2月最終週は日経平均+0.83%、NYダウ▲0.02%とまちまちの展開となりました。
懸案であった米中貿易摩擦に関する閣僚級協議は、合意には至らなかったものの、米国は追加関税の引き上げを見送り貿易協議を継続するという結果となり、ひとまずは市場に安心感をもたらしました。
白黒はっきりさせる決着とはならず、なにか有耶無耶にされている感もありますが、交渉事はさておき実体経済に目を向けると、
・2/28 米国9月-12月期GDPは市場予想2.2%を上回る+2.6%
・2/28 中国財新製造業PMIも市場予想48.5に対して49.9と改善
と、引き続き堅調な米国経済と、回復傾向が見えてきた中国経済といった姿が見えてきました。
米中貿易摩擦は継続しており、また日米物品協定も今後控えているなど、政治面での不透明際は残るものの、大きな政治イベントはひとまず通過したことから、ウィークリーレポート(2019年2月8日)で掲載した図で示したように、3月下旬まで22500円を目指して緩やかな上昇となりそうです。
今後の注目イベントとしては、3月21日に開催されるFOMCを挙げます。昨年末からの株価下落を止め、反発の原動力となった理由の一つしてパウエル議長のバランスシート縮小見直し発言がありました。主要国のマネタリーベースをドル建て合算したチャートを見ると、(縮小するとは言いましたがまだ実施していないので)2月末は再び減少傾向となっており、3月のFOMCで縮小ペースをどれだけ鈍化させる見通しを出せるかが焦点となりそうです。実体としてはマネーが縮小しているのにも関わらず政策変更期待で株価が上がってきただけに、市場期待が裏切られた場合の反動は大きいでしょう。
とはいえまだ3月に入ったばかりですので、3/21までは気にせずに株価の回復にベットするのがよさそうです。