債券相場は下落。この日、日銀は金融政策決定会合で政策金利の据置きを決め、想定通りの内容に相場への影響は限定的だったが、15時30分からの植田総裁の記者会見に対する警戒感から午後は売りが優勢だった。総裁会見では、ややタカ派と捉える見方が強まり、先物の夜間取引ではさらに下値を試す動きから一時138円を割る展開となった(137円99銭、17:55)。
【メモ】
☆植田総裁会見の主なポイント (出所:bloomberg)
<金融政策運営> 物価上昇率は見通し期間後半に2%物価目標とおおむね整合的な水準で推移
◆<現在の実質金利>金利は極めて低い水準で、経済、物価見通しが実現なら、政策金利を引き上げ金融緩和度合いを調整 / 見通しから上振れる要因が出てくれば、緩和度合いの調整を速める方向に働く / 賃金はやや強めだが、海外の貿易政策その他を巡る不確実性が高い中、簡単に判断できない / もう少し明らかになる4月初めに検討し直したい
◆<トランプ関税> 急速に通商政策が及ぶ範囲が広がっており、4月以降も不確実な状態が続く / 米国、世界経済、日本への影響を見極めた上で、インフレや経済見通しを精査 / 海外発の不確実性、4月初めにはある程度見えてくる
◆<物価> 基調的な物価上昇率は徐々に高まっているが、なお2%を下回っている / 物価上昇による国民生活への影響は十分認識 / コメを含む食品価格の上昇は消費者マインドや予想インフレ率を介して基調的な物価に2次的な影響を及ぼし得る
◆<春闘> 第1回回答集計の賃上げ率は昨年に続き高水準。規模が小さい企業も含め賃上げの動き / 1月会合時点の見通しにおおむね沿っている
◆<長期金利> 市場で形成されるものであり、急速に上昇するような例外的な状況では、安定的な価格形成を促すために機動的なオペを行うことはあり得る / 現状はそうした状況にはないが注視する <6月会合で行う国債買い入れ減額計画の中間評価> 今後検討を本格化。26年度以降の姿も示したい
◆<2%物価目標> 2%物価目標をまず達成させることが重要 / 物価2%達成は中長期的な日銀の信頼性確保に重要で、将来、見直しもあり得る
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