株式市場概況
4月4日~4月8日の動き
ファーストリテイリングの業績見通し下方修正や、ドル円が110円を割り込み円高が加速したことなどから、日経平均株価は弱含む展開となった。一方で、小型株はバイオ銘柄を中心に強い展開が継続し、マザーズ指数は前週比で大幅高となった。
円高が加速する要因となったのは、安倍首相が米国紙とのインタビューに於いて「国々は通貨安競争を避けなければいけない」と述べたことにより[1]、円に介入することはないと見られたことが原因だった。ドル円は一時107.67円まで上昇した。このような円高の動きを嫌気し、日本株は売り先行の展開となった。金曜日には日経平均で一時、15,500円を割り込む場面もあったが、主力株で配当利回りが4%を超える銘柄なども出てきたため、押し目買いが入り安値からは反発した。日経平均株価は前週末比-2.12%の1万5,821円となった。
前週末の米国の雇用統計(3月)は、非農業部門雇用者数が21.5万(前回24.2万→24.5万)と良好な値だった。

セクター別では水産農林、医薬品、食料品など円高が悪影響とならない内需ディフェンシブが上昇した。下落率は、円高で業績が悪化すると見られる輸送用機器がトップ。それに次いで保険、証券・商品、銀行など金融関連の下落率が大きかった。
スタイルインデックスではマザーズ指数が5%超と大きく上昇した。下落率トップは日経平均株価となった。寄与度トップのファーストリテイリングの下方修正が影響した模様。

[1] THE WALL STREET JOURNAL
Shinzo Abe Says Countries Must Avoid Competitive Currency Devaluations
http://www.wsj.com/articles/shinzo-abe-says-countries-must-avoid-competitive-currency-devaluations-1459870265
今後の注目点
円高の進行が日本株の重石となっている。麻生財務相や菅官房長官などは円高をけん制する発言を行なっているが、如何せん発言だけでは流れを変えにくいところだ。一方で、介入も行ない難い。そのため、ドル円のレベルが今から一気に円安に向かうとは考え難い。
しかし日本株は割安に推移する銘柄も目立つ。配当利回りに目をやると魅力的に見えるものも多くなっている。そのため、少しずつ買い始めても良いレベルだ。為替差損などが気にかけられるが、輸出系は年初来で対TOPIXでも下落幅が大きくなっており、買いのチャンスが徐々に近づいているように感じられる。
今週からは米国企業の決算発表が本格化するため、PERで見て割高になっている米国株がどのように推移するか注目している。

株式市場需給動向(3月5週:3月28日~4月1日)
3月4週の投資主体別売買動向は、海外投資家、生保・損保、投資信託が売り越し、信託銀行、個人が買い越した。裁定買い残高は減少、信用買い残高は増加した。

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