株式市場概況
TOPIXは前週末比-2.03%、前月比-1.48%の1,512.6ポイント、日経平均株価は前週末比-1.83%、前月比-1.1%の18,909ポイントで取引を終えました。ドル円は横ばい展開、米国株は小幅上昇の展開でしたが、日本株は独歩安となりました。
週間のセクター動向では、原油の反発から石油・石炭が上昇率トップ、それに電気機器、鉱業などが続きました。下落率上位は証券・保険、パルプ紙、保険となりました。スタイルインデックスではマザーズ指数、東証2部指数のみが上昇し、その他は下落となり、バリュー、ミッド400、コア30などの下落が大きくなりました。
個別株のチャートを見ていると、トランプラリーをけん引した銀行株が100日移動平均を割り込み始め雰囲気が悪くなっている感じを受けます。また、市場動向の先行指標と言われる野村証券株も100日移動平均線を下回ってきており、相場の雰囲気の悪化が感じられます。
これは海外投資家の売りが影響していると考えられます。3月最終週の投資部門別売買状況はまだ発表されていませんが、1月初めからの海外投資家の先物と現物を合わせた売り越し額は2兆円に迫っています。また、海外投資家は日本国債も売り始めているのも気にかかります。
日本の経済指標では小売売上高(2月、前年比)は+0.1%と前月の+1%から伸び悩みました。失業率は+2.8%(前月+3%)と22年ぶりに2%台まで低下しました。全世帯別家計調査、支出(2月、前年比)は-3.8%(前月-1.2%)となりました。前月比では+2.5%と2ヵ月連続の増加となっていますが、前年比での伸び悩みを見ると、消費の伸び悩みは深刻なようにも感じられます。
米国の経済指標では製造業PMI(2月)が53.4と前月の54.2から低下する一方で、消費者信頼感(3月)は125.6(前月114.8→116.1)と16年ぶりの水準となり、消費意欲が強くなっていることが示されました。
今後の見通し
今年も速いもので初めの1四半期が終わりました。TOPIX指数は-0.4%、日経平均株価は-1.07%、東証2部指数は+14.65%、ジャスダック指数は+8.72%、マザーズ指数は+13.6%となりました。大型株は伸び悩んでいるものの小型株は堅調となっていることが分かります。海外投資家の大部分は大型株のみを保有しているため、先にも述べた2兆円の売りが大型株の上値を重くしているのでしょう。一方で日銀のETF買い越し金額は年初来で1兆6,339億円となっており、海外勢の売りをほとんど日銀が買ったということが分かります。積極的に上値を買ってくれる海外勢が、第2四半期は買いに転じてくれるのかというのが今後の日本の株式市場の行方を見る上で非常に重要になります。
その要因になるのは森友問題の終焉かも知れません。当初重要視されていませんでしたが、このところ海外紙でも報道されているようです。アベノミクス期待で買っていた投資家にとって政治リスクはポジションを落とすきっかけになっているかもしれません。
そのほか気になるのは米国のトランプ大統領の動向です。オバマケアの代替案は成立せず、議会との軋轢が目につくようになっています。トランプ大統領の政策実行力に疑問が生じており、トランプ大統領の支持率も今週は一時35%まで低下しました。市場のトランプ大統領への期待がいつ失望に変わるのか、その辺りは気を付けたいところです。
各種レポートによると、4月は海外投資家が買いを入れやすい月であるようです。上記のような不安材料を打ち消すような相場展開となることが期待されます。
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