ウィークリーレポート(2020年2月21日)

2/21金曜日のNY市場では新型コロナウィルスの中国以外のでの感染拡大を嫌気し、ダウ▲227ドルとの反落となりました。同日、経路不明の感染者が出ていることから、米国は日韓両国に対して渡航警戒レベルを一段階引き上げました。同措置を受け、日本市場祝日の2/24(月)にアジア市場は急落となっており、韓国KOSPI▲3.87%、CME日経平均先物は2/24 16:00げんざい、22525円(大証金曜終値比▲765円)となっています。

(共同通信) 米、日本渡航警戒引き上げ
https://this.kiji.is/604063085646611553

20(木)にはクルーズ船から死者2名が出たとの報道で値を下げ場面がありましたが、今後は、クルーズ船以外の感染者の出現に反応しそうです。

2月第3週はドル円為替レートは112.23円まで円安が進行しました。新型コロナウィルスの影響で旅行客のキャンセルが相次いでおり、年間5兆円に及ぶ旅行者消費支出の円買い圧力が(一部)なくなるとの懸念から円安進行との説明もされていますが、一方、週半ばには、円安株安債券安のトリプル安となる局面もあり、日本からの投資資金引き上げも一因としてありそうです。

(Bloomberg)日本株ETFから資金引き揚げの動き-新型ウイルスで景気下振れ懸念
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-02-14/Q5NXEO6K50XW01

同様の円安/株安同時進行は、1997年のアジア通貨危機時にもみられ、円は最終的に1ドル147.66円まで円安が進行し、財務省(黒田財務官:当時)はドル売り円買い介入で為替レート安定化を図りました。
現段階では、97年のようなアジア圏からの大規模なキャピタルフライトにはならないと考えており(新型コロナウィルスの感染が収束すれば経済は元に戻るため)、また、中国人民銀行は預金準備率の引き下げを検討していると報じられているなど、引き続き金融緩和による下支えでボックス相場継続との見方をメインシナリオとしたいです。
仮に97年のようなリスクシナリオとなるならば、クルーズ船以外の感染者の増加、各国の対日渡航制限、と段階を踏んでいくかと思われますので、引き続きヘッドラインとそれに対するマーケットリアクションに注意が必要です。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2020年2月14日)

2月第2週の株式市場は、NYダウが+295ドルと上昇した一方、日経平均は▲140ドル安と反落しました。
2月月初から先物を買い越していた米系証券は2/10(月)から一転して売り越しに転じており、またもや24000円を突破できずに跳ね返された格好です。裁定残高は、買い6606億円(前週比+1051億円)、売り9992億円(▲481億円)と方向感に欠ける展開です。
足元ではコロナウィルスによる景気悪化懸念と一過性の要因によるV字回復期待とで綱引きになっている様相です。

2018年5月前後の23000円を目前にした膠着相場が似たような状況として参考になりそうです。当時は、トランプ政権による対中関税引き上げと米中貿易協議の進展で膠着相場となりました。

BOX相場の最初の高値のタイミング2018.5.21=2019.12.17で2018年の株価を2019年の株価に調整してチャートを重ねると下図のようになります。
2018年と同じ経路をたどるなら、年度内はBOXのまま推移し、新年度から24000円を抜いて上昇、5月以降急反落となります。それっぽい理由をつけるなら、4月頃に新型コロナウィルス感染者が減少に転じ始め、収束の目途がたち株価上昇、ゴールデンウイーク明けの5月に入り3月末決算企業の本決算が揃い始めて、21年/3月期の見通しが市場予想よりも悪く株価下落、といった流れでしょうか。

必ずしも過去のパターン通りに動くわけではないのですが、少なくとも裁定取引の買い残高は1兆円に満たない低水準であり、大きくロングに傾いてる主体がいない以上、2015年チャイナショックのような急落を期待するのは分が悪そうで、しばらくは方向感を持たないほうが無難そうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2020年2月7日)

2月第1週の株式市場は、NYダウ+846ドル、日経平均+622円と大幅な反発となりました。中国人民銀行の大量の資金供給と6カ月ぶりに景気拡大/縮小の境目となる50を超えた米国ISM製造業指数(2/4発表)が後押しした形となりました。
2/3の人民銀行の資金供給は7日/14日のリバースレポでなされたので、2/10(月)、2/17(月)のPBOCのレポ額(10:00発表)の増減には注意が必要です。

・(CNN) 新型肺炎、世界の海運にも打撃 入港できず積み荷は海上に漂う
https://www.cnn.co.jp/business/35149062.html

・(NHK) 新型ウイルス感染拡大 トヨタ 中国の工場 操業再開を先送り
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200207/k10012276381000.html

