株式市場概況
5月23日~5月27日の動き
日本株は、週末にG7やイエレンFRB議長の講演があることなどから出来高は薄かったが、EUがギリシャに対する再度の支援を決めたことや、原油価格が一時50ドルを上回ったことにより欧米株が上昇したことから、小幅高となった。経済指標では、米国の住宅指標の好調も目立った。日経平均株価は前週末比0.59%の16,834円で一週間の取引を終えた。
27日、G7首脳会議では「世界経済の見通しに対する下方リスクが高まっており、経済成長を強化するため、我々の財政戦略を機動的に実施」との文言を織り込んだ、首脳国宣言を採択した。前日には安倍首相が「世界の経済情勢はリーマンショック前に似ている」と発言したことが話題となった。この発言で、市場では消費増税再延期の可能性が高まったと捉えられている。
セクター別では、原油価格の上昇から鉱業、石油石炭の上げが大きくなった。下落上位はその他金融、不動産、電気ガスとなった。スタイルインデックスでは、マザーズが前週、下落率トップだったマザーズ指数が上昇率トップとなった。しかし、臨床試験が不調で急落したアキュセラインク(マザーズグローバル上場銘柄)は木曜日と金曜日にストップ安した。まだ寄り付いておらず、動向が気にかかる。ちなみにこの銘柄はマザーズ指数に含まれていない。
今後の注目点
G7も終わり、日本における注目点は国会の会期終了の6月1日までに、安倍首相からどのような対策が発表されるかに移る。G7をみていると、消費増税の再延期と財政支出は行われるような報道内容だ。そうすると、日本経済に対しては強気になれる環境はそろう。
しかし、6月は市場を動かす材料となりそうなイベントが多い。まず、OPEC総会が6月2日から行われる。ここ最近、原油価格は回復しているため、政策が変更される可能性は小さいようだ。そのような結果でも、足元の在庫動向などをみていると、供給が減少しているようなので、価格が急落するようなことはないだろうが、注目される材料ではある。次に注目されるのは、6月14、15日に開催されるFOMCだ。前週利上げが話題となったが、FF金利先物から計算される利上げ確率は28%と、依然低くなっている。もし、利上げが行われるのであれば、資産価格の変動率が上昇する可能性が考えられる。最後にして、最も注目されるのは6月23日に実施される英国のEU離脱に関する国民投票だ。世論調査では今のところ、離脱反対派が多数を占めると報じられているが、離脱派が逆転する可能性もあるため、これが来月の最も大きなリスクであるといえる。
そのため、日本の経済対策が発表されても、株価が勢いよく上昇していくことも考えにくい。しかし、6月の不安材料がすべて消化されれば、上昇余地は大きいと考えられるため、押し目は買っておきたいところだ。
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