ウィークリーレポート(2024年7月5日)

7月第1週の株式市場は、日経平均+3.36%の大幅高、NYダウは+0.66%の小幅反発、ユーロストックス50も+1.74%の反発となりました。

日本市場では今年2月の日経平均に続き、5か月遅れでTOPIXもバブル時最高値2886.50ptを35年ぶりに更新しニュースとなりました。上昇の要因については、7月限コールオプション建玉では行使価格40000円以上に目立って大きな建玉は無く、また日経VI指数も前週比+0.63ptの16.76ptと小幅な上昇に留まっていることからSQに向けてのスクイーズでの株価上昇ではなく、実需の買いだと思われます。
投資部門別売買動向では、6月最終週に海外勢が6053億円の買い越しとなっており(売り方は個人の6532億円)、海外勢の買いに個人が売り向かう、良く見かける上昇パターンとなっており、週明け後もアップサイドへの動きが継続しそうです。
前週のレポートで紹介した配当指数先物を用いた予想レンジでは、43,270円-36,986円となっており、43000円台が上値の上限目途と見ます。

欧州株式市場では、フランスの選挙の結果でルペン氏率いる国民連合の議席が過半数にほど遠い結果となり、フランスのCAC40指数は反発、テクニカル的にもダブルボトムを付ける形となり、また、米国市場ではNYダウは5月高値を奪還できていないものの、NASDAQ総合指数は最高値を更新しており、海外市場も強気一辺倒な環境と言えます。

リスク指標として、米国のハイイールド債と米国債の利回りスプレッドを見ると、3.56%と2022年7月の5.96%の2/3の水準で安定して推移しており、7/1に発表されたISM製造業指数(市場予想49.1、発表値48.5)など一部弱含んでいる経済指標などあるものの、金融市場に波及はしておらず、目下のところ問題はなさそうです。
SQ週の戦略としては、上目線でP40750でヘッジしたプロテクティブプットかC41500コール買いが面白いかもしれません。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2024年6月28日)

6月最終週の株式市場は、日経平均+2.56%の反発、NYダウは▲0.08%の小幅安、ユーロストックス50も▲0.27%の反落となりました。
週間で大きく動いたのは金利で、堅調な米国経済指標にFRB高官のタカ派な発言が相次いだことから、米国10年債利回りは前週比14bp上昇の4.39%となりました。海外金利高につられ、また、次回会合で利上げとテーパーリングが意識されることも併せて日本の10年債利回りも8bp上昇の1.057%となりました。

日本時間金曜日に行われた米国大統領選のTV討論では、現職バイデン大統領が身動きせず止まっている場面など非常に悪いパフォーマンスが目立ち、民主党大統領候補の選びなおしも話題となってきました。過去の
大統領選のある年のS&P500のパフォーマンスを見ると、選挙までは堅調な推移となることが多く、現時点では下値の心配はまだ早いのかもしれません。

フランスの国民議会選挙では移民排斥などを訴えるルペン氏率いる国民連合が優位に戦っていますが、依然取り上げたようにマクロン大統領との協力姿勢をアピールしていることから第一党となった場合でも、選挙後にFREXITなどを言い出さない限り、混乱は少ないと思われます。

日経平均がボックス相場になった4月以降、横ばいで推移する日経平均とは別に、大阪取引所上場の日経平均配当指数先物(2026年12月限)は676円から760円まで12.43%上昇しています。5月の本決算を受けてもアナリスト予想中央値で表現される市場予想EPSは緩やかな上昇にとどまっているのと対照的に、実際に取引される企業業績の予想値という点でより市場参加者の見通しを素早く反映しているものと思われます(6月末時点でOSE建玉7953枚、SGX建玉10,441枚)。
この配当指数先物を用いて配当利回りを計算し、過去の推移から平均と標準偏差を算出して足元のレンジを推定すると、高値42,937円-36,698円、平均39,573円となり、金曜引け値の39583円がちょうどレンジの中心となります。米国の下値不安も当面なさそうとすると、ストラドルの売りを継続していくのがよいかもしれません。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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ウィークリーレポート(2024年6月21日)

6月第3週の株式市場は、日経平均▲0.56%の反落、NYダウは+1.45%の上昇、ユーロストックス50も+1.73%の反発となりました。
前週取り上げたフランス発の政治リスクについては、極右政党のルペン氏が選挙で勝利した場合でもマクロン大統領に協力すると表明したことにより、フランス株価を中心に欧州株は反発、VTOXX指数は前週高値の22.17ptから一時18pt割れまで低下し、欧州発のリスクオフイベントとはなりませんでした。

(Bloomberg) ルペン氏、マクロン氏と協力する意向表明-投資家や穏健派にアピール
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-16/SF6AKXT0G1KW00

一方、米国市場では株式分割発表以降、8週続伸していたNVIDAが▲4.03%と9週ぶりに下落に転じたことから、NASDAQ総合指数はNYダウが上昇する中+0.00%と前週と変わらずの水準にとどまりました。これまで好調だったAI/半導体関連銘柄が売られる一方で、逆に売られていたNYダウが買われていることから、トレンド転換の潮目というよりはアロケーションの一環に見えます。
ただし、VIX指数は欧州のボラティリティ指数VTOXX指数が反落するのと対照的にじりじりと上昇してきていること、過去の調整局面ではNYダウが好調な中でNASDAQが下落して起こりやすいことを考え卯と、ダウンサイドへリスクヘッジを考えおきたいところです。
日本市場では引き続きETFの分配金捻出売りによる需給悪化がありますので、7月限P38000のカバードプットといいかもしれません。

