1月第2週は、日経平均は+0.56%の小幅反発、NYダウは+2.00%、ユーロストックス50は+3.31%とそれぞれ続伸となりました。
12日に発表された米国12月CPIは市場予想通り前年比+6.5%となり、前月の7.1%から一段と下落しました。マーケットでは事前にCPIの低下を織り込んでおり、発表直後こそSell the factの売りが出たものの、その後フィラデルフィア連銀のハーカー総裁から3月以降の会合での利上げ幅が25bpと小刻みにするべきとの発言があり、株高債券高(金利低下)となりました。
一方、日本市場では、12日に読売新聞が日銀が次回会合(1/18)に大規模緩和の副作用を点検するとの報道があり、翌13日には長期金利がYCC政策の上限0.5%を超える0.545%に一時上昇するなど、点検後の政策変更を睨んだ動きが激しくなりました。
FRBが利上げ幅を縮小し引き締めの終了フェーズを睨み始めているのとは対照的に、日銀は遅れて引締め転換となる状況から、ドル円為替レートは前週末132円08銭から127円87銭まで4円21銭の急激な円高となっています。日米両国の金融政策スタンスの違いはしばらくは継続する見込みですので、FRBの緊急利下げのあった1998年の円高局面ほど急激ではありませんが、比較チャートではおおむね同じ方向で動いており、120円割れまでは円高はトレンドが続きそうです。
さて、その日銀政策決定会合ですが、点検自体がただの観測報道であって実在しないケース、点検はするが副作用は軽微だとし大規模緩和を継続するケースでは、これまでの政策変更の織り込み具合から一気に円安/債券高となるでしょう。また、YCC政策の修正に市場の注目が集まっていますが、意表をついてETFやJ-REIT、社債の購入停止という可能性やマクロ加算残高を用いたマイナス金利の撤廃など様々ケースが考えられます。これまで散々騙し討ちを繰り返してきた黒田総裁だけに、週明け1/18の日銀政策決定会合には最大限の注意が必要です。
トレードアイデアとしては、円高を背景とした日本株の相対的なパフォーマンス悪化を前提に、日経平均先物売り/大証ダウ先物買いが考えられます。
(読売新聞)日銀、大規模緩和の副作用点検へ…年末の政策修正後も市場金利にゆがみ
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230112-OYT1T50050/
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