今週の市況
イエレンFRB議長の講演を週末に控え、株価は世界的に小動きとなりました。イエレン議長以外の連銀関係者の発言は「利上げの環境は整った」との見方が多く、週末にかけては利食いの売りが多くなりました。日経平均株価は前週末比-1.12%の16,360円で1週間の取引を終えました。
前週末に産経新聞が黒田日銀総裁のインタビューを掲載しました。内容はさらに緩和政策を行う余地があるとのものでした(記事リンク:)。それを受け、週明けのドル円は101円近くまで円安に動きましたが、発言の効果は長続きせず、よく火曜日には100円を一時的に割り込みました。その後、ドル円は100円半ばで推移しています。
経済指標では米国の新規住宅販売件数が想定外の大きな伸びとなったほか、耐久財受注も堅調な値となりました。
セクター別では空運、電気ガス、陸運など内需ディフェンシブが戻る一方で、鉱業、水産農林、石油石炭の下落が大きくなった。先週指摘したようにヘッジファンド解約時期が終わり、それまで売りがきつかったセクターが戻り始めていることが分かります。
スタイルインデックスでは、東証2部指数やTOPIXスモールは相対的に強くなりましたが、同じ小型株でも、マザーズ指数はスタイルインデックス中で下落トップと、相変わらず冴えない展開が継続してます。
来週の見通し
今晩のイエレン議長の講演に注目が集まっています。現在、市場は年末に一回の利上げを、米国の金融政策に関して織り込んでいます。しかし、市場参加者は、ここのところ雇用環境も良く、9月と12月の2回利上げが行われるのではないかという可能性を探り始めています。強気のFRB関係者は、今週も「9月の利上げも可能」という旨の発言を行っています。イエレン議長は元々、強気派ではないため、9月に利上げを行うというような発言を講演で行うことはないでしょうが、景気指標が良好であれば9月の利上げにも行える環境にあるため、その可能性を否定するようなことはないでしょう。9月利上げの可能性が上がればドルは強くなるため、日本株にとっては年末に向け良い材料となるでしょう。
来週は月末と月初が重なるため、経済指標が多く発表されます。また、9月4日、5日には中国の杭州でG20サミットが行われます。前回のG20では各国とも財政支出も行いながら、景気を支えて行こうとの目標を掲げました。G20がそれを実行に移せるのであれば、世界景気にとってこれほど良いことはありません。しかし、これまでG20は何らかのことを決め実行できた試しがありません。G20が、今回初めて世界経済にインパクトを出せるのか、その点に注目してG20サミットを見守りたいところです。
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