5月第3週のNYダウは▲2.65%と反落、日経平均も▲0.70%と小幅下落となりました。
4月最終週以来、3月安値からの戻り高値付近での膠着が続いていますが、米国では米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長のロックダウン解除への慎重な上院証言から、経済の先行き不安が再燃し株価が下落する一方、日本市場では5/22にも東京・大阪での緊急事態宣言解除が報道されるなど明るいニュースは出ていますが市場は反落、ロックダウンで買い/ロックダウン解除で売りの様相にも見え、ニュースの解釈も錯綜し方向感がありません。
市況データでは、裁定売り残が2兆3537億円と高水準にあり、また、日本市場の騰落率レシオ(25日)もマザーズ市場で101.76、JASDAQを含めた新興2市場で105.20.72、東証4市場合計で91.80と過熱感がやや和らいでいることから需給では下値は堅いように見えます。一方、21年3月期の業績予想は新型コロナウィルス感染症の影響で急速に悪化し、バリュエーション面では割高感が出てきており、需給とバリュエーションで板挟みとなっています。
3月の暴落後の反発局面をリーマンショック後の10月安値からの反発に重ねると、おおむね2008年当時の動きと重なることから、今後も上がるも下がるも煮え切らない展開が1~2か月は継続しそうです。
ただし、リーマンショックのようにより深い2番底を目指すには、例えばボーイング社の破綻など金融機関に大きなダメージの出る悪材料が必要でしょうから、現状では下落しても日柄調整のレベルだと考えます。