ウィークリーレポート(2024年5月17日)

5月第3週の株式市場は、日経平均+1.87%、NYダウは+1.24%と続伸、ユーロストックス50▲0.41%と続落となりました。
米国10年債金利は▲7bpの3週続落で4.37%となった一方、日本10年国債利回りは8週続伸で0.95%と昨年11月以来の水準まで上昇しており、日米の金融政策の方向性の違いが顕著に表れていますが、内外金利差の縮小にもかかわらず為替レートは155円台で安定しています。

5/14には、2021年のミーム株ブームで有名になった米国の投資家Roaring Kitty ことKeith GillがXへの投稿を3年ぶりに再開したことをきっかけに、ゲームストップ株(GME)が急騰する事態となりました。2021年1月のGME株の急騰後、直接の関係はないですが、3月にはヘッジファンドのアルケゴスが破綻し、野村証券やクレディスイスなどに大きな損失が発生したことから、ミーム株のブームには何かしら縁起の悪いイメージがあります。
2021年当時は、コロナ禍での給付金により個人投資家の資金が潤沢だったこともあり、マーケット全体はスクイーズされており、GSのMOST Short Rolling指数が大幅に上昇していたところで、米国のインターネット掲示板Redditを中心としたミーム株ブームが発生しました。既にショート勢が痛んでいたところへのダメ押しとなったわけですが、翻って、今回は、MOST Short Rolling指数の上昇も限定的で、かつてのような大きな動きにはならないとみられます。

発表された米国物価指標は、米国PPI +2.4%(市場予想:+2.3%)、米国PPI +3.6%(市場予想:+3.6%)と決して市場予想をいい意味で裏切るような好数値ではありませんでしたが、マーケットは債券高/株高で反応し、NYダウは史上最高値を更新し、金曜日には終値で40000ドルを超えました。好調な米国景気/企業決算+年内のFRB利下げ期待という事で、期待先行でゴルディロックス相場となっています。
米国市場の上昇牽引で日経平均も連れ高、40000円回復が期待されますが、4月以降の投資部門売買別動向では年初からの海外勢の猛烈な買いはいったん収まっており、日本株が上昇するにしてもマイルドなものになると思われますので、カバードコール戦略がいいかもしれません。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2024年5月10日)

5月第2週の株式市場は、日経平均▲0.02%とほぼ変わらず、NYダウは+2.16%と4週続伸、ユーロストックス50も+3.32%の上昇となりました。

雇用統計以来の利下げ期待によるリスクオンモードが継続し株高基調となっていますが、日本株は出遅れています。対外体内証券投資で見る海外からの株式投資は、~5/3の週に2688億円の2週連続買い越しとなっており、海外勢の日本株投資が止まったわけではなさそうですが、それ以上に欧米株が先行して買われているようです。
さて、5月といえば、Sell In Mayの格言で例年、急落に警戒する記事などが出回りますが、昨年は米国債務上限問題が危機的と言いながらもギリギリで問題が解消され、その後株高となりました。

ウィークリーレポート(2023年5月12日) – TRADING FLOOR (kosei.co.jp)
https://kosei.co.jp/wordpress/?p=18584

今年は目立ったリスクイベントはありませんが、バリュエーション面で余裕のあった昨年と違い、予想PERから見たむしろダウンサイドに気を付けた方がいい水準で、むしろ警戒感のない時ほど警戒が必要かもしれません。
一方で、日銀短観での大企業の想定為替レートは140円47銭とスポット価格よりも10%近く低く、決算シーズンを迎え、輸出企業を中心にEPSが上昇するようならば、逆に株高の追い風となります。
高いバリュエーションに企業業績が追い付いてくるのを待つ状態で一進一退と見込み、ストラドル売り+ヘッジのオプション買いといった戦略が考えられます。


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ウィークリーレポート(2024年5月2日)

5月第1週の株式市場は、日経平均+0.79%と反発、NYダウは+1.14%と続伸、一方、ユーロストックス50は▲1.71%と反落になりました。

ドル円為替市場では、前週レポートの予想とは」裏腹に為替介入が実施され、一時160円を超えた為替レートも153円台まで円高が進行し、金曜日に発表された米国雇用統計の弱さから一時151円86銭まで円高となりました。為替レートの動きに対して、短期的には日本株は円高=株安と反応しているものの、その後、米国株が上昇するにつれ上昇に転じました。
雇用統計の弱さから再燃したFRBの利下げ期待ですが、経済指標のスケージュールでは5/14のPPI、5/15のCPI発表まで大きな指標発表が無いことから、債券高/株高は当面継続しそうです。週明けの日本市場はSQ週となっており、短期のPUT売りがうまくいきそうです。

