SQ通過で、G20、産油国会議期待が生じ上昇 2016年4月3週

株式市場概況

4月11日~4月15日の動き

これまで海外株の上げに出遅れていた日本株は反転し、日経平均株価は週間で6%強の上昇と大幅高の展開となった。背景には、日本の補正予算、17日に行われる産油国によるドーハ会議における増産凍結合意、14,15日(米時間)に行なわれるG20財務相・中央銀行総裁会議などに対する期待があった。円高ドル安が一旦止まり、1ドル110円付近まで戻す場面があったことも、日本株上昇の追い風となった。本格化している米国企業の決算発表は、ほぼ予想通りの内容となっており、米国株は原油の上昇と共に、株式への買いが継続している。

 

経済指標では米国の小売売上高(3月)が予想を下振れた。日本の機械受注は前年比マイナスながらも予想を上回ったが、首都圏マンション販売(3月)は前年比で-39.6%と大幅に減速している。中国のGDP(1Q・前年比)は+6.7%と予想通りの値となった。鉱工業生産、小売売上高、貿易収支は予想を上回る値となった。また、中国では融資額が大幅に伸びたことが注目される。

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セクター別では全てが上昇した。これまで商品価格の下落や、中国経済に対する懸念から弱い動きとなっていた鉄鋼、海運、非鉄金属や、日銀のマイナス金利政策導入以降、良いところの無かった銀行などが上昇した。一方、伸び悩んだのは、ここ最近堅調であった水産・農林、食料品、小売などの内需ディフェンシブだった。スタイルインデックスではマザーズの堅調は継続。また、ここ最近弱かった大型株の上昇が目立った。

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今後の注目点

17日にあるドーハで予定される産油国会合で、原油の増産凍結に関してどのような決定がなされるのかが、週初の動きに影響を与えるだろう。凍結の合意があるというのが現在の市場コンセンサスだろう。そのため減産があればサプライズで上昇、それ以外では若干の調整となるのではないか。

今週は、日本でも3月決算企業の決算発表が徐々に始まる。現在の為替や世界経済の動向を見ていると明るい見通しを発表するのは難しい環境だろう。しかし、大部分の投資家の期待は低いため、株価が上抜ける可能性もある。

経済指標では日本の貿易収支に注目。黒字幅が今までよりもかなり大きくなることが予想されており、それを受けての為替の動向が株式市場に影響することが考えられる。その他、週末にECB理事会が開催される。

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株式市場需給動向(4月2週:4月4日~4月8日)

4月2週の投資主体別売買動向は、海外投資家、個人、銀行が売り越し、投資信託、信託銀行、事業法人の買いとなった。短期的な損切りと、長期的な資金による押し目買いがあったように見受けられる手口だ。信用買い残高、裁定買い残高は共に減少した。

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