為替レートは週末に159円84銭と再び160円に肉薄はしてきました。週間ではドルインデックスが+0.23%と3週続伸となっており、新NISAによる円筒投に加えFRBの利下げ観測後退によるドル高が、ドル円レートの上昇を後押ししており、目先トレンドが反転するイベントが見込めない以上、160円突破は時間の問題に見えます。米国金融政策への影響をもたらすような経済指標としては、7/5の雇用統計、7/11のCPIなどありますが、まだ日数がありますので円安にかける賭けるポジションもよさそうです。【2620】iShares 1-3年米国債ETF(為替ヘッジなし)など米国債への投資は、FRBの利下げ観測が高まった場合には債券高によるETFの価格上昇が円高による損失を和らげてくれることが期待されますので円安へのベッドに向いています。


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ウィークリーレポート(2024年6月14日)

6月第2週の株式市場は、日経平均+0.34%の続伸、NYダウは▲0.54%と反落となりました。
欧州議会選挙で右翼政党に大敗しマクロン大統領が国民議会(国会下院)を解散したフランスのCAC40指数は▲6.23%と大幅下落し、年初来マイナスに。フランス株安につられる形でドイツ他欧州株もや安く、ユーロストックス50▲4.20%はと大幅下落し、VSTOXX指数は前週比+6.58ptの19.86ptへ跳ね上がっています。過去の経験上、ボラティリティ指数が多きく跳ねた際は、他の地域に伝播することが多いため、今月末6月30日に行われるフランスの解散総選挙と来月7月7日の決選投票の行方次第では荒れた展開となりそうです。

フランス議会 解散選挙へ 欧州議会選 極右政党 大勝の見通しで | NHK | フランス
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240610/k10014475971000.html

一方で、NASDAQ総合指数は下落する欧州株をよそに3.24%と大幅に続伸しており、米国10年債利回りも21bpの大幅低下になるなど、現時点ではグローバルに資産価格が下落するといったリスクオフではなく、あくまで欧州⇒米国/その他地域へのアローケーションの変更にとどまっているように見えますので、過度の警戒は必要ないように感じます。

さて、FOMCで公表されたドットマップでは年内利下げが1回と減少も来年3回と増え、朝三暮四の見通し変更でしたがマーケットはボラティリティが低下し好感的に受け止めたようです。また、翌日のPPIが前月比▲0.1%と市場予想に反してマイナスとなったことからも利下げ観測を強めこととなり、米国10年債利回りは前週比20bpの4.22%と大幅に金利が低下しました。
日銀政策決定会合、事前報道と異なり次回会合(7/31)で”相応の規模”の国債買い入れ減額を示すにとどまったことから債券は上昇(金利低下)、ドル円は一時158円を超えて円安進行しました。会合後の記者会見では、”7月会合までの情報次第で短期金利引き上げは当然あり得る”との発言もありましたが、米国金利の低下、日銀の引き締めにもかかわらず、足元では継続して円安が進行しておいます。1990年の高値を抜けるとプラザ合意前の円安水準までテクニカルなチャートポイントが無いことから、当時の高値160円20銭が意識されており、これを抜けると一気に円安が加速しそうです。
トレードアイデアとしては為替に敏感な株式という手もありますが、円安にベットするにはやや迂遠に思えますので、米国債買いがシンプルで分かりやすくよいです。

株式市場では、引き続きETFの分配金捻出売りを念頭にカバードコールが良さそうです。また、対米国株でのパフォーマンスで、TOPIX売り/米株ETF買いという手もよさそうです。


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ウィークリーレポート(2024年6月7日)

6月第1週の株式市場は、日経平均+0.51%、NYダウは+0.29%と反発、ユーロストックス50+1.36%と3指数とも反発となりました。
週末に発表された米国雇用統計では雇用統計は市場予想+180Kに対して+272Kの大幅な雇用者増となり、それまで年内おFRB利下げ期待を織り込んでいた債券市場は反落、10年債利回りは+14bp上昇となりました。週間ではそれまでの利下げ期待で下げていた部分が大きく、10年債金利は6bp低下し4.43%となりました。

週末の雇用統計はサプライズでしたが、一週間を振り返ると年内のFRBの利下げの思惑から株高となりS&P500とNASDAQは最高値更新となり、ゴルディロックス相場の様相となっています。
週明けのFOMC(6/13 早朝)、6/14日銀政策決定会合とイベントウィークになります。FOMCに関しては、6月会合での利下げは織り込まれておらず、9月以降の会合での利下げへの言及の有無が焦点となりそうです。FOMCに先立ち6/12(火)の5月CPIの発表がありますので、ここでもさらにボラタイルな展開となりそうです。

一方、日銀政策決定会合については、6/4(火)に国債購入減の観測報道が流れましたが、インパクトは一時的で、その後の米国債券市場の利回り低下に追随する形で、米国雇用統計前の時点で週間ベース9bp低下の0.976%となっていました。海外金利の動向につられる形で、日本市場の独自の動きはなく、生産政策変更可能性の織り込みは不十分に見えますので、仮に大幅な減額が提示されるなら大きくなネガティブ方向へのサプライズとなります。

前週のレポートで述べた日経先物のカレンダースプレッドは、前週比▲2円の▲11円に落ち着きましたが、依然として高止まりしており、長期投資家の買いロールの裏で短期筋がショートに回っているようならば、SQのスクイーズが期待できますが、SQ後は6月下旬に向けて毎年恒例のETFの分配金捻出売りが意識され、一転して、上値の重い展開も予想されます。昨年は計1兆1600億円と推計されていました。

(Bloomberg)日銀、早ければ今月会合で国債購入減額を具体的に検討も-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-04/SEJJB3DWRGG000

FRBの利下げ期待による米株高と、ETFの分配金捻出売りに挟まれ、引き続き方向感の乏しい相場が予想されますので、6月限の運試しコール買いはともかく、7月限はカバードコールが良さそうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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