さて、マーケットは利下げ期待=株高という反応を指名していますが、これまでの過去の経験則ではFRBが利下げを行うときは、すでに景気後退入りがはっきりしており手遅れといったケースがほとんどで、利下げ=株安という過去のパターンがしっかりと残っています。
4月のマーケットでは、米国REIT市場が軟調となっており、中でも物流・倉庫REIT指数が▲19.08%と大に下落しています。コロナ過を期に、商業用オフィスのREIT価格は大きく下がる一方、ネット通販など在宅での消費需要増から倉庫REITは大幅に上昇しており、ちょうど両社が均衡する形となっていましたが、ここにきてREIT市場を牽引していた(下支えしていた)倉庫REITが軟調になると、米国の不動産市況及びそこへ貸し出しが怪しくなってきます。
とはいえ、投資適格級未満の銘柄への債券に対して、米国債から上乗せされるハイイールドスプレッドは、年初の3.71%から3.34%まで低下しており、現在のところ貸し出し資金の不足といった状況は確認できておらず、今のところ米国初の不動産不況といったリスクシグナルは確認できていませんが、今後、注意が必要です。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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ウィークリーレポート(2024年4月26日)

4月第3週の株式市場は、日経平均+2.34%と反発、NYダウは+0.67%、ユーロストックス50+1.80%もそろって上昇となりました。
4月は残り1営業日で、これまでの月間騰落率を見ると、日経平均▲6.03%、NYダウ▲3.94%、ユーロストックス50▲1.51%と反落、一方債券市場では日本国債10年利回りが+16bp、米国債10年利回り+46bpの上昇となり、金利高/株安の流れとなっています。直近で似たような状況としては昨年2023年の7月-10月の動きが参考になりそうで、同期間では2週間サイクルの上下を繰り返しながらNYダウは▲9.39%下落、ナスダック総合指数は▲13.17%の下落となっています。
日経平均株はいまだ2012年4月からのコースを歩んでおり、引き続きダウンサイド33100円までの下落に注意が必要です。

4/26の日銀政策決定会合後の総裁の会見では、3月会合でYCC撤廃したものの緩和的な姿勢を継続するものと受け止められ、円は急落し、日本市場が祝日の4/29には、1990年6月の高値160円20銭の直前、160円17銭まで円安が進行しました。2022年の介入時には年初から20円以上の急速な円安への措置として介入が実施されたわけですが、ハードカレンシーである日本円へ介入は急激な為替レート変動へのスムージングとしてのみ行われます。
水準としては前回介入時の150円台を超えていますが、「為替レートと一定の水準に抑えることが目的ではなく、あくまで急激な為替レート変動を抑える」ことが口実となっていますので、前回介入時の”急激な”動きを参考にすると、200日線から15%乖離の170円37銭あるいは年初から25%上昇の176円30銭あたりが目途になりそうで、170円までは抵抗なく円安が進む可能性があります。
円安の基底には、貿易赤字・新NISAによる海外へに資金流出、日米金融政策の方向性の違いがあり、仮に介入があったとしても、これらのベースラインが変更ない限り円安は続くとみており、逆に言えば、貿易収支の急激な黒字化や日銀のタカ派転換などがあった場合は、トレンド転換を意識した方が良いです。


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ウィークリーレポート(2024年4月19日)

4月第3週の株式市場は、日経平均▲6.21%と大幅安、NYダウは+0.01%とほぼ変わらずでしたがナスダック総合指数は▲5.52%と大幅下落、ユーロストックス50も▲0.75%と欧米市場も続落になりました。
前週レポートでは“イスラエル側からさらに反撃があるのか、予測の難しい状況ですので警戒は必要”としていましたが、4/19日本時間ザラ場中にイスラエルがイランへドローン攻撃を行い、一時、前日比▲1369円となりました。その後、イラン側が、「他国から攻撃されたことはない」と黙殺する姿勢を示したため、株価は反発となりましたが、日本時間中に下落をすべて回復するには至りませんでした。

日経平均株価の年初からの騰勢と4月以降の弱さは、2012年と同じコースを辿っており、このまま過去のチャートをトレースするならば安値33,100円までが視野に入ります。
12か月予想EPSを基にしたヒストリカルレンジは30797円~35828円となっており、仮に33,100円まで下落しても、昨年末からのオーバーバリューが解消され健全なレンジに回帰したとも言えます。一方、年初からの騰勢で出遅れていたTOPIXは同レンジ2517pt~-2907ptとなっており、これまでの株高で株売り/債券買いのリバランスを行っていた年金等の長期資金は、TOPIX 2500ptあたりから買いに回るのではないかと思われます。
テクニカル的には26週線2518pt(日経平均 35943円)がサポートになるのではないでしょうか。
ストラテジーとしては、燻るインフレ高止まりと地政学リスクから大きなリバウンドは期待できそうにないため、OTMのコール売り/プット買いのリスクリバーサルが良さそうです。


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