新型コロナウィルスの影響で、今後経済指標は悪化していくことは当然予想されますが、市場では一時的な要因と軽視し、株価が反発(NYは史上最高値を更新)していくな様子は、2015年年初と似ているように感じます。当時は前年からの急激な原油安によるシェール関連の設備受注悪化、さらにNYでの大雪による建築受注の悪化と経済指標でみると軒並み悪化していいましたが、市場は一時的な要因と楽観しており、結局、夏ごろになり上海総合指数の下落をトリガーにようやくグローバルに株価調整となりました。

今回も同様のケースが考えられますので、実体経済と株価のギャップに注意しておく必要があります。
当面は、短期的にはコロナウィルス関連のヘッドラインに右往左往させられながらも、年度末/期末配当を意識したフロー中心の価格形成となりそうで、実体経済に気付いて調整するのは新年度以降となるかもしれません。

投資部門別売買動向では海外投資家 は1月最終週は7829億円売り越し、先物手口情報では米系証券が1/31~2/7まで20737枚の買い越しで株高を演出しました。裁定残高は買い5555億円/売り1兆474億円と昨年11月以来の売り残1兆越えとなりました。

チャートでは24000円でなんども頭打ちとなってなっており、一度上に抜けて買い手のポジションが溜まってから調整という流れが想像しやすいです(2018年5月頃のパターン)。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2020年1月31日)

1月第5週の株式市場は、NYダウ▲733ドル、日経平均▲622円と2週連続の続落となりました。
週半ばには、米当局が航空会社へ中国航路の閉鎖を検討していると伝わると株価が急落(その後否定、株価も反発)、新型コロナウィルスの経済への悪影響に敏感に反応するようになってきました。
1/31発表の中国非製造業PMIは54.1(市場予想53.0)と好調だったものの、まだ新型コロナウィルスの影響が反映されていないものと思われます。2月の経済指標も多くは1月分なので、2月末に公表されるPMIあたりからが経済への影響織り込みの本格化するのではないでしょうか。

投資部門別売買動向では、海外勢が株現物+先物で2078億円売り越し、JGB先物も3489億円売り越しとなっていました。また、裁定残高は、買い 6565億円(+93億)、売り9790億円(+53億)、と小動きです。

1/31金曜日のNYダウ▲603ドルの急落を受け、週明けの日本市場も大幅安で始まると思われます。
目先、200日移動平均に近く、節目となる22000円が意識されますが、米中貿易協議の進展を好感し実体経済よりも先回りをして上昇してきた株価水準ですので、もう一段の下げに警戒が必要です。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2020年1月24日)

1月第4週の株式市場は、NYダウ▲358ドル、日経平均▲214円と武漢新型肺炎の影響拡大懸念から株安となりました。

投資部門別売買動向では、イラン騒動も収まった1月第2週も海外勢は現物先物合算で2817億円の売り越しとなっており、昨年末の大納会の週から3週連続の売りとなっています。JGB先物は年明けから2週連続の買い。裁定残高(1/17)は買い残高5627億円(前週比▲1451億円)、売り残高9253億円(前週比▲101億円)とリスクオフの動きが続いています。

日経平均の予想EPSは、ソフトバンク、ファーストリテイリングなどにアナリスト予想上方修正の動きがみられ、当面のレンジは23600円~26500円に上昇したところでしたが、1/24に中国が春節中である1/27からの海外団体旅行をすべて中止にしたことで、週明けの日本市場はインバウンド銘柄を中心に軟調な展開が予想されます。

(読売新聞) 習氏、「感染阻止の戦いに勝つ」とげき…海外への団体旅行禁止へ
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200125-OYT1T50262/

米中の関税引き上げ合戦による影響から実体経済は減速しており、昨年秋以降の株価上昇は、米中の貿易協議合意第1弾を好感し、今後の景気回復を先取りして上昇したものです。そのため、武漢新型肺炎が再度、実体経済に悪影響を及ぼすとなると、一時的な調整局面がおこりそうです

2003年SARSの時は日経平均は高値から▲18.37%の調整となりました。ただし、同時にイラク戦争も開戦となっており、SARSだけの影響か判断の難しいところです。

長江沿いにあり、中国大陸東西南北の交通の要衝である武漢には日本企業も多数進出しており、封鎖が長引くことによるサプライチェーンの混乱も懸念されます。

進出企業一覧:http://wuhan.jp/investment.htm

サプライチェーンの混乱懸念と言えば、2011年のタイ洪水(7月~11月)の例もあり、当時、日経平均は▲18.25%の下落となりました。ただし、こちらも S&Pによる米国債格下げショックが同時に起こっており、直接比較できるものではないと考えます。

仮に直近高値から▲18%の調整があるとすると、日経平均安値19775円とバリュエーション下限(20750円)を割っており、調整局面となってもひとまずは21000円割れですぐ反発するのではないかとみています。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会