先物売り・株式買いのロング・ショート
先物の活用方法として、株式を買い、先物を売るポートフォリオが考えられます。このように売り買いを組み合わせることにより、相場自体の変動がポートフォリオから取り除かれるため、ポートフォリオの変動率は現物のみを保有しているよりも、低くなります。
その逆作用として、先物が対象としている市場自身同じように動く部分の上昇からは、収益が得られないということが挙げられます。例えば、売っている先物が10%上昇し、買っている株式が12%上昇したとします。
この場合、株式の買いだけを持っていれば、12%のリターンが得られるのですが、先物の売りと株式の買いにすると株式の買いで12%の収益を得られるのですが、先物の売りで10%の損失が出るため、先物の売り・株式の買いのポートフォリオから得られる収益は12-10で2%となります。
マザーズ指数のトレンド
マザーズ指数は2003年9月12日を1,000ポイントに置き、算出されている指数です。そして2016年8月9日引け現在では900ポイントとなっています。つまり、長期的なトレンドは下落傾向にあると言えます。この傾向は、成長銘柄は他市場に上場市場を変更しますが、成長しない企業が残るという、マザーズの市場特性を表しているのかもしれません。
しかし、そのトレンドは成長株のヘッジにおいてありがたいものとなります。成長株というのは売り上げも利益も株価も伸びる企業の株のことです。成長企業を保有し、一方で、あまり伸びないマザーズ指数を先物で売ることにより、ポートフォリオの変動率を下げながら収益を得るということが出来るようになります。
成長株投資の問題点
成長株は1年で株価が2倍や3倍になることがあります。しかし、多くの方が経験されていると思いますが、そのような成長株を保有していても、少しの利益でその株を売却してしまい、売却後しばらくして、その企業の株価を見ると自分の売却値段から倍になっていたというようなことが起こります。
そのようなことが起こる原因は、成長株の変動率の高さです。変動率が高いと保有することに投資家はストレスを感じてしまうため、最終的には株価が大きく上昇するような企業の株式でも、若干の利益でポジションを閉じてしまうのです。
先物を組み合わせることにより変動率を抑える
そのような成長株投資の問題点を、先物の売りを組み合わせることにより、軽減することが出来ます。もちろんすべての動きを打ち消すことはできませんが、軽減することにより、その株式を長く保有し、利益を多くすることが可能となります。
具体的にはその株と利用する先物の指数の相関を求め、ヘッジ比率を決め、先物売り・株式買いのポジションを作成します。それにより変動率を抑え、収益を伸ばすことを目指します。
マザーズ指数先物の活用方法②では、過去の値動きを使って成長株買いとマザーズ指数の売りの具体例を採り上げます。
本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本 資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会