みんな気になる仮想通貨のお話 ①

株式市場で話題になっている仮想通貨ですが、詳しく知られていないまま関連銘柄が買われていたりします。今回は仮想通貨市場がどのようになっているか見てみます。

 

仮想通貨市場

仮想通貨全体を見られるサイトにCryptoCurrency Market Capitalizations(https://coinmarketcap.com/ )があります。このサイトにアクセスしていただいてまず見ていただきたいのは左上です。執筆時点(7月6日)では805currenciesとなっており、仮想通貨数は805にも上ることが分かります。

次に見ていただきたいのは4406Marketsというところ。これは世界中で仮想通貨を取引できる取引所が4406あるということになります。

最後に見ていただきたいのがMarketCapで1千億ドルです。つまり、世界の仮想通貨の市場規模は11兆円となっているということが分かります。これが大きいと見るか小さいと見るかは見解が分かれますが、今後もどんどん市場が成長するとの見解もあります。


(Cryptocurrency Market Capitaizationsより) 

ブロックチェーン

仮想通貨とは何かを話す時、ブロックチェーンという技術を無視して話すことはできません。これまでウェブ上では信頼された第三者が何かを証明しなければなりませんでした。例えば、ウェブ上で決済を行う際にはクレジット会社などが仲介していました。しかし、ブロックチェーンではこれが分散されたコンピュータによって行われるため、力を持つ第三者がそれを証明する必要が無くなります。

そしてその証明を行うために多くのコンピュータがつながるための動機として仮想通貨が発行されます。

 

ビットコイン

そのようなブロックチェーンの仕組みをはじめに考えたのがSatoshi Nakamotoと名乗る謎の人物です。この人物がだれか、いまだ特定されていません。ちなみに日本の名前ですが、日本人ではないと言われています。この人物が考え作り出したのがビットコインです。

ビットコインのブロックチェーンは10分に1回、そのやり取りを記録します。そして、つながったPCの中で最も計算が早かったものに報酬としてビットコインを与えます。このようにして発行されるビットコインは約4年おきに少なくなります。当初は1回50BTCでしたが、現在はその4分の1の12.5BTCとなっています。そしてビットコインの発行上限は当初から2,100万BTCとなっております。

 

ちなみに筆者が最も理解しやすかったビットコインの仕組みの解説は仮想通貨取引所Zaifを運営するテックビューロ社の朝山貴生代表取締役の記事でした。

誰も教えてくれないけれど、これを読めば分かるビットコインの仕組みと可能性

http://jp.techcrunch.com/2015/03/31/bitcoin-essay/

 

アルトコイン

一番初めに出来た仮想通貨ビットコインでしたが、その後、様々なブロックチェーンが登場します。それらはアルトコインと呼ばれます。それらはビットコインとは異なる特徴を持っています。そして、ビットコインのスケーリング問題(後述)が大きく取り上げられ始めると、オルトコインへと資金が向かうようになりました。

 

先ほどのCryptoCurrency Market Capitalizationsのページに戻り、中央上のBTC Dominaceという数値を見てください。執筆時点では42.4%となっています。これは仮想通貨市場全体に占めるビットコインの時価総額の割合を表しています。数値をクリックするとその変遷がチャートとして現れます。2016年は80%超をビットコインが占めていたのですが、2017年に入りその割合が一気に低下しました。

 

時価総額2位のEthereumは様々なプロジェクトを載せられるプラットフォームとなっています。ここ最近話題となっているICOもこのプラットフォームを使って行われており、現在、最も色々なプロジェクトを載せているブロックチェーンとなります。ちなみにイーサリアムは発行上限がありません。

時価総額3位のRippleは現在、時間のかかる外貨送金の時間を短縮するものです。Rippleの仮想通貨XRPは先ほど言ったような報酬として与えられるものではなく、リップル社が保有しているものを放出する形となっています。そのため、厳密にいうとブロックチェーンではないと評価されます。発行上限は1,000億です。

 

そのほか様々な仮想通貨があり、ここにビジョンが異なります。そのため、今後どのブロックチェーンが成長するかということを予想して投資家の資金が流入しているという面があります。

仮想通貨投資のもう一つの面として、現在中央銀行により発行される通貨が信用できるのかということがあります。現在の通貨は中央銀行によりどんどん刷られます。しかし、仮想通貨は発行枚数が決まっているものが多くなっています。

 

将来性

政府がブロックチェーン技術を採り入れるなどの報道を見ていると、ブロックチェーンは本当に革新的な技術のようです。一方で、仮想通貨に関してはどのように評価してよいものであるか、価値がどのようなものであるかは、意見が分かれるところです。

 

取引所

世界に4406の取引所があると先ほど述べましたが、日本にも多くの取引所が存在します。その主要なものを挙げておきます。

 

bitflyer / ビットコインとイーサリアムが売買できる取引所。手数料は0.01%~0.15%。

coincheck / ビットコイン、イーサリアム、リップル他、12種類の通貨が取引できる。

Ziaf / ビットコイン、NEM、Monacoinなどが売買出来る。取引手数料は‐0.01%。

 

ここで一つ言えるのは、仮想通貨の取引所は手数料率が低く、あまり利益を得られていないということです。例外はCoincheckで、アルトコインの売買をマーケットメーク制度で行っており、利益が上がっていると見られます。また今年の秋ごろからSBIが取引所を開設するようです。



本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本 資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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半導体のここまでの上昇要因と今後の見通し(2017年7月 マンスリー特集)

