11月第1週の株式市場は、米国大統領選の通過によりNYダウは+6.87%、日経平均+5.87%、ユーロストックス50指数+8.31%と大幅高となりました。トランプ大統領は法廷闘争を辞さない構えを示しているものの、将来の株価予想変動率を示すVIX指数は▲34.61%(▲13.16pt)と大幅な下落、また、日経VI指数も▲29.10%(▲8.86pt)と急落となり、大統領選の正式な結果はまだであるにもかかわらず、マーケットではイベント終了として消化しているようです。また、炭鉱のカナリアともいわれる米国ハイイールド債ETF(HYG)は持合いを上抜けし、リスクオンが鮮明になっています。
過去の大統領選後の値動きを比較するとS&P500は1980年のレーガン大統領当選時と似ています。同じ軌道をなぞるならば、11/3を基準に▲1.3%~+8.8%(3325pt~3665pt)がS&Pの11月レンジとなり、まだ上昇余地があります。仮に日経平均も足並み揃えて+8.8%となるなら25344円となり、バブル崩壊後の1991年11月1日高値25254.80円も更新される計算となります。
市場環境を見ると、裁定売り残高は8/28の1兆6106億円から直近で1兆8916億円へ増加していますが、5月末の2兆5707億円よりまだすくなく、1570日経平均レバレッジETFの信用売り残高は選挙前の19.1万口から134.2万口まで急増しており、大統領選後の株価上昇をショートカバーと判断するのは尚早で、まだ売り方がポジションを積み増している段階と見えます。
大統領選が通過しただけであり、具体的な財政政策や新たな金融緩和が行われたわけではないため、今後も大幅な株価上昇が続くか懐疑的になりますが、週明けはSQ週という事もあり、コールポジションの売り方を巻き込む形になれば、2017年11月のSQ週のような意外高となるかもしれません。