市場概況
週初の日本株は堅調推移となりましたが、米国の世論調査で、トランプ候補の支持率がヒラリー・クリントン候補を上回るものが見られ始めたことから、リスクオフの動きが見られ下落に転じました。ドル円で105円近辺から102円台まで円高ドル安が進み、それまで堅調に推移していた日本株も急速に値を下げ、日経平均株価は前週末比-3.1%の16,905円で一週間の取引を終えました。日経平均株価、TOPIX共に50日移動平均で止まる形となっています。
セクター別では水産・農林、空運が上昇しました。下落が大きかったのは鉱業、海運、医薬品でした。原油価格は、OPECが増産凍結に合意できないとの見通しと、今後も需要が弱いとのことから大きく下落し、WTI原油は44ドル台まで下げました。それに鉱業も足を引っ張られる形となりました。海運は郵船、商船三井、川崎船の3社でコンテナ船事業を統合する発表を行った直後に、3社ともに通期見通しの下方修正を発表しました。当日は事業統合のニュースで上昇を維持しましたが、その後は業績の下方修正のインパクトが大きくなりました。
日米共に中央銀行の政策決定会合がありましたが、どちらも予想通り政策の現状維持を決定しました。相場への影響も限定的でした。
米国の雇用統計の前哨戦のADP雇用統計(10月)は14.7万人と予想を下回りました。前回発表分は15.4万人から20.2万人に上方修正されました。
今後の見通し
FBIによるヒラリー・クリントン候補のメール問題調査再開は、テレビ討論会の後、ヒラリー・クリントン候補の勝利を織り込みにかかっていた市場に、冷や水を浴びせる形となりました。選挙人数では依然、クリントン候補が大幅リードしているとの報道もありますが、Brexitの例もあり、トランプ・リスクを織り込む動きとなっています。日経平均VIは前週金曜日の18から今週の金曜には25.5まで上昇、米国のVIX指数は16から22まで上昇しました。大統領選の投票日は8日、大勢は日本時間の9日には判明すると見られます。一先ず、それまでは米国の大統領選が市場の最重要な材料となります。
その他今晩発表される米雇用統計も注目されますが、よほど数値が下振れない限り、利上げを支持する指標となると思われます。
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