ETFの種類は日に日に増加し、多種多様なものが見られます。その中にインバースETFと呼ばれるものが存在します。インバースETFとは対象としている指数に対して反対の動きをするETFです。例えば、日経平均株価のインバースETFというと、日経平均株価が前日比で上昇すれば、日経平均株価のインバースETFは逆に同じ割合に近い分、前日比で下落し、日経平均株価が前日比で下落すれば、日経平均株価のインバースETFは近い分だけ上昇します。
インバース指数というものも存在します。日経のサイトから日経平均インバース・インデックスの算出法を見ると以下のようになっています(http://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile?idx=nk225in)。
日経平均の1日の変化率(前日終値と当日終値とを比較して算出)の逆の変化率を、前日の指数値に乗じて算出します。例えば、日経平均が前日比で5%上昇した場合、日経平均インバース・インデックスは5%下落します。
つまり前日比では同じ動きをするのですが、長期的には異なる動きを示します。以下では実例を見てみます。
ここでは日経平均インバース・インデックス(NKYINV)、日経平均株価(NKY)、NEXTFUND日経平均インバース・インデックスETF(1571・以下ETFと呼びます)を使います。各指数の今年の1月4日時点の価格を100として、10月26日引けまで計算したものが以下のチャート①となります(ETFは引値でなく評価額を利用しました)。
赤線が日経平均株価を指数化したもの、灰色が日経平均インバース・インデックス、青色がETFです。日経平均株価は依然として年初来でマイナスですが、よく見ると、日経平均インバース・インデックスもETFも100を割り込み、前年比でマイナスとなっています(チャートではわかりにくいと思われますので、表1を参照ください)。
ここで気になるのは日経平均インバース・インデックスとETFの価格の乖離であると思われます。これは、ETFを作成する部分の作業の影響です。ETFは日経平均株価の逆に動くように、先物の売りを保有します。
実際、日経平均株価が下がると利益が出るのですが、保有しているポジションは小さくなり、そうなると、翌日の動きをトラックできなくなります。そのため、ETFを蘇生している業者は先物の売りを足すというオペレーションを行います。逆に日経平均株価が上昇した場合、先物を買い戻すというオペレーションを行います。このように、翌日のETFの動きを指数に連動させるためには上値を買って、下値を売るというような作業を行わなくてはならなくなります。
そのため、そのオペレーションによる損失が日経平均インバース・インデックスとETFの成績の差を生み出しています。
このような作用が、インバース型のETFは長期保有向きでないといわれる所以です。
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