1月第2週の株式市場は、日経平均+6.59%、NYダウ+0.34%、ユーロストックス50+0.37%と、日本株の一人勝ちの様相となりました。
1/12に発表された1月第1週(1/4,1/5)の投資部門売買動向では、現先合計で個人は837億円の売り越し、また海外投資家も1136億円の売り越しとなっており、買い方では自己 555億円、投信612億円、事業法人540億円となりました。投信の買い越しは新NISAでの買付けと思われますが、個人自体は現物だけでも336億円の売り越しとなっており、先週のレポートとは裏腹に依然として逆張り投資家のままのようです。
一方、つみたてNISAについて、対象となっている272銘柄(12/28時点、除ETF)の推定資金フローを見ると、1/11時点で海外株式型への買いが5151億円と急増しており、個人投資家は日本株を処分しつつ海外株購入しています。
バリュエーションとしては、12か月先予想PERのヒストリカルレンジからは1σの35,050円が上限ですが、すでに上方にオーバーシュートしています。リーマンショック以降では、2013年5月、2015年7月も同様にレンジ上限を超える局面がありましたが、その後下落となっており、今回も先々の修正局面に注意が必要な水準です。
テクニカル的にも高値で1/12に十字線が出おり目先天井を示唆していますが、SQ前日の1/11の日本市場引け後にCME日経先物が35790まで一時急騰し、また翌朝のSQ値は36025円と上方に大きく乖離するなどショートカバーのような動きを見た一方で、その後急速に値崩れを起こしながらボラティリティが下がるというショートカバー時特有の動きは無く、引き続き買いが根強い印象を受けました。
不謹慎ながらも震災後の動きという観点でチャートを比較すると、地震発生後から株高となるケースでは北海道胆振東部地震(2018)と相似しており、同じ軌跡をたどるならば36116円(1/24)まで上昇しその後31473円(2/21)まで反落という流れになります。
NY市場では、高値圏のまま騰落レシオ(Breadth Indicator)は売られすぎ水準まで低下しており、連休明けからの反発に期待できます。
海外株高につられて買いフローがもう少し続くとみて36,000越えを狙いに行くにしてもプロテクティブプットがよさそうですし、ボラティリティは高いですが上昇下落両方狙える先物+プットのデルタニュートラルでガンマロング戦略が日の目を見る機会に思えます。