トランプラリー継続中(2016年11月3週)

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今週の金融市場

金融市場は前週、米大統領選でトランプ候補が勝利した後の流れを引き継ぎドル高、株高、利回り上昇のリスク・オフが継続しました。米国の10年利回りは2.26%から2.33%、ドル・インデックスは99から101.2に上昇しました。ドル円は106.65円から110.6円と一段と円安ドル高が進み、これを好感し日本株は大きく上昇しました。日経平均株価は1月初め以来の水準を取り戻し、一時1万8,000円台に乗せる場面がありました。結局日経平均株価は前週末比+3.41%の17,967円で一週間の取引を終えました。

セクター別は全てが上昇しました。上昇率が大きかったのは海運、銀行、鉱業でした。海運は足元の運賃の上昇が好感され、銀行は日米で金利が上昇していることから収益改善が見込めることや、トランプ次期大統領による銀行規制の緩和期待の高まりなどが買い材料となりました。

スタイルインデックスでは前週下落したマザーズ指数が最も上昇しました。大統領選直後は大型株のみの物色となっていましたが、米国の小型株の上昇もあり堅調な動きとなりました。

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経済指標

日本では3QのGDPが発表され、年率前期で+2.2%と、前回の+0.7%やアナリスト・コンセンサスを上回りました。

中国の鉱工業生産(10月・前年比)は6.1%と若干予想を下回り、小売売上高(同)は10%と予想を大きく下回りました。

英国の雇用者数増減(9月)は4.9万と予想を下回りましたが、小売売上高(10月・前年比)は7.6%と予想、前月を大きく上回りました。ドイツのGDP(3Q)はほぼ予想通りの前年比+1.7%でした。

米国の小売売上高(10月)は+0.8%と予想より若干良く、住宅着工件数(10月)は前月比+25.5%増と大幅に良い数値となりました。

 

イエレン議長の議会証言

イエレン議長は、議会証言で利上げに関して、今後経済指標が目標に向けて前進を続ける証拠が示されれば、比較的早期に適切になる可能性が十分にあると述べました。時期は明確にされなかったものの、足元の米国の経済指標は良好なものとなっており、12月13,14日に行われるFOMCで利上げが行われるのではないかとみられます。FF金利先物から求められる12月の利上げ確率は96%とほぼ25bpsの利上げを織り込んでいます。

 

中国の経済指標の悪化と人民元の下落

先にふれたように、中国の経済指標は予想を若干下振れるものが目立ちます。一方で、小売売上高は弱いものの、アリババの独身の日のセールの取引額は1,207億元と前年の912億元を大きく上回ったとの報道もあります。中国では不動産の取引の過熱を抑える政策が行われているようで、その中数値が大崩れしていないともいえます。

人民元に関しても同様で、1ドル=6.9人民元まで下落していますが、相対的なドルの高さを考慮すると、それほど気にする必要がないことかもしれません。しかし、中国ではドル建ての融資が多いことから、問題を起こす可能性として頭の片隅に置いておくべきかもしれません。

 

安倍首相とトランプ次期大統領の会談

会談は日本時間で18日の朝に行われました。内容に関しては特に触れられなかったものの、まずは順調な会談だった模様です。

(日経新聞 異例づくしの安倍・トランプ会談

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H1K_Y6A111C1EAF000/?dg=1&nf=1

 

今後の見通し

トランプ次期大統領は土曜日に、2012年大統領選における共和党の候補だったミット・ロムニー氏と会談することが明らかになりました。ロムニー氏は国務長官候補のようで、案外、共和党との亀裂修復も進める可能性もうかがえます。政権人事で現実路線がとられることが決定的になると、株価は年始に向けて一段の上昇を見せる可能性もあります。

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筆者休暇のため、来週は休みます。

 

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