 これまで株価の上昇をけん引してきた半導体関連株が世界的に調整に入っています。押し目を買うか否か、迷うところです。ここでは、これまでの上昇要因と今後の見通しを示します。

これまでの上昇要因
半導体需要の高まりの要因は、スマートフォンの高性能化なども挙げられますが、一番の要因とみられるのはサーバー向けのSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の需要の増加です。
 
 サーバーというのは簡略化して言うと、プログラムを置いておき、常時ウェブにつなげられる場所です。例えば、ウェブサイトをご覧になられるとき、その情報はサーバーに置かれています。そしてそのサーバーは常時稼働しており、いつ、ウェブサイトにアクセスしても閲覧できる状態になっています。
 例えば、その情報をPCに置いていて、ウェブサイトを開設しようとすると、常時そのPCを付けておかなければなくなりますが、サーバーにお金をいくらか支払っておくと、ウェブサイトを常時稼働させることが出来ます。

 SSDとは記録媒体のことです。皆さんがPCやスマホを使われる際に、写真を保存したり、文章を保存するのが記録媒体です。そして、これまでその記録に多く使われていたのがHDD(ハード・ディスク・ドライブ)でした。HDDは磁気ディスクを高速に回転させ、データを書き込みます。HDDは大容量で安価なのですが、読み書きに時間がかかり、ディスクを回転させて読み込むため衝撃に弱く、動作音も大きくなります。
 一方でSSDは不揮発性半導体メモリです。不揮発性というのは電源を供給しなくても保存できる意味で、つまり、電源を切っても記録したことを忘れないということです。不揮発性半導体メモリは大容量化がなかなかできませんでしたが、これまで平らにしか並べられなかったものを縦にも積み重ねることが行われ、大容量化、書き込み速度の向上、省電力化に優れたものが作られました。それが3DNANDフラッシュと呼ばれます。

 容量当たりの価格は依然として高いのですが、データの読み書きが早く、消費電力が少ないということで、サーバーをSSDに切り替える向きが多くなり、需要が高まっているというのが、足元の需要増の要因のようです。

 それに加えて、人工知能・機械学習やVR、ブロックチェーンなど高いコンピューティング力を必要とする技術の発展も要因です。これらに共通することとして、GPUを活用するという点です。GPUは元々、映像を映し出すためのみに使われていました。

 これまで、PCによる演算と言えばCPUだったのですが、同時に計算を行える回数が少ないため、人工知能の演算などに非常に時間がかかっていました。そこでコア数が多いGPUを使って計算してしまったら早いということで、GPUも併用されるようになりました。
 また、ここのところよく名前が聞かれるビットコインなどのブロックチェーンもGPUによる計算により維持されており、ニーズが高まっています。

 このような技術の変化により半導体へのニーズが高まり、関連株価が強くなったと言えます。問題は今後も需要が継続するのかでしょう。

今後の見通し
 半導体の需要見通しに関して、WORLD SEMICONDUCTOR TRADE STATISTICS(以下WSTS)の2017年春季半導体市場予測会議の予想を見てみます(値は6月6日発表)。
 世界の半導体市場の成長率は2015年‐0.2%、2016年+1.1%、2017年(以降予想値)+11.5%、2018年+2.7%、2019年‐0.2%となっています。

 この数値を見ると成長率のピークは今年であり、来年以降、市場の成長率は減速する見通しです。足元、投資家は市場の拡大は今年までと見て、利食い売りを出していることが分かります。
 
 ここから、半導体関連は多少のリバウンドを見せることはあれ、この見通しの認識を変えるような材料がない限り、半導体関連銘柄が上昇トレンドに戻るとは考えにくいと見られます。
逆に、そのような材料が出た場合(例えば受注が一段と伸びるなど)の、反発は大きくなるため、決算発表時の受注数値などを上手く活用したいところです。

参考資料
GMOクラウドアカデミー SSDはなぜ高い?ディスクについて(後編)
https://academy.gmocloud.com/know/20150518/613 

Tintri 3DNANDフラッシュとは
http://tintri.co.jp/article/3d-nand 

メモリの大革命 3次元NANDフラッシュ
http://success-int.co.jp/pdf/article_04.pdf

日経テクノロジーonline
2016年の半導体業界を振り返り、2017年を占う
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/280894/121500016/ 

WSTS2017年春季半導体市場予測について(2017年6月6日(火)プレスリリース分)
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/wsts/docs/20170606WSTS.pdf



本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本 資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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足元安値に近い銘柄は(2014年7月1日~2017年6月30日)?

 足元、株価は上値を責める展開となっています。今回は視点を変えて、このような堅調な市場環境においても安値に近い銘柄をピックアップしてみました。価格を取った期間は2014年7月1日~2017年6月30日までで、レシオというのは(現在値-安値)/(高値-安値)をパーセンテージ表示しました。

9505 北陸電力

9424 日本通信

2931 ユーグレナ

6624 田淵電機

2193 クックパッド



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2017年6月のIPO

現時点で決定している6月のIPOは6件です。

価格が決定している2件は共に仮条件の上限で決定しており、市場の好調さが窺えます。



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串カツ田中(3547)月次報告チェック

前月に調査した串カツ田中が月次報告書を発表していたのでチェックします。

昨日(6月5日)引け後、串カツ田中の月次報告が発表されました。店舗数は直営店が前月比1店舗増加、フランチャイズ店が1店舗増加で合計2店舗の増加となりました。既存店売り上げは前年同月比99.3%と、ここ3か月維持してきた100%を割り込みました。全店の売上高、客数も減少と若干弱い数値となりました。



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