3月第3週の株式市場は、NYダウ▲4011ドル(▲17.30%)、日経平均▲878円(▲5.04%)と記録的な暴落に見舞われました。この暴落の中、ヘッジファンド大手のミレニアムがトレーディングチームの一部を閉鎖、またシタデル参加の合併裁定ファンドがポジション清算過程で大きなロスを出し、他の合併裁定ファンドまで多くのロスを波及させるなど、世界的な機関投資家も大きな痛手をこうむりました。
・ミレニアム、トレーディングチームを複数閉鎖-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-19/Q7G5ACDWRGG101
・Hedge Funds Betting on M&A Post Losses With Deals in Peril (1)
https://news.bloomberglaw.com/mergers-and-antitrust/hedge-funds-betting-on-m-a-post-losses-with-virus-risking-deals
経験上、どこどこのファンドが大きなロスを出したと堂々と報じられるときは、すでにポジションの解消は終わっていることが多く、ひとまずはコロナショック第1波の下げは終わったと考えてよさそうです。
過去のNYダウの暴落チャートを比較すると、1番底を付けた後は上下2000ドルくらいの激しいBOX相場が3か月ほど続きます。その後、1. V字回復(WW1後)、2. 2番底(世界恐慌、リーマンショック)、3. BOX継続(ブラックマンデー)とパターンが分かれます。
1914年の世界恐慌時は初動の暴落後、数年かけて株価が10分の1まで減少していますが、金本位制だった当時と異なり、世界各国が緊急の量的緩和を実施しているため、恐慌とはならないと考えます。
とは言え、東証REITの投げ売りなど機関投資家の現金需要の強烈さを見ると、今後も、ヘッジファンドなどの解約売りが発生することが考えられ、リーマンショック時のような2番底パターンが考えられます。
また、インバウンド激減以外にも極端な原油安も実体経済へとダメージになりますので楽観的なV字回復も想定しがたく、まだまだ投資には慎重を要する環境が続きそうです。
株価の激動以外に多くのニュースがありましたのでざっくりとまとめすと、
【悪いニュース】
・NY、LAなどレストラン閉鎖
・オーストラリア、NZなど非居住者の入国を禁止、米国は30日間ビザの発給を停止
と、感染拡大に伴う経済圏の閉鎖があります。一方、
【良いニュース】では、
・FRB、日銀、ECBと主要中銀は緊急会合、利下げ、追加緩和を実施。
・3/19 武漢で新規感染者0
などがあげられます。特に、武漢での感染収束は(公表された数値を信じるのでしたら)今後の世界の動向の先行ケースとなりますので、どの程度のペースで収束したのか、収束にともなって株価はどう動いたか、など最も注目が必要です。
麻生氏、中国公表の数字「信用しない方が正しい」…コロナ終息「本当かよ」
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200319-OYT1T50285/