つであると言えます。
参考図書:金融工学入門 [第2版] デービッド・G・ルーエンバーガー
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