12月14~15日で開催される連邦公開市場委員会(FOMC)では、資産購入のテーパリング(段階的縮小)の加速と2022年の利上げ開始を示唆し、足元で高い伸びとなっているインフレ抑制のために政策運営姿勢の転換を告げる見通しです。
この図は直近10年の日米10年債利回り(長期金利)と2年債利回り推移を示しています。
足元で米国2年債利回りは上昇局面にあり、FRBによる利上げ開始を織り込みつつあります。これまでもFF金利誘導目標に先行して、動いてることが見て取れると思います。
一方で長期金利は、2%手前で頭打ちです。一つに、利上げによって米国の急激な物価上昇に対処することで、その先の米国経済が鈍化するのではとの見方もあるようです。
米国QE(量的緩和策Quantitative Easing)や政策金利の変更は、短中期債に影響を及ぼしますが、長期金利(10年債利回り)など、残存の長い債券は、必ずしも同様の動きとはなりません。長短金利差を知ることも金利動向を知るうえで有効です。
また、日米の長期金利比較では、米国長期金利の上昇局面においては、国内長期金利も上昇(債券価格は下落)しますが、日銀のイールドカーブコントロール導入以降、その影響はが小さいことがわかります。
FOMCでは、タカ派寄り(利上げに前のめり)の見通しが強まりそうとの予想ですが、これらの過去の状況を踏まえて見ていくと、日米長期金利への影響は、限定的なのではないかと